305 / 830
302.閑話 とある大学での情景3
しおりを挟む
「名前しか覚えていないようで、
高澤 健・木村 正・鈴木誠一・千賀 良一と名乗っていました。
みなさん、翔陵国際大学3年生の歴史学科日本史専攻のようでした。
随分と講義の内容にご不満があるようですね」
千晴は真剣な表情に改めていた。
「個人情報の流出に繋がりますので
そういった件に関しては、お伝え出来かねます」
職員は慇懃な態度で回答を拒否した。
「うーん、いるかいなかだけもいいですけどねぇ」
職員は回答することに関してまっぴらごめんであった。
名前が無ければ、目の前で痴話喧嘩が繰り広げられることもめんどくさいが、
後々、個人情報の流出で脅される恐れも考えていた。
そう思いつつも彼らに見えないように名簿で彼らの名前をチェックしていた。
高澤 健・木村 正・千賀 良一の名前はあったが、
鈴木誠一の名前は休学者・退学者のリストにも掲載が無かった。
「仕方ないなー。査察機関に頼もうかな。
大学に迷惑がかかるけど、喬史、それでいいよね」
清涼はあいまいに頷いた。
千晴は職員の表情から何となく察していたが、一応、確認を取りたかった。
「いやいや、ちょっとお待ちを。そうですね。
私は何も言わなかったし見せなかったですが、そうですね。
鈴木誠一と言う学生は本校の3年生の歴史学科日本史専攻には
在籍していません」
千晴は職員の回答を上手いと思った。
確かに彼は大学の学生の情報に関しては一切答えていなかった。
千晴はあまり豊かでない胸を両腕で寄せながら、
軽く頭を下げた。寄った服の隙間からほんの少しブラが覗いていた。
「そうですかーありがとうございますぅ。
彼も後輩に良い所を見せたかったんですねー。
本当に後輩さん達なら、今回は大目に見てあげた方がいいですよね?」
「いやもう、そうですね。そうです。
彼も反省しているようですし、大目に見ることも
夫婦生活では大切ですよ。
ハハッ、まだ少し早過ぎましたかな」
職員の目は千晴の胸の辺りを注視していた。
「本当にお忙しいところ、お手を煩わせて申し訳ございませんでした。
では失礼いたしますぅ」
「どっどうもです」
「いえいえ、どうもお幸せに」
二人は教務課を後にした。
職員は大事にならずにほっとして、ドアのカギを施錠して、
余計な客が来訪しないようにすると。席に戻っていった。
二人は教務課を後にした。
ああああああ、気色悪いと心で叫ぶ千晴。
柄にもないことをした千晴がプルプルと震えていた。
「いやもう何て言うか佐藤さんて小悪魔的なまあ、うん。
魅力的な一面あるんだね」
清涼の評を聞いて、千晴は、頭を掻きむしった。
高澤 健・木村 正・鈴木誠一・千賀 良一と名乗っていました。
みなさん、翔陵国際大学3年生の歴史学科日本史専攻のようでした。
随分と講義の内容にご不満があるようですね」
千晴は真剣な表情に改めていた。
「個人情報の流出に繋がりますので
そういった件に関しては、お伝え出来かねます」
職員は慇懃な態度で回答を拒否した。
「うーん、いるかいなかだけもいいですけどねぇ」
職員は回答することに関してまっぴらごめんであった。
名前が無ければ、目の前で痴話喧嘩が繰り広げられることもめんどくさいが、
後々、個人情報の流出で脅される恐れも考えていた。
そう思いつつも彼らに見えないように名簿で彼らの名前をチェックしていた。
高澤 健・木村 正・千賀 良一の名前はあったが、
鈴木誠一の名前は休学者・退学者のリストにも掲載が無かった。
「仕方ないなー。査察機関に頼もうかな。
大学に迷惑がかかるけど、喬史、それでいいよね」
清涼はあいまいに頷いた。
千晴は職員の表情から何となく察していたが、一応、確認を取りたかった。
「いやいや、ちょっとお待ちを。そうですね。
私は何も言わなかったし見せなかったですが、そうですね。
鈴木誠一と言う学生は本校の3年生の歴史学科日本史専攻には
在籍していません」
千晴は職員の回答を上手いと思った。
確かに彼は大学の学生の情報に関しては一切答えていなかった。
千晴はあまり豊かでない胸を両腕で寄せながら、
軽く頭を下げた。寄った服の隙間からほんの少しブラが覗いていた。
「そうですかーありがとうございますぅ。
彼も後輩に良い所を見せたかったんですねー。
本当に後輩さん達なら、今回は大目に見てあげた方がいいですよね?」
「いやもう、そうですね。そうです。
彼も反省しているようですし、大目に見ることも
夫婦生活では大切ですよ。
ハハッ、まだ少し早過ぎましたかな」
職員の目は千晴の胸の辺りを注視していた。
「本当にお忙しいところ、お手を煩わせて申し訳ございませんでした。
では失礼いたしますぅ」
「どっどうもです」
「いえいえ、どうもお幸せに」
二人は教務課を後にした。
職員は大事にならずにほっとして、ドアのカギを施錠して、
余計な客が来訪しないようにすると。席に戻っていった。
二人は教務課を後にした。
ああああああ、気色悪いと心で叫ぶ千晴。
柄にもないことをした千晴がプルプルと震えていた。
「いやもう何て言うか佐藤さんて小悪魔的なまあ、うん。
魅力的な一面あるんだね」
清涼の評を聞いて、千晴は、頭を掻きむしった。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる