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538.大会戦10
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そんな視線が注がれているとは露知らず誠一は
目に映る敵を叩き潰していた。
無意識に止めを刺すことに歯止めが
かかっているのかもしれなかった。
その隣でキャロリーヌが容赦なく近距離で矢を敵に放ち射殺していた。
誠一が無力化した敵で憎悪の目を向ける者もキャロリーヌによって
容赦なく射殺されていた。
「主人が甘いのは仕方ないけど。
まあ、将来の禍根の目は妻たる私が排除するわ」
追いついて来たシエンナがキャロリーヌに喰いついた。
「勝手に妻の座を得た気にならないでよ。私だって!」
シエンナの水系の魔術を中心とした攻撃魔術が
誠一の周囲の敵を襲い、なぎ倒した。
しかしキャロリーヌは余裕の笑みを浮かべるだけで
シエンナに噛みつくことは無かった。
「なっ、なによう、その余裕」
どうにもシエンナが一方的にキャロリーヌに
突っかかっているようにしか見えなかった。
誠一は二人を窘めた。
「二人とも戦に集中して!ちょっとした気の緩みが死に直結する」
誠一たちによって『バロック一家』の兵はほぼ壊滅していた。
逃亡する者、死んだ者、痛みに苦しむ者、様々であった。
誠一はヴェルの方へ目を向けると、ヴェルたちもその戦いに
結末を迎えていた。
「若月の舞、三日月斬撃」
ヴェルのハルバートが三日月のような弧を描き、
眼前の太った男の弛んだ腹を引き裂いた。
どさり、物言わぬ死体となってその場に倒れた。
「はぁはぁ、もう二度と会うことはないな」
勝利の余韻に浸る間もなく新たな敵と刃を交えるヴェル。
そしてその隣で拳を振るうアミラ。
二人の息の合った戦いは、次々に反乱軍の兵を倒した。
誠一が少し拗ねたような目で二人を眺めた。
「アル、なに嫉妬しているのよ」
追いついて来たシエンナがくすりと笑っていた。
「ばっ何言ってんの。そんなわけないでしょ。あり得ないでしょ」
見透かされた気持ちを隠す様に誠一は喚いた。
「アルー。見つけたぞ、ジェイコブはあそこだ」
ヴェルが大声でジェイコブのいる方をハルバートで示した。
誠一がその方向へ目を向けた。ジェイコブらしき人物を捉えた。
一瞬、目が合ったような気がした。
『バロック一家』崩壊の伝達を受けたジェイコブは
血走った目で怒り狂っていた。
「アルフレートおおおおぉ。貴様させいなければ!」
「殺す殺す殺す。奴を殺す。奴をコロセ」
ジェイコブは左右の取り巻きに唾を吐き散らしながら叫んだ。
しかし、ジェイコブより具体的な指示はでずに
取り巻きはどう行動していいのか分からずに沈黙した。
ヴェルトール王国の傭兵がジェイコブ本陣付近にも現れ始めた。
目に映る敵を叩き潰していた。
無意識に止めを刺すことに歯止めが
かかっているのかもしれなかった。
その隣でキャロリーヌが容赦なく近距離で矢を敵に放ち射殺していた。
誠一が無力化した敵で憎悪の目を向ける者もキャロリーヌによって
容赦なく射殺されていた。
「主人が甘いのは仕方ないけど。
まあ、将来の禍根の目は妻たる私が排除するわ」
追いついて来たシエンナがキャロリーヌに喰いついた。
「勝手に妻の座を得た気にならないでよ。私だって!」
シエンナの水系の魔術を中心とした攻撃魔術が
誠一の周囲の敵を襲い、なぎ倒した。
しかしキャロリーヌは余裕の笑みを浮かべるだけで
シエンナに噛みつくことは無かった。
「なっ、なによう、その余裕」
どうにもシエンナが一方的にキャロリーヌに
突っかかっているようにしか見えなかった。
誠一は二人を窘めた。
「二人とも戦に集中して!ちょっとした気の緩みが死に直結する」
誠一たちによって『バロック一家』の兵はほぼ壊滅していた。
逃亡する者、死んだ者、痛みに苦しむ者、様々であった。
誠一はヴェルの方へ目を向けると、ヴェルたちもその戦いに
結末を迎えていた。
「若月の舞、三日月斬撃」
ヴェルのハルバートが三日月のような弧を描き、
眼前の太った男の弛んだ腹を引き裂いた。
どさり、物言わぬ死体となってその場に倒れた。
「はぁはぁ、もう二度と会うことはないな」
勝利の余韻に浸る間もなく新たな敵と刃を交えるヴェル。
そしてその隣で拳を振るうアミラ。
二人の息の合った戦いは、次々に反乱軍の兵を倒した。
誠一が少し拗ねたような目で二人を眺めた。
「アル、なに嫉妬しているのよ」
追いついて来たシエンナがくすりと笑っていた。
「ばっ何言ってんの。そんなわけないでしょ。あり得ないでしょ」
見透かされた気持ちを隠す様に誠一は喚いた。
「アルー。見つけたぞ、ジェイコブはあそこだ」
ヴェルが大声でジェイコブのいる方をハルバートで示した。
誠一がその方向へ目を向けた。ジェイコブらしき人物を捉えた。
一瞬、目が合ったような気がした。
『バロック一家』崩壊の伝達を受けたジェイコブは
血走った目で怒り狂っていた。
「アルフレートおおおおぉ。貴様させいなければ!」
「殺す殺す殺す。奴を殺す。奴をコロセ」
ジェイコブは左右の取り巻きに唾を吐き散らしながら叫んだ。
しかし、ジェイコブより具体的な指示はでずに
取り巻きはどう行動していいのか分からずに沈黙した。
ヴェルトール王国の傭兵がジェイコブ本陣付近にも現れ始めた。
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