303 / 830
302.閑話 とある大学での情景3
しおりを挟む
「名前しか覚えていないようで、
高澤 健・木村 正・鈴木誠一・千賀 良一と名乗っていました。
みなさん、翔陵国際大学3年生の歴史学科日本史専攻のようでした。
随分と講義の内容にご不満があるようですね」
千晴は真剣な表情に改めていた。
「個人情報の流出に繋がりますので
そういった件に関しては、お伝え出来かねます」
職員は慇懃な態度で回答を拒否した。
「うーん、いるかいなかだけもいいですけどねぇ」
職員は回答することに関してまっぴらごめんであった。
名前が無ければ、目の前で痴話喧嘩が繰り広げられることもめんどくさいが、
後々、個人情報の流出で脅される恐れも考えていた。
そう思いつつも彼らに見えないように名簿で彼らの名前をチェックしていた。
高澤 健・木村 正・千賀 良一の名前はあったが、
鈴木誠一の名前は休学者・退学者のリストにも掲載が無かった。
「仕方ないなー。査察機関に頼もうかな。
大学に迷惑がかかるけど、喬史、それでいいよね」
清涼はあいまいに頷いた。
千晴は職員の表情から何となく察していたが、一応、確認を取りたかった。
「いやいや、ちょっとお待ちを。そうですね。
私は何も言わなかったし見せなかったですが、そうですね。
鈴木誠一と言う学生は本校の3年生の歴史学科日本史専攻には
在籍していません」
千晴は職員の回答を上手いと思った。
確かに彼は大学の学生の情報に関しては一切答えていなかった。
千晴はあまり豊かでない胸を両腕で寄せながら、
軽く頭を下げた。寄った服の隙間からほんの少しブラが覗いていた。
「そうですかーありがとうございますぅ。
彼も後輩に良い所を見せたかったんですねー。
本当に後輩さん達なら、今回は大目に見てあげた方がいいですよね?」
「いやもう、そうですね。そうです。
彼も反省しているようですし、大目に見ることも
夫婦生活では大切ですよ。
ハハッ、まだ少し早過ぎましたかな」
職員の目は千晴の胸の辺りを注視していた。
「本当にお忙しいところ、お手を煩わせて申し訳ございませんでした。
では失礼いたしますぅ」
「どっどうもです」
「いえいえ、どうもお幸せに」
二人は教務課を後にした。
職員は大事にならずにほっとして、ドアのカギを施錠して、
余計な客が来訪しないようにすると。席に戻っていった。
二人は教務課を後にした。
ああああああ、気色悪いと心で叫ぶ千晴。
柄にもないことをした千晴がプルプルと震えていた。
「いやもう何て言うか佐藤さんて小悪魔的なまあ、うん。
魅力的な一面あるんだね」
清涼の評を聞いて、千晴は、頭を掻きむしった。
高澤 健・木村 正・鈴木誠一・千賀 良一と名乗っていました。
みなさん、翔陵国際大学3年生の歴史学科日本史専攻のようでした。
随分と講義の内容にご不満があるようですね」
千晴は真剣な表情に改めていた。
「個人情報の流出に繋がりますので
そういった件に関しては、お伝え出来かねます」
職員は慇懃な態度で回答を拒否した。
「うーん、いるかいなかだけもいいですけどねぇ」
職員は回答することに関してまっぴらごめんであった。
名前が無ければ、目の前で痴話喧嘩が繰り広げられることもめんどくさいが、
後々、個人情報の流出で脅される恐れも考えていた。
そう思いつつも彼らに見えないように名簿で彼らの名前をチェックしていた。
高澤 健・木村 正・千賀 良一の名前はあったが、
鈴木誠一の名前は休学者・退学者のリストにも掲載が無かった。
「仕方ないなー。査察機関に頼もうかな。
大学に迷惑がかかるけど、喬史、それでいいよね」
清涼はあいまいに頷いた。
千晴は職員の表情から何となく察していたが、一応、確認を取りたかった。
「いやいや、ちょっとお待ちを。そうですね。
私は何も言わなかったし見せなかったですが、そうですね。
鈴木誠一と言う学生は本校の3年生の歴史学科日本史専攻には
在籍していません」
千晴は職員の回答を上手いと思った。
確かに彼は大学の学生の情報に関しては一切答えていなかった。
千晴はあまり豊かでない胸を両腕で寄せながら、
軽く頭を下げた。寄った服の隙間からほんの少しブラが覗いていた。
「そうですかーありがとうございますぅ。
彼も後輩に良い所を見せたかったんですねー。
本当に後輩さん達なら、今回は大目に見てあげた方がいいですよね?」
「いやもう、そうですね。そうです。
彼も反省しているようですし、大目に見ることも
夫婦生活では大切ですよ。
ハハッ、まだ少し早過ぎましたかな」
職員の目は千晴の胸の辺りを注視していた。
「本当にお忙しいところ、お手を煩わせて申し訳ございませんでした。
では失礼いたしますぅ」
「どっどうもです」
「いえいえ、どうもお幸せに」
二人は教務課を後にした。
職員は大事にならずにほっとして、ドアのカギを施錠して、
余計な客が来訪しないようにすると。席に戻っていった。
二人は教務課を後にした。
ああああああ、気色悪いと心で叫ぶ千晴。
柄にもないことをした千晴がプルプルと震えていた。
「いやもう何て言うか佐藤さんて小悪魔的なまあ、うん。
魅力的な一面あるんだね」
清涼の評を聞いて、千晴は、頭を掻きむしった。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
転生幼女の異世界冒険記〜自重?なにそれおいしいの?〜
MINAMI
ファンタジー
神の喧嘩に巻き込まれて死んでしまった
お詫びということで沢山の
チートをつけてもらってチートの塊になってしまう。
自重を知らない幼女は持ち前のハイスペックさで二度目の人生を謳歌する。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる