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237.初陣5
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「これはアルフレート様、こんなところで一体何を?
数人を除いて、他の学生はレドリアン導師に
こってりと絞られていますよ。
まま、アルフレート様のあの的確な判断と
レドリアン導師の招集を無視する胆力は、
褒められるべきですな」
ちくりちくりと皮肉を喰らわす剣豪に
若干のイラつきを感じつつもシエンナとヴェルは
どうやら誤魔化すことに失敗したのだと察した。
それを当たり前の様に見透かす剣豪が話を続けた。
「あの二人は、数少ない褒められるべき立場を
投げうって、レドリアン導師を欺こうとしましたが
見事に失敗して、個別にみっちりと絞られているでしょう」
言うべき言葉が見つからない誠一は、
一礼してこの場を去ろうとした。
「お待ちなさい。
あまり啓示などということに耳を傾けなさるな。
適当にあしらっておけば、問題ございません。
あの者たちにとって、我らは、玩具に等しい存在。
飽きれば、放り出し、新たな玩具で遊びましょうぞ。
彼らに事の善悪などございませぬ。
己の意思をしっかりとお持ちなさい」
誠一は口には出さなかったが、
剣豪の洞察力をもってしても自分の奥底の思いは
読まれていないと思い、ほっとした。
この男の眼力にはドキリとされることが多々あるが、
それはあくまでのこの世界の住人の常識の域は
超えていなかった。
己の目的のためにぎりぎりまで
役に立ってもらおうと腹の底で考えていた。
「おや、何やら悪そうなお顔をしておりますな。
よろしい、それでいいのです。拙者は行きますゆえ」
歩き出して、立ち止まると剣豪が
人の悪そうな顔で去り際に一言残した。
「レドリアン導師の部屋を訪ねられた方が
後悔しないかと、ではでは」
誠一はその言葉を聞くと、剣豪を追い越して
走り出していた。
剣豪の言わんとすることぐらいすぐに理解できた。
どの世界にも権力を笠に着て、己の欲望を
満たす奴らはいる。
ヴェルにしろシエンナにしろ
そんなくだらないことの犠牲になってほしくなかった。
余計な御託を並べる前にさっさと言えと
毒づきなら、急いだ。
よりにもよって、功を競っているアーロンの
目の前での失態、そして、その息子に失態を救われた。
レドリアン導師にとって、どれもが受け入れが
たいことであった。
魔術学生全員を叱責し、多少の溜飲は下がったが、
どうにも湧き上がる不快感をレドリアン導師は、
どうにも上手く処理することができなかった。
レドリアン導師は、失態を犯した生徒のうち数人を
部屋に呼び込もうと思案したが、選別の基準があいまいになり
周囲から何かしらの疑いの目をむけられることを恐れた。
数人を除いて、他の学生はレドリアン導師に
こってりと絞られていますよ。
まま、アルフレート様のあの的確な判断と
レドリアン導師の招集を無視する胆力は、
褒められるべきですな」
ちくりちくりと皮肉を喰らわす剣豪に
若干のイラつきを感じつつもシエンナとヴェルは
どうやら誤魔化すことに失敗したのだと察した。
それを当たり前の様に見透かす剣豪が話を続けた。
「あの二人は、数少ない褒められるべき立場を
投げうって、レドリアン導師を欺こうとしましたが
見事に失敗して、個別にみっちりと絞られているでしょう」
言うべき言葉が見つからない誠一は、
一礼してこの場を去ろうとした。
「お待ちなさい。
あまり啓示などということに耳を傾けなさるな。
適当にあしらっておけば、問題ございません。
あの者たちにとって、我らは、玩具に等しい存在。
飽きれば、放り出し、新たな玩具で遊びましょうぞ。
彼らに事の善悪などございませぬ。
己の意思をしっかりとお持ちなさい」
誠一は口には出さなかったが、
剣豪の洞察力をもってしても自分の奥底の思いは
読まれていないと思い、ほっとした。
この男の眼力にはドキリとされることが多々あるが、
それはあくまでのこの世界の住人の常識の域は
超えていなかった。
己の目的のためにぎりぎりまで
役に立ってもらおうと腹の底で考えていた。
「おや、何やら悪そうなお顔をしておりますな。
よろしい、それでいいのです。拙者は行きますゆえ」
歩き出して、立ち止まると剣豪が
人の悪そうな顔で去り際に一言残した。
「レドリアン導師の部屋を訪ねられた方が
後悔しないかと、ではでは」
誠一はその言葉を聞くと、剣豪を追い越して
走り出していた。
剣豪の言わんとすることぐらいすぐに理解できた。
どの世界にも権力を笠に着て、己の欲望を
満たす奴らはいる。
ヴェルにしろシエンナにしろ
そんなくだらないことの犠牲になってほしくなかった。
余計な御託を並べる前にさっさと言えと
毒づきなら、急いだ。
よりにもよって、功を競っているアーロンの
目の前での失態、そして、その息子に失態を救われた。
レドリアン導師にとって、どれもが受け入れが
たいことであった。
魔術学生全員を叱責し、多少の溜飲は下がったが、
どうにも湧き上がる不快感をレドリアン導師は、
どうにも上手く処理することができなかった。
レドリアン導師は、失態を犯した生徒のうち数人を
部屋に呼び込もうと思案したが、選別の基準があいまいになり
周囲から何かしらの疑いの目をむけられることを恐れた。
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