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601. 鍛冶師4
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ふうう、これだけ並ぶアイテムの中で一体、
いくつのアイテムが一年後も売られているものやらと
誠一は眺めながら思った。
見て回るだけでも自然と会話が弾み、
楽しく過ごせる場所であった。
誠一は商店街の喧騒が心地よく、
久々に気軽な気持ちで楽しんでいた。
そんな誠一の左腕にキャロリーヌが右腕を絡めた。
「うん、良かった」
それだけをキャロリーヌが誠一に囁いた。
それ以上、何も言わず誠一と一緒に様々な商品を見て回った。
「キャロ、ありがとう」
「うーん、何のことか分からないけど、婚約者だしね」
くすりと笑うキャロリーヌが誠一は
無性に愛おしくなった。
場所も弁えずにキャロリーヌの腰に腕を回したが、
キャロリーヌがひらりと躱した。
「駄目よ」
またもくすりと笑うキャロリーヌであった。
流石の誠一も節操が無さ過ぎたかと思い、
同じようにくすりと笑ってしまった。
「まったくキャロリーヌには頭が上がりそうにないな」
少し離れた場所から二人を莉々が寂しそうに眺めていた。
「おい、別に俺らのクランに入ってもいいんだぞ。
アルは歓迎するし、姉貴だってまあ、反対はしないだろうよ」
莉々は驚いた表情をヴェルに向けた。
「いや、別に気にすんなって」
「いや、そのことでなくヴェルの姉が
キャロリーヌということに」
ヴェルは大笑いした。
「久々に聞いたぜ。昔は良く言われたな。
似てねえしな。姉貴は親父似だし。
ちなみにロジェは長兄だぞ。
そういや、名前しか名乗らなかったな。
エンゲルスが俺らの苗字だ。
ちなみにこう見えても男爵家だぞ。
アミラ、莉々が仲間になるのに反対か?」
「むう、ヴェルが言うなら私も反対しないです。
莉々の好きなようにするです」
少し不満気に莉々を睨みつけるアミラだった。
「そうか、今のところ明確に定めた目的もないし、
この名もなきクランに所属させて貰うとするかな。
それと私も名乗るが遅れたが、女神が離れた今、
本当の名を伝えるべきだな。
マリアンヌだ。マリと呼んでくれればいい」
マリアンヌとヴェル、アミラは握手を交わした。
少し離れた所で誠一とキャロリーヌが3人の合流を待っていた。
「ヴェルは優しいです」
ヴェルは何のことだととぼけた。
「アルフレートから今の話をしたら
あの二人が捻るが分かっていたのです。
大切な姉、2人の友達が醜悪な嫉妬で揉めるのを
見たくなかったのですね」
「おいおい、アミラ、勘違いするなって。
俺は単に能力が高い上に絶世の美人を
クランに引き入れたかっただけだ」
ヴェルはおどけた様に言った。
「うん、ヴェルは本当に優しいし、まっすぐです。
あの色欲に溺れているリーダーとは違うです」
ヴェルは少し厳しそうな顔をした。
「アルは俺の背中を預けられる男だ。
確かに色んな女に溺れそうなところはあるよな。
まっ姉貴とシエンナにリシェーヌじゃ
そうそう浮ついたことは出来る訳ないけど」
少し沈んだ表情のアミラがヴェルの腕をぎゅっと握った。
「ごめなさいです。でもあと少し待です。
そしたら、むぎゅむぎゅ」
ヴェルがアミラの口を塞いだ。
「俺は今、そんなことにかまけている暇はない。
アルやシエンナに置いてかれちまう。
アミラが大人になった時、お互いの気持ちが
変わってなければな、その時で十分さ」
アミラの顔は大輪の薔薇の様に輝いていた。
その顔を見たヴェルは満足そうに笑った。
少し前を歩くマリアンヌは右手で顔を仰いでいた。
後ろの二人の会話が丸聞こえであった。
マリアンヌの表情と態度から誠一とキャロリーヌも察して
微笑んでいた。
いくつのアイテムが一年後も売られているものやらと
誠一は眺めながら思った。
見て回るだけでも自然と会話が弾み、
楽しく過ごせる場所であった。
誠一は商店街の喧騒が心地よく、
久々に気軽な気持ちで楽しんでいた。
そんな誠一の左腕にキャロリーヌが右腕を絡めた。
「うん、良かった」
それだけをキャロリーヌが誠一に囁いた。
それ以上、何も言わず誠一と一緒に様々な商品を見て回った。
「キャロ、ありがとう」
「うーん、何のことか分からないけど、婚約者だしね」
くすりと笑うキャロリーヌが誠一は
無性に愛おしくなった。
場所も弁えずにキャロリーヌの腰に腕を回したが、
キャロリーヌがひらりと躱した。
「駄目よ」
またもくすりと笑うキャロリーヌであった。
流石の誠一も節操が無さ過ぎたかと思い、
同じようにくすりと笑ってしまった。
「まったくキャロリーヌには頭が上がりそうにないな」
少し離れた場所から二人を莉々が寂しそうに眺めていた。
「おい、別に俺らのクランに入ってもいいんだぞ。
アルは歓迎するし、姉貴だってまあ、反対はしないだろうよ」
莉々は驚いた表情をヴェルに向けた。
「いや、別に気にすんなって」
「いや、そのことでなくヴェルの姉が
キャロリーヌということに」
ヴェルは大笑いした。
「久々に聞いたぜ。昔は良く言われたな。
似てねえしな。姉貴は親父似だし。
ちなみにロジェは長兄だぞ。
そういや、名前しか名乗らなかったな。
エンゲルスが俺らの苗字だ。
ちなみにこう見えても男爵家だぞ。
アミラ、莉々が仲間になるのに反対か?」
「むう、ヴェルが言うなら私も反対しないです。
莉々の好きなようにするです」
少し不満気に莉々を睨みつけるアミラだった。
「そうか、今のところ明確に定めた目的もないし、
この名もなきクランに所属させて貰うとするかな。
それと私も名乗るが遅れたが、女神が離れた今、
本当の名を伝えるべきだな。
マリアンヌだ。マリと呼んでくれればいい」
マリアンヌとヴェル、アミラは握手を交わした。
少し離れた所で誠一とキャロリーヌが3人の合流を待っていた。
「ヴェルは優しいです」
ヴェルは何のことだととぼけた。
「アルフレートから今の話をしたら
あの二人が捻るが分かっていたのです。
大切な姉、2人の友達が醜悪な嫉妬で揉めるのを
見たくなかったのですね」
「おいおい、アミラ、勘違いするなって。
俺は単に能力が高い上に絶世の美人を
クランに引き入れたかっただけだ」
ヴェルはおどけた様に言った。
「うん、ヴェルは本当に優しいし、まっすぐです。
あの色欲に溺れているリーダーとは違うです」
ヴェルは少し厳しそうな顔をした。
「アルは俺の背中を預けられる男だ。
確かに色んな女に溺れそうなところはあるよな。
まっ姉貴とシエンナにリシェーヌじゃ
そうそう浮ついたことは出来る訳ないけど」
少し沈んだ表情のアミラがヴェルの腕をぎゅっと握った。
「ごめなさいです。でもあと少し待です。
そしたら、むぎゅむぎゅ」
ヴェルがアミラの口を塞いだ。
「俺は今、そんなことにかまけている暇はない。
アルやシエンナに置いてかれちまう。
アミラが大人になった時、お互いの気持ちが
変わってなければな、その時で十分さ」
アミラの顔は大輪の薔薇の様に輝いていた。
その顔を見たヴェルは満足そうに笑った。
少し前を歩くマリアンヌは右手で顔を仰いでいた。
後ろの二人の会話が丸聞こえであった。
マリアンヌの表情と態度から誠一とキャロリーヌも察して
微笑んでいた。
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