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764.南方戦役11
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「つまらん。南方地方の戦とは
このようなものばかりなのか?」
神剣を仕舞い、ソードブレイカーに
持ち替えたマリアンヌだった。
逃げ纏う兵士たちを斬り刻むでもなく、
ゆっくりとした歩調で城門をくぐった。
「さあ知らんな。ただまともではない。
こんなことしても敵からも味方からも反感を買うだけだろうに」
愚痴りながら、ロジェは城門をくぐり抜けて、
逃げ纏う敵兵をツヴァイヘンダーで背中からであろうとも
容赦なく叩き斬っていた。
「我が兄ながら、その容赦のなさ、恐ろしいわ」
「戯け。キャロ、おまえほどではないわ」
キャロリーヌも容赦なく矢を放ち、
一矢一矢が正確に敵兵に致命傷を与えていた。
「アルフレート君たちもどうやら合流する気らしいな。
こんな愚にもつかないことをしでかしたモレロン軍を
彼は許さないだろうな」
ロジェの嘆息にキャロリーヌも賛同した。
「当たり前でしょ。
これを許すことは寛大や寛容の度を越えているわ。
これを指示した者たちにはそれ相応の罰が必要よ」
誠一たちは鼻を突くような臭いに耐えながら
ロジェたちに合流した。
そして、そのままこの戦を指揮する者が籠る城に攻め込んだ。
城の周りを水の張った堀が囲み、跳ね橋は跳ね上がっていた。
城に回収されなかった兵士たちは武器を堀へ放り投げて、
降伏の意を示していた。
それは城からも見える距離であり、
彼等に城から矢や魔術が放たれた。
ばたばたと幾人かのモレロン軍の兵士たちが
倒れた。そして、苦痛に呻いていた。
降伏しようとした兵たちは、
その意味することを理解した。
兵士たちは意味不明な叫び声をあげて突如、
反転して誠一たちに向かって走り出した。
武器を構えて突っ込む者もいれば、
既に武器を捨ててしまっている者もいた。
「おいおい、まともじゃねーぞ」
「死兵なのです。
まともに相手をすれば、こちらが大変なことなるです」
先頭を走るヴェルとアミラは初めて相対する
死兵と化した敵兵に面食らってしまった。
「小僧ども奴らは、適当にいなせ」
「長くは続かねえ。直ぐに体力が尽きる」
経験豊富な傭兵たちがヴェルとアミラに
アドバイスを送った。
二人は素直に頷き、無理な突撃をせずに敵兵の攻撃をいなした。
「堀を背にした背水の陣に加えて、
味方からの督戦まであるんじゃ死に物狂いなりますね」
誠一は凄まじい勢いで突っ込んでくる敵兵を冷静に観察した。
「まあ、感想はいい。
アルフレート、今、必要なのはどうすべきかの指示だよ」
分かり切ったことをわざわざマリアンヌに指摘された誠一だった。
「敵兵の勢いを削ぐ。
最前線のヴェルや味方が勢いを削いでいる。
その後方へ魔術や弓で攻撃をする。
剣や槍、斧を持つ兵は最前線へ合流」
テストとは違い、戦場に決まった答えはない。
答えは結果で示されるだけだった。
誠一は戦場で指示を出すことが常に不安だった。
いつか目を背けたくなるような結果を
まざまざと見せつけられるのではと心配で仕方なかった。
このようなものばかりなのか?」
神剣を仕舞い、ソードブレイカーに
持ち替えたマリアンヌだった。
逃げ纏う兵士たちを斬り刻むでもなく、
ゆっくりとした歩調で城門をくぐった。
「さあ知らんな。ただまともではない。
こんなことしても敵からも味方からも反感を買うだけだろうに」
愚痴りながら、ロジェは城門をくぐり抜けて、
逃げ纏う敵兵をツヴァイヘンダーで背中からであろうとも
容赦なく叩き斬っていた。
「我が兄ながら、その容赦のなさ、恐ろしいわ」
「戯け。キャロ、おまえほどではないわ」
キャロリーヌも容赦なく矢を放ち、
一矢一矢が正確に敵兵に致命傷を与えていた。
「アルフレート君たちもどうやら合流する気らしいな。
こんな愚にもつかないことをしでかしたモレロン軍を
彼は許さないだろうな」
ロジェの嘆息にキャロリーヌも賛同した。
「当たり前でしょ。
これを許すことは寛大や寛容の度を越えているわ。
これを指示した者たちにはそれ相応の罰が必要よ」
誠一たちは鼻を突くような臭いに耐えながら
ロジェたちに合流した。
そして、そのままこの戦を指揮する者が籠る城に攻め込んだ。
城の周りを水の張った堀が囲み、跳ね橋は跳ね上がっていた。
城に回収されなかった兵士たちは武器を堀へ放り投げて、
降伏の意を示していた。
それは城からも見える距離であり、
彼等に城から矢や魔術が放たれた。
ばたばたと幾人かのモレロン軍の兵士たちが
倒れた。そして、苦痛に呻いていた。
降伏しようとした兵たちは、
その意味することを理解した。
兵士たちは意味不明な叫び声をあげて突如、
反転して誠一たちに向かって走り出した。
武器を構えて突っ込む者もいれば、
既に武器を捨ててしまっている者もいた。
「おいおい、まともじゃねーぞ」
「死兵なのです。
まともに相手をすれば、こちらが大変なことなるです」
先頭を走るヴェルとアミラは初めて相対する
死兵と化した敵兵に面食らってしまった。
「小僧ども奴らは、適当にいなせ」
「長くは続かねえ。直ぐに体力が尽きる」
経験豊富な傭兵たちがヴェルとアミラに
アドバイスを送った。
二人は素直に頷き、無理な突撃をせずに敵兵の攻撃をいなした。
「堀を背にした背水の陣に加えて、
味方からの督戦まであるんじゃ死に物狂いなりますね」
誠一は凄まじい勢いで突っ込んでくる敵兵を冷静に観察した。
「まあ、感想はいい。
アルフレート、今、必要なのはどうすべきかの指示だよ」
分かり切ったことをわざわざマリアンヌに指摘された誠一だった。
「敵兵の勢いを削ぐ。
最前線のヴェルや味方が勢いを削いでいる。
その後方へ魔術や弓で攻撃をする。
剣や槍、斧を持つ兵は最前線へ合流」
テストとは違い、戦場に決まった答えはない。
答えは結果で示されるだけだった。
誠一は戦場で指示を出すことが常に不安だった。
いつか目を背けたくなるような結果を
まざまざと見せつけられるのではと心配で仕方なかった。
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