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739. 領土防衛戦8
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その速度について行けずに目を丸くするデュプレだった。
その表情とは裏腹の言葉をデュプレは誠一に投げつけた。
「逃げ足だけはいっちょ前の坊やだな。
多少、素早くとも貴様を捉える算段は幾つもある。
調子にのるなよ、いきがった小僧が」
「小僧と言ったり、坊やと言ったり、忙しい奴だな。
昔、似たような奴がいたが、最後は地面に倒れて
土を舐めていたな」
罵詈雑言の応酬では誠一も負けていなかった。
「やれやれアルにも困ったもんだな。
いっちょ気合を入れてやるかな。
おうらぁぁアル、いい加減にしろやぁ」
ヴェルからだらだらと戦う誠一に檄が飛んだ。
苦戦している様に見えて、それに応じる余裕が
誠一にはあった。
「ヴェル、うるさっ!意外に意外と手強いんだよ」
誠一は7面メイスを持ち直すと、
距離を詰めてくるデュプレに向かって
間髪入れずに風の魔術を展開した。
「エアパレット!」
数発の風の弾丸がデュプレを襲った。
「ああああああああ!シールドバッシュ」
大盾でエアパレットを防ぎながら、
前面に向けてデュプレは誠一に突撃した。
彼我の力の差を見せるかの様に
誠一はその技を7面メイスで受けた。
「なっなににぃ」
ベタな台詞を吐くデュプレだった。
豊富な経験がデュプレに最大級の警戒を鳴らしていた。
デュプレの驚嘆に誠一は付き合うつもりは全くなかった。
力任せにデュプレを押し返しえて、
7面メイスを横なぎに振るった。
反応の遅れたデュプレはもろにその一撃を
脇腹にくらってしまった。鎧が拉げてしまった。
ダメージ自体は鎧が吸収していたが、
デュプレの表情には驚きから恐怖が浮かび上がっていた。
「まー鎧が拉げた位で心が折れるって、しょうもな」
シエンナはつまらなそうであった。
誠一は容赦なくデュプレをメイスで殴りつけていた。
デュプレは防戦一方に追い込まれて、鎧には陥没が増えていった。
その都度、無機質な金属音が響いた。
「恐ろし過ぎる。大技でなく淡々と殴りつけるだけで
B級の冒険者を倒しそうな勢いね」
サリナがうすら寒そうであった。
息を乱しながら、遂にデュプレは崩れ落ちた。
しかし、誠一は攻撃の手を緩めなかった。
戦場に響くべき怒号、悲鳴、大地を蹴り上げる音、
剣戟・打突の音は一切しなかった。
それどころか木々のざわめき、鳥のさえずりすらも
兵たちの耳に入ることはなかった。
カーン・カーンという鋼を鍛えるような音が
規則的に響くだけであった。
デュプレの兵士たちは人形の如く動かなかった。
時節、強い風に振られて身体が揺れていた。
それは誠一の兵士たちも同じであった。
既にデュプレは呻き声すら上げていなかった。
誠一に殴られると、デュプレの身体が揺れた。
その表情とは裏腹の言葉をデュプレは誠一に投げつけた。
「逃げ足だけはいっちょ前の坊やだな。
多少、素早くとも貴様を捉える算段は幾つもある。
調子にのるなよ、いきがった小僧が」
「小僧と言ったり、坊やと言ったり、忙しい奴だな。
昔、似たような奴がいたが、最後は地面に倒れて
土を舐めていたな」
罵詈雑言の応酬では誠一も負けていなかった。
「やれやれアルにも困ったもんだな。
いっちょ気合を入れてやるかな。
おうらぁぁアル、いい加減にしろやぁ」
ヴェルからだらだらと戦う誠一に檄が飛んだ。
苦戦している様に見えて、それに応じる余裕が
誠一にはあった。
「ヴェル、うるさっ!意外に意外と手強いんだよ」
誠一は7面メイスを持ち直すと、
距離を詰めてくるデュプレに向かって
間髪入れずに風の魔術を展開した。
「エアパレット!」
数発の風の弾丸がデュプレを襲った。
「ああああああああ!シールドバッシュ」
大盾でエアパレットを防ぎながら、
前面に向けてデュプレは誠一に突撃した。
彼我の力の差を見せるかの様に
誠一はその技を7面メイスで受けた。
「なっなににぃ」
ベタな台詞を吐くデュプレだった。
豊富な経験がデュプレに最大級の警戒を鳴らしていた。
デュプレの驚嘆に誠一は付き合うつもりは全くなかった。
力任せにデュプレを押し返しえて、
7面メイスを横なぎに振るった。
反応の遅れたデュプレはもろにその一撃を
脇腹にくらってしまった。鎧が拉げてしまった。
ダメージ自体は鎧が吸収していたが、
デュプレの表情には驚きから恐怖が浮かび上がっていた。
「まー鎧が拉げた位で心が折れるって、しょうもな」
シエンナはつまらなそうであった。
誠一は容赦なくデュプレをメイスで殴りつけていた。
デュプレは防戦一方に追い込まれて、鎧には陥没が増えていった。
その都度、無機質な金属音が響いた。
「恐ろし過ぎる。大技でなく淡々と殴りつけるだけで
B級の冒険者を倒しそうな勢いね」
サリナがうすら寒そうであった。
息を乱しながら、遂にデュプレは崩れ落ちた。
しかし、誠一は攻撃の手を緩めなかった。
戦場に響くべき怒号、悲鳴、大地を蹴り上げる音、
剣戟・打突の音は一切しなかった。
それどころか木々のざわめき、鳥のさえずりすらも
兵たちの耳に入ることはなかった。
カーン・カーンという鋼を鍛えるような音が
規則的に響くだけであった。
デュプレの兵士たちは人形の如く動かなかった。
時節、強い風に振られて身体が揺れていた。
それは誠一の兵士たちも同じであった。
既にデュプレは呻き声すら上げていなかった。
誠一に殴られると、デュプレの身体が揺れた。
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