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395.閑話 とある孤独な女子の情景3

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『ああ、それね!課金ガチャチケットとほぼ同じものだよ。
ただ、課金ガチャと違って、アイテム限定だけどね。
それで課金ガチャを体験して貰って課金へ
繋げるために運営が配布してるんだよ』

千晴は理解できた。お試しで良い思いをしたら、
無料ガチャでは我慢できなくなるのが人心であろう。
イベントをクリアするような無課金ガチ勢なら、
嵌る可能性が大だとして、イベクリのみで配布されていた。

『ありがとうございます。理解できました。
危うく課金ガチャの麻薬にハマるところでした』

『佐藤さんなら、大丈夫でしょ。それより莉々子に注意しておいたから』

千晴はまさかあのイベントのことを言っている訳ではないと
信じたかった。今、莉々子を刺激されると更に拗れると思っていた。

『あの件って?』
 千晴はしらばっくれて、それとなく聞いた。

『アルフレート・フォン・エスターライヒ狩猟祭開催中を
主催して、プレーヤーキルイベントをやってたんだよ。
まったく、モラルもへったくれもない行為だよ。
かなりきつく言っておいたから』

文章からも分かるほどに清涼が憤慨していることが
千晴にも分かった。
千晴は脳天を殴りつけられたような衝撃を受けた。
無論、これは、清涼の善意からの行動であろう。
そして、善意以外何物でもないことを
千晴は、重々、理解していた。
しかし、今の莉々子にそれをするのは、
傷口に塩を塗り付ける行為、いや、暴れる虎へ更に
無用の刺激を与える行為であった。
月曜日のことを思うと気が重くなる千晴であった。

『そうなんですね。清涼さん、ありがとうございます。
でもまあ、あまり強くは言わないでください。
何かの間違いかもしれませんしね』
これ以上、清涼がこの件で行動しないように
それとなく釘を刺す千晴であった。

『本人も反省しているようだったから、これ以上は言わないよ。
しかし、本当に全くもってなさけない。
一応、アルフレートにも注意を促しておく方がいいよ』

『ええ、わかりました。直ぐに伝えるようにしますので、
ゲームに戻りますね』
千晴は、莉々子との件を悟られないように
清涼とのチャットルームから退出した。

「あああああ、もう!余計な事を」
チャットルームから退出すると、千晴は枕を殴りつけながら叫んだ。
神経を逆撫でされた莉々子は、必ず週明けに
清涼でなく自分に陰に陽に嫌がらせをするに決まっている。
その行為が今週よりエスカレートすることは容易に想像できた。

千晴はベッドに転がるといつの間にか寝てしまった。
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