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449.闇の勢力4
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暗殺者二人を前にして、さてどうしたものかと
誠一は頭をひねった。
深入りするための足掛かりにすべきか、
二人を人質にしてさっさとこの地を後にすべきか
悩ましいところであった。
誠一は仲間を見渡した。仲間は誠一の言葉を待っていた。
「バッシュに会う。一人は案内せよ。
もう一人はバッシュに伝えよ。お前に直接、会いに行くとな」
誠一は闇に一人を解放した。
「ふひゃひゃひゃ。
アホウがバッシュと会ってどうするつもりだ。
嬲り殺されるだけだ」
「まあいいです。あなたが逃亡しようとも
バッシュの元に向かうにしろただじゃ済まないことは
理解しているでしょうし、どちらにしろ
もう一人に案内させますので」
秀麗な顔を可能な限り醜悪なように見せて
暗殺者を脅す誠一であった。
暗闇が誠一の顔を覆っていたが、暗殺者にとって
その闇は無意味であり、十分に意地の悪い顔を
拝むことになった。
「ふひゃひゃひゃ。奴は教皇とは違う。
儂らと同格であり、やつは単に儂らのパワーバランスの上で
担がれた神輿のようなものだ。
この礼は後ほど十分にさせて貰おう」
「それをエンゲルス家の長女を前にしていいますか?」
誠一同様の酷薄な顔つきのキャロリーヌが
言葉を闇に向かって発した。
視線は周囲を見渡す様に動いて、
拘束を解かれた暗殺者の前で止まった。
長々と捨て台詞を吐き、闇に消えようとした瞬間、
暗殺者は声の主を見つめて、酷く怯えた表情を残して消えていった。
「ちょっ、ヴェル。一体、どういうこと?」
誠一はキャロリーヌからぞくりとした悪寒を感じ取っていた。
「あーあれか。たまに見せるけど、もう慣れたよ。
おかんの系譜なのかな」
「ヴェル、必要のないことをペラペラと話すな。
話すならキャロからにすべきだろう。軽薄な男になるな」
ロジェの表情が思いのほか深刻であった。
何となくだが誠一は尋ねにくい雰囲気を感じて、それ以上に追求せずに
黙ってしまった。
残された暗殺者は、カタカタと震えていた。
どうにもマスタークラスの暗殺者とは思えない怯えっぷりだった。
「ぴきょきょきょ、バッシュの元へ案内させて
頂きますので、何卒、お慈悲を」
適当に相槌を打つわけにもいかずに
誠一は押し黙ったままだった。
キャロリーヌと視線が合った。いつもの魅力的な表情に戻っていた。
誠一はその表情に安堵して、暗殺者に向かって軽く頷いた。
「ぴきょー、では、これよりバッシュの元へ案内させて頂きます。
旅の準備もあります故、しばしお時間を頂きたく」
そう言い残すと暗殺者は闇に紛れてしまった。
その後、悲鳴や金属音が響き渡った。
それが収まると、暗殺者が馬を連れて現れた。
そのまま、暗殺者は先頭に立ち、誠一たちに移動することを促した。
「ぴきょ、ここに留まるは下策。
教皇派にも嗅ぎつけられるでしょう。
少し離れて、夜営にします」
誠一たちは闇の中を動き始めた。
誠一は頭をひねった。
深入りするための足掛かりにすべきか、
二人を人質にしてさっさとこの地を後にすべきか
悩ましいところであった。
誠一は仲間を見渡した。仲間は誠一の言葉を待っていた。
「バッシュに会う。一人は案内せよ。
もう一人はバッシュに伝えよ。お前に直接、会いに行くとな」
誠一は闇に一人を解放した。
「ふひゃひゃひゃ。
アホウがバッシュと会ってどうするつもりだ。
嬲り殺されるだけだ」
「まあいいです。あなたが逃亡しようとも
バッシュの元に向かうにしろただじゃ済まないことは
理解しているでしょうし、どちらにしろ
もう一人に案内させますので」
秀麗な顔を可能な限り醜悪なように見せて
暗殺者を脅す誠一であった。
暗闇が誠一の顔を覆っていたが、暗殺者にとって
その闇は無意味であり、十分に意地の悪い顔を
拝むことになった。
「ふひゃひゃひゃ。奴は教皇とは違う。
儂らと同格であり、やつは単に儂らのパワーバランスの上で
担がれた神輿のようなものだ。
この礼は後ほど十分にさせて貰おう」
「それをエンゲルス家の長女を前にしていいますか?」
誠一同様の酷薄な顔つきのキャロリーヌが
言葉を闇に向かって発した。
視線は周囲を見渡す様に動いて、
拘束を解かれた暗殺者の前で止まった。
長々と捨て台詞を吐き、闇に消えようとした瞬間、
暗殺者は声の主を見つめて、酷く怯えた表情を残して消えていった。
「ちょっ、ヴェル。一体、どういうこと?」
誠一はキャロリーヌからぞくりとした悪寒を感じ取っていた。
「あーあれか。たまに見せるけど、もう慣れたよ。
おかんの系譜なのかな」
「ヴェル、必要のないことをペラペラと話すな。
話すならキャロからにすべきだろう。軽薄な男になるな」
ロジェの表情が思いのほか深刻であった。
何となくだが誠一は尋ねにくい雰囲気を感じて、それ以上に追求せずに
黙ってしまった。
残された暗殺者は、カタカタと震えていた。
どうにもマスタークラスの暗殺者とは思えない怯えっぷりだった。
「ぴきょきょきょ、バッシュの元へ案内させて
頂きますので、何卒、お慈悲を」
適当に相槌を打つわけにもいかずに
誠一は押し黙ったままだった。
キャロリーヌと視線が合った。いつもの魅力的な表情に戻っていた。
誠一はその表情に安堵して、暗殺者に向かって軽く頷いた。
「ぴきょー、では、これよりバッシュの元へ案内させて頂きます。
旅の準備もあります故、しばしお時間を頂きたく」
そう言い残すと暗殺者は闇に紛れてしまった。
その後、悲鳴や金属音が響き渡った。
それが収まると、暗殺者が馬を連れて現れた。
そのまま、暗殺者は先頭に立ち、誠一たちに移動することを促した。
「ぴきょ、ここに留まるは下策。
教皇派にも嗅ぎつけられるでしょう。
少し離れて、夜営にします」
誠一たちは闇の中を動き始めた。
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