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715. 初の戦略・戦術5
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「うーん最初の攻略拠点かー。どうだろうね。
バリーシャ女王のご希望は代官を置いての直轄領でしょう。
親王国派を取り込んで、その後、褒賞に領土を求められても
拒否されたれら、また、反乱が勃発するでしょうし。
そうでなくても領土の有力者たちに不満がくすぶってしまうし。
難しいなぁ」
「そうだ。反王国派で攻略しやすい領主を攻めましょう。
正直、強力な竜騎士がいるから、落城させるは左程の難しくないと
思うけど、アルどうする?」
政略、戦略など誠一は全く分からなかった。
知識としては、アルフレート・フォン・エスターライヒの
記憶のページをめくれば、幾らでも出て来た。
しかし、あくまでも知識だけあって、それらを体験したことは
全くなかった。
「いや、ここから最も近い反王国派の急先鋒の
ジェイコブ派を攻めよう。
出来る限り派手に圧倒的に制圧しよう。
どうせまた、ファーリが近くをうろうろしているだろうし。
彼に先生がネタを売りつけて、自然に評判が広がるだろう」
どっかで見たアニメのパクリ戦略を
誠一はまるで自分の発想のようにシエンナに語ってみた。
「それいいかも!そうねー派手にいくなら、
天空と言えるほどの高さから、巨大な氷塊でも落としてみる?
それともキャロのフォストゴッテスでも落としてみる?」
シエンナが興奮気味に語り出した。
「おいおい、シエンナ。それはないだろ。
先鋒は常に俺だ!俺のフレイムチャージで突撃だ」
どうやらシエンナの話に気付いたヴェルが2人の前に現れた。
フレイムチャージの話になると必ずと言っていい程、
否定するシエンナだったが、この時は違った。
「うーん、それも悪くないけどね。
もし籠城しなければ、それもありだね」
誠一とヴェルが顔を見合わせた。
「シエンナ、熱あんのか?」
「シエンナ、大丈夫かい?」
2人はシエンナの正気を疑った。
「ふん、むかつくけど。
あそこまで昇華された技を大道芸とは言えないでしょ」
ヴェルが固まった。そして次第に頬が紅潮していった。
「うおおおおーアル、聞いたか!
ついに俺のオリジナルが認められた。
唯一無二の技だ。
ヴェルナー・エンゲルスが相伝する技だ!」
ヴェルの興奮に対して、シエンナは至って冷静に
誠一には見えた。
「まあ、そう言ういいけど、ヴェルは2代目だよね。
初代はアルよね」
ヴェルの興奮がぴたりと止まった。場が凍り付いてしまった。
「えっえっ、えっと、なんかごめんなさい」
ばつの悪そうなシエンナだった。
「いやまあ、そうだよな。
どこまでいっても所詮は2代目だよ」
しょんぼりするヴェルだった。
「ヴェル、免許皆伝だ。正式な継承者として認めよう」
厳かに宣誓する誠一だった。
「アル、それは千晴様に誓ってのことか?」
何故そこで千晴の名が出る。
誠一は千晴の影響力が恐ろしかった。
「まあそうだね。後ほどご了解を得ておくから安心して」
適当に誠一はお茶を濁した。
「おおおー神のお墨付きをもらったぞ!アル、ありがとう」
「ヴェル、おめでとう。素晴らしいことね」
シエンナが青空に向かって祈り始めた。
なんだろシエンナは賢者を目指していたはずなのに
僧侶にでもジョブチェンジするもりなのかと
誠一は思った。
そして、誠一は神への認識の違いに
ある大きな溝を何時まで経っても埋めることが
出来なかった。
「シエンナ、お祈りの最中でも悪いけど、
反ジェイコブ派の攻略候補を何名か上げておいて
貰えないかな?」
祈りを中断してシエンナは頷いた。
「ありがとう、明日、戦略会議を開催するから、よろしく」
誠一は心から千晴への祈りより自分を優先したシエンナに
お礼を述べた。
バリーシャ女王のご希望は代官を置いての直轄領でしょう。
親王国派を取り込んで、その後、褒賞に領土を求められても
拒否されたれら、また、反乱が勃発するでしょうし。
そうでなくても領土の有力者たちに不満がくすぶってしまうし。
難しいなぁ」
「そうだ。反王国派で攻略しやすい領主を攻めましょう。
正直、強力な竜騎士がいるから、落城させるは左程の難しくないと
思うけど、アルどうする?」
政略、戦略など誠一は全く分からなかった。
知識としては、アルフレート・フォン・エスターライヒの
記憶のページをめくれば、幾らでも出て来た。
しかし、あくまでも知識だけあって、それらを体験したことは
全くなかった。
「いや、ここから最も近い反王国派の急先鋒の
ジェイコブ派を攻めよう。
出来る限り派手に圧倒的に制圧しよう。
どうせまた、ファーリが近くをうろうろしているだろうし。
彼に先生がネタを売りつけて、自然に評判が広がるだろう」
どっかで見たアニメのパクリ戦略を
誠一はまるで自分の発想のようにシエンナに語ってみた。
「それいいかも!そうねー派手にいくなら、
天空と言えるほどの高さから、巨大な氷塊でも落としてみる?
それともキャロのフォストゴッテスでも落としてみる?」
シエンナが興奮気味に語り出した。
「おいおい、シエンナ。それはないだろ。
先鋒は常に俺だ!俺のフレイムチャージで突撃だ」
どうやらシエンナの話に気付いたヴェルが2人の前に現れた。
フレイムチャージの話になると必ずと言っていい程、
否定するシエンナだったが、この時は違った。
「うーん、それも悪くないけどね。
もし籠城しなければ、それもありだね」
誠一とヴェルが顔を見合わせた。
「シエンナ、熱あんのか?」
「シエンナ、大丈夫かい?」
2人はシエンナの正気を疑った。
「ふん、むかつくけど。
あそこまで昇華された技を大道芸とは言えないでしょ」
ヴェルが固まった。そして次第に頬が紅潮していった。
「うおおおおーアル、聞いたか!
ついに俺のオリジナルが認められた。
唯一無二の技だ。
ヴェルナー・エンゲルスが相伝する技だ!」
ヴェルの興奮に対して、シエンナは至って冷静に
誠一には見えた。
「まあ、そう言ういいけど、ヴェルは2代目だよね。
初代はアルよね」
ヴェルの興奮がぴたりと止まった。場が凍り付いてしまった。
「えっえっ、えっと、なんかごめんなさい」
ばつの悪そうなシエンナだった。
「いやまあ、そうだよな。
どこまでいっても所詮は2代目だよ」
しょんぼりするヴェルだった。
「ヴェル、免許皆伝だ。正式な継承者として認めよう」
厳かに宣誓する誠一だった。
「アル、それは千晴様に誓ってのことか?」
何故そこで千晴の名が出る。
誠一は千晴の影響力が恐ろしかった。
「まあそうだね。後ほどご了解を得ておくから安心して」
適当に誠一はお茶を濁した。
「おおおー神のお墨付きをもらったぞ!アル、ありがとう」
「ヴェル、おめでとう。素晴らしいことね」
シエンナが青空に向かって祈り始めた。
なんだろシエンナは賢者を目指していたはずなのに
僧侶にでもジョブチェンジするもりなのかと
誠一は思った。
そして、誠一は神への認識の違いに
ある大きな溝を何時まで経っても埋めることが
出来なかった。
「シエンナ、お祈りの最中でも悪いけど、
反ジェイコブ派の攻略候補を何名か上げておいて
貰えないかな?」
祈りを中断してシエンナは頷いた。
「ありがとう、明日、戦略会議を開催するから、よろしく」
誠一は心から千晴への祈りより自分を優先したシエンナに
お礼を述べた。
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