345 / 846
341.竜公国21
しおりを挟む
「ぐふふふ、この姿を見て、恐怖に囚われることがないとはわな。
少しは期待できそうだ。
ぼんやりと立っていても仕方ない、来ないなら行くぞ」
グロウは一度の跳躍で誠一たちとの距離を詰めた。
グロウの武具、防具は手甲、足甲と腰に巻かれた布だけであった。
右手の鋭い爪がまず、ロジェの喉元を襲った。
ツヴァイヘンダーで受けたが、グロウの右手の膂力は、
補助魔術で強化しているロジェと互角以上であった。
「兄貴、退けっ!ファイヤー」
炎の魔術がグロウを襲った。
グロウは左腕でファイヤーを叩きとした。
その左腕に誠一が七面メイスを振り下ろした。
メイスは、グロウの左手に掴まれ、その一撃は防がれた。
「チャーンス!ぬおおおっフレイムチャージ!」
ヴェルがグロウ目がけて、突撃した。
「おまえはアホウか!」
グロウは叫ぶと、ロジェと誠一を軽く振り飛ばすと、
大きく息を吸い込んだ。次の瞬間、ヴェルに向けて、火を吐いた。
「くっ、ウォーターボール」
誠一は咄嗟にヴェルに向けて、水の魔術を展開した。
シエンナほど巨大な水球ではなかったため、
グロウの火とヴェルの炎をかき消すには少し足りなかった。
「あっちぃ」
そう言いながらもグロウをハルバートで突いたヴェル。
グロウは手甲でそれを受け流した。
ヴェルの突きはいなされ、そのままの勢いで転がってしまった。
「大木斬」
巨木をも一振りで切断する勢いさながらに
ロジェの横なぎの一振りがグロウを襲った。
「ふはっ、フハハハハハ。お前らいいな!殺す気でやってるな。
くははは、こうでないといかん」
両腕の手甲でロジェの一撃を受け止めて、高笑いするグロウであった。
そのままロジェとグロウは鍔迫り合いのようになっていたが、
ロジェはグロウに押し込まれていた。
「おいおい、芸がないぞ。
この俺様と力比べとかあり得ないだろ。吹き飛べや」
グロウの強烈な蹴りがロジェを吹き飛ばした。
呻きながらも立ち上がるロジェ。
痛みで苦しそうであったが、高笑いするロジェであった。
「おいおい、グロウさんよ。
あんたが戦っているのは何者かわかっているのか?」
「ん?戦士、槍兵、それに戦棍使いだろう。それがどうした?」
ロジェの問いに首を傾げるグロウであった。
「俺は時間を稼げば良かったんだよ。
若くとも最優秀な魔術師の魔術にお前は耐えられるかな?」
誠一とヴェルが魔術の詠唱を終えていた。
ヴェルは誠一の魔術の力を増幅させための補助魔術を展開していた。
「くそう、アルめ。美味しい所ばかりもっていきやがって」
「踊れぇー風の刃!エアスライサー」
力を増した幾本もの風の刃がグロウに襲いかかった。
避けきれぬと瞬時に悟ったグロウは、防御態勢を取った。
風の刃は、竜の鱗を削り取った。
少しは期待できそうだ。
ぼんやりと立っていても仕方ない、来ないなら行くぞ」
グロウは一度の跳躍で誠一たちとの距離を詰めた。
グロウの武具、防具は手甲、足甲と腰に巻かれた布だけであった。
右手の鋭い爪がまず、ロジェの喉元を襲った。
ツヴァイヘンダーで受けたが、グロウの右手の膂力は、
補助魔術で強化しているロジェと互角以上であった。
「兄貴、退けっ!ファイヤー」
炎の魔術がグロウを襲った。
グロウは左腕でファイヤーを叩きとした。
その左腕に誠一が七面メイスを振り下ろした。
メイスは、グロウの左手に掴まれ、その一撃は防がれた。
「チャーンス!ぬおおおっフレイムチャージ!」
ヴェルがグロウ目がけて、突撃した。
「おまえはアホウか!」
グロウは叫ぶと、ロジェと誠一を軽く振り飛ばすと、
大きく息を吸い込んだ。次の瞬間、ヴェルに向けて、火を吐いた。
「くっ、ウォーターボール」
誠一は咄嗟にヴェルに向けて、水の魔術を展開した。
シエンナほど巨大な水球ではなかったため、
グロウの火とヴェルの炎をかき消すには少し足りなかった。
「あっちぃ」
そう言いながらもグロウをハルバートで突いたヴェル。
グロウは手甲でそれを受け流した。
ヴェルの突きはいなされ、そのままの勢いで転がってしまった。
「大木斬」
巨木をも一振りで切断する勢いさながらに
ロジェの横なぎの一振りがグロウを襲った。
「ふはっ、フハハハハハ。お前らいいな!殺す気でやってるな。
くははは、こうでないといかん」
両腕の手甲でロジェの一撃を受け止めて、高笑いするグロウであった。
そのままロジェとグロウは鍔迫り合いのようになっていたが、
ロジェはグロウに押し込まれていた。
「おいおい、芸がないぞ。
この俺様と力比べとかあり得ないだろ。吹き飛べや」
グロウの強烈な蹴りがロジェを吹き飛ばした。
呻きながらも立ち上がるロジェ。
痛みで苦しそうであったが、高笑いするロジェであった。
「おいおい、グロウさんよ。
あんたが戦っているのは何者かわかっているのか?」
「ん?戦士、槍兵、それに戦棍使いだろう。それがどうした?」
ロジェの問いに首を傾げるグロウであった。
「俺は時間を稼げば良かったんだよ。
若くとも最優秀な魔術師の魔術にお前は耐えられるかな?」
誠一とヴェルが魔術の詠唱を終えていた。
ヴェルは誠一の魔術の力を増幅させための補助魔術を展開していた。
「くそう、アルめ。美味しい所ばかりもっていきやがって」
「踊れぇー風の刃!エアスライサー」
力を増した幾本もの風の刃がグロウに襲いかかった。
避けきれぬと瞬時に悟ったグロウは、防御態勢を取った。
風の刃は、竜の鱗を削り取った。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~
山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。
与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。
そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。
「──誰か、養ってくれない?」
この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。
最強九尾は異世界を満喫する。
ラキレスト
ファンタジー
光間天音は気づいたら真っ白な空間にいた。そして目の前には軽そうだけど非常に見た目のいい男の人がいた。
その男はアズフェールという世界を作った神様だった。神様から是非僕の使徒になって地上の管理者をしてくれとスカウトされた。
だけど、スカウトされたその理由は……。
「貴方の魂は僕と相性が最高にいいからです!!」
……そんな相性とか占いかよ!!
結局なんだかんだ神の使徒になることを受け入れて、九尾として生きることになってしまった女性の話。
※別名義でカクヨム様にも投稿しております。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー
紫電のチュウニー
ファンタジー
第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)
転生前も、転生後も 俺は不幸だった。
生まれる前は弱視。
生まれ変わり後は盲目。
そんな人生をメルザは救ってくれた。
あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。
あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。
苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。
オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中
異世界無知な私が転生~目指すはスローライフ~
丹葉 菟ニ
ファンタジー
倉山美穂 39歳10ヶ月
働けるうちにあったか猫をタップリ着込んで、働いて稼いで老後は ゆっくりスローライフだと夢見るおばさん。
いつもと変わらない日常、隣のブリっ子後輩を適当にあしらいながらも仕事しろと注意してたら突然地震!
悲鳴と逃げ惑う人達の中で咄嗟に 机の下で丸くなる。
対処としては間違って無かった筈なのにぜか飛ばされる感覚に襲われたら静かになってた。
・・・顔は綺麗だけど。なんかやだ、面倒臭い奴 出てきた。
もう少しマシな奴いませんかね?
あっ、出てきた。
男前ですね・・・落ち着いてください。
あっ、やっぱり神様なのね。
転生に当たって便利能力くれるならそれでお願いします。
ノベラを知らないおばさんが 異世界に行くお話です。
不定期更新
誤字脱字
理解不能
読みにくい 等あるかと思いますが、お付き合いして下さる方大歓迎です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる