543 / 903
534.大会戦6
しおりを挟む
誠一たちが属するヴェルトール王国の傭兵団は、
反乱軍の最右翼である王ジェイコブ・ジェルミラの軍を
駆逐する勢いであった。
あまりのジェイコブ軍の乱れぶりに乗じて突出してまった傭兵団は
ジェイコブ軍の混乱に巻き込まれてしまい乱戦の様相となっていた。
乱戦模様の中でヴェルトール王国の傭兵をなぎ倒している集団が
ヴェルの眼にとまった。
「おいおい、マジかよ。何でここにあいつらがいんの」
「ヴェル、何が見えたの?」
誠一の問いにヴェルが手短に答えた。
「アル、あいつらだよ。竜公国で絡んできた『バロック一家』だよ」
周囲を覆う戦場の匂いとは違った際立つ異臭に
ヴェルとアミラが顔を顰めた。
誠一も生臭い異臭に眉をひそめたが、あくまでも臭いに
反応してのことであった。
「あいつらがいるってことはジェイコブの野郎も近くに違いない」
ヴェルの言葉にアミラが反応した。
「ジェイコブよりあの連中にリベンジです」
「いったいいつバロック一家の残党はジェイコブに合流したんだろう」
一人だけテンションの違う誠一の言葉にヴェルが眉を顰めた。
「そんなことはどうでもいいー。アル、あいつらを倒すぞ。
あれでいくぞ!アミラ、俺らの後ろからついて来い」
「フレイムチャージ」
「エアチャージ」
2人の呼吸バッチリな技が放たれた。
風の力で普段より派手に燃え盛る炎の塊が
バロック一家の一団に突撃した。
「あのバカ二人が!俺たちも追うぞ。
サリナ、遅れ気味のシエンナとあの二人に合流してくれ」
少し離れた所で戦っていたロジェは、誠一とヴェルの突撃を
見ると慌てて、仲間に指示を飛ばして動き出した。
バロック一家の一団は誠一とヴェルの突撃を受けると
散り散りになってしまった。
どうやら傭兵を上手く大人数で囲んで
袋叩きにしていただけのようだった。
誠一はその理にかなっているやり方に感心してしまった。
しかし所詮はチンピラであった。
恐ろしく強烈に見える派手な技を目の前にして、
恐れおののき結構な数のチンピラが逃散してしまったようだった。
「ん?貴様らは確か竜公国いた小僧ども」
鈍重そうな男がふぅふぅと息を上げながら、
口から悪臭を周囲に放っていた。
敵味方関係なしに誰もが顔を顰めていた。
「くっさっ!くさいです。やっぱりくさいです」
アミラは他の言葉を忘れたかのようにくさいと連発していた。
「貴様らのせいでバロック一家は解散の憂き目にあった。
路頭に迷う我らを王が拾ってくれなければ、
野垂れ死にするところであったわ」
比較的根性のあるバロック一家の残党はその場に残っていた。
反乱軍の最右翼である王ジェイコブ・ジェルミラの軍を
駆逐する勢いであった。
あまりのジェイコブ軍の乱れぶりに乗じて突出してまった傭兵団は
ジェイコブ軍の混乱に巻き込まれてしまい乱戦の様相となっていた。
乱戦模様の中でヴェルトール王国の傭兵をなぎ倒している集団が
ヴェルの眼にとまった。
「おいおい、マジかよ。何でここにあいつらがいんの」
「ヴェル、何が見えたの?」
誠一の問いにヴェルが手短に答えた。
「アル、あいつらだよ。竜公国で絡んできた『バロック一家』だよ」
周囲を覆う戦場の匂いとは違った際立つ異臭に
ヴェルとアミラが顔を顰めた。
誠一も生臭い異臭に眉をひそめたが、あくまでも臭いに
反応してのことであった。
「あいつらがいるってことはジェイコブの野郎も近くに違いない」
ヴェルの言葉にアミラが反応した。
「ジェイコブよりあの連中にリベンジです」
「いったいいつバロック一家の残党はジェイコブに合流したんだろう」
一人だけテンションの違う誠一の言葉にヴェルが眉を顰めた。
「そんなことはどうでもいいー。アル、あいつらを倒すぞ。
あれでいくぞ!アミラ、俺らの後ろからついて来い」
「フレイムチャージ」
「エアチャージ」
2人の呼吸バッチリな技が放たれた。
風の力で普段より派手に燃え盛る炎の塊が
バロック一家の一団に突撃した。
「あのバカ二人が!俺たちも追うぞ。
サリナ、遅れ気味のシエンナとあの二人に合流してくれ」
少し離れた所で戦っていたロジェは、誠一とヴェルの突撃を
見ると慌てて、仲間に指示を飛ばして動き出した。
バロック一家の一団は誠一とヴェルの突撃を受けると
散り散りになってしまった。
どうやら傭兵を上手く大人数で囲んで
袋叩きにしていただけのようだった。
誠一はその理にかなっているやり方に感心してしまった。
しかし所詮はチンピラであった。
恐ろしく強烈に見える派手な技を目の前にして、
恐れおののき結構な数のチンピラが逃散してしまったようだった。
「ん?貴様らは確か竜公国いた小僧ども」
鈍重そうな男がふぅふぅと息を上げながら、
口から悪臭を周囲に放っていた。
敵味方関係なしに誰もが顔を顰めていた。
「くっさっ!くさいです。やっぱりくさいです」
アミラは他の言葉を忘れたかのようにくさいと連発していた。
「貴様らのせいでバロック一家は解散の憂き目にあった。
路頭に迷う我らを王が拾ってくれなければ、
野垂れ死にするところであったわ」
比較的根性のあるバロック一家の残党はその場に残っていた。
0
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説

職種がら目立つの自重してた幕末の人斬りが、異世界行ったらとんでもない事となりました
飼猫タマ
ファンタジー
幕末最強の人斬りが、異世界転移。
令和日本人なら、誰しも知ってる異世界お約束を何も知らなくて、毎度、悪戦苦闘。
しかし、並々ならぬ人斬りスキルで、逆境を力技で捩じ伏せちゃう物語。
『骨から始まる異世界転生』の続き。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。


巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる