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427.集結地3

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それは北関でキャッキャッと不快な笑い声を
上げていた上位魔人であった。

「しかしま、よく分かったよね。それは褒めるべきなのかな。
隠蔽の技術には自信があったんだけど。
知らぬ間に皆殺しして、アルフレートとかいう奴の
絶望の表情を見ながら、楽しもうと思ってたけど、
勝手が違っちゃったよ。どうしたらいいと思う?」
相変わらずキャッキャッと不快な笑い声を発する上位魔人であった。

他のメンバーは、完全武装で馬車より降りて来た。

「おいおい、アル。あれって、北関に居た奴じゃね」

「それより先生のいないこのメンバーで上位魔人と」

ヴェルとシエンナに上位魔人が反応した。

「ンンン?もしかして君たちも会ったことある?
久々の再会でそのまま、二度と会うことはなくなるけどね」

主にヴェルが叫びながら、上位魔人と舌戦を繰り広げていた。
どうにも魔人はそれを楽しんでいる節があった。

誠一はなるべく会話を引き延ばそうとしていた。
可能な限り魔術を展開して、魔物を圧倒して、撤退するように
仕向けたかった。覚醒されたら、全滅は必至であった。

「ああっ!俺の自慢のハルバートを馬鹿にしやがって」
舌戦で押され気味のヴェルが遂に激怒した。
怒号で上位魔人を黙らせようとでもしているのだろうか。

「てめーのその赤いとんがり帽子の方が
余程、おかしいだろう!なんだよそれ」

上位魔人から笑いが消えた。冷酷な瞳がヴェルを捕らえて離さなかった。
「おまえ、死ねよ」
上位魔人の赤帽鬼は、何とも表現しがたい顔つきになっていた。
笑っているのか怒っているのかどちらにも捉えられる様な表情であった。

「ダンブルだかグレイガーだかの依頼は、
アルフレートとかいう奴だけだったが、
おまえら、全員、死亡な。はい、確定」

誠一たちの前から赤帽鬼が消えた。
「ヴェル、集中しろっ!お前の目なら追えるだろう」

赤帽鬼が消えた瞬間、ロジェが盾を構えて、ヴェルの前に出た。

「キキッ!」

赤帽鬼の鋭い爪がロジェの盾に激突した。そして、また、消えた。

「連続で縮地を使っている様なものか!」
誠一は魔術により幾重にも重ね掛けして向上させた身体能力で
赤帽鬼を追ったが、捉える事が出来なかった。

「おおっ!神よ。この難敵に抗います」
誠一は、プレーヤーが残している簡単な命令を発動させて、
啓示による能力の向上を実施した。
誠一の身体能力全般は、啓示により更に向上した。

「くそっ。明日が恐ろしいが、仕方なし」
誠一は恨みがましそうに赤帽鬼を見みて、
7面メイスを力任せに赤帽鬼に振り下ろした。
赤帽をかすっただけで、当たりはしなかったが、
赤帽鬼の速度について行くことは何とかできそうであった。
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