転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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735. 領土防衛戦4

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「なあ、アル。どんな奴が領主なんだ?」
行軍の小休止中、誠一に代わってシエンナが
ヴェルの問いに答えた。
「ジェルミラ家の遠縁にあたる初老の男が治めているわ。
ジェルミラの姓は名乗ってないわね。
どうもジェイコブの幼少の頃の教育係だったみたい。
まあ、ジェイコブがあんな感じに育ったところを見ると、
まともな教育は施してないような気がするわ。もしくはうーん」

シエンナが首を傾げて何か考えていた。

「シエンナ、何か気になるところでもあるの?」

「うーん。これはアル、私の想像だけどね。
ジェルミラ本家の威勢を恐れて、
ジェイコブの我儘を叱らずにやりたい放題のままにしたのかな。
そう言う意味では、長い物には巻かれろって感じの
小心者だと思うけど。今も率いる兵力としては過少なはずなのに
過激な程にちょっかいを出して来る。それは多分、
ジェイコブやジェミロの歓心を少しでも買おうとしている表われかなと」

「ってことは要するに小物か!
スケードの姿を見ただけで、逃散するんじゃね」
ヴェルが汗を拭いながら、呑気に答えた。

誠一にも大したことないなという思いがよぎったが、
自身の両手で両頬を軽くはたいて、気を引き締めた。
何故かヴェルとシエンナがそれを真似した。
周囲でそれを見ていた仲間たちも続いて、それを真似た。
街道には妙な音が響き、木々に止まっていた鳥たちが
一斉に羽ばたいた。

「ちょっと何が起きたのよ。鳥が一斉に羽ばたいているけど」
丁度、サリナが斥候から戻ってきて、誠一たちに合流した。
「いやわからん。アルが突然、両頬を叩いて、
気合を入れたら、それを全員が真似ただけだ」

「ヴェル、一体何を言っているのか良く分からないけど。
分かっていると思うけど、ここは敵地だからね。
少しは行動に注意を払いなよ。シエンナも奇態な行動を
アルとヴェルが始めたら、止めなよ」

「いやそのう、すみません」
一緒になって行動したシエンナは恥ずかしそうだった。

「ごめん、サリナ。少し軽率だった。
それでどう?敵地の状況は?」
誠一はサリナに斥候の結果を促した。

「まっ少しどころかかなりだけどね。酷いありさまよ。
城はなし。情報通り城というより館だった。
それと、住民からは一様に生気を感じなかった。
苛斂誅求ここに極まれりって感じで死にそうな住民しかいない。
ただどうなんだろう」
そこで、サリナは言いよどんだ。

「サリナ、気になる事でもある?」
誠一に促されて、サリナが話を続けた。
燦燦を照る陽の元であったが、サリナの表情は曇っていた。
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