転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

文字の大きさ
上 下
204 / 896

206.選択肢9

しおりを挟む
「ジョン君!
今日はお魚を獲りに行こうよ!
明日はカズマが来るからね、BBQのときに焼く魚が欲しいでしょ?
だから今日は釣りに行こう」


あれからアキラさんはすごく元気に動き回っている。
だいたい僕が午前中におじいちゃんと一緒に狩りに行って、午後からは自由時間という感じになっている。


アキラさんは午前中はデスクワーク的なことをしている。
よくわからない書類に目を通したり、損益計算書の数字が合わない!っておじいちゃんに詰め寄ったり…
領収証が足りない!!って田中さんと探してたりしている。


「アキラ君が経理をやってくれるようになってめちゃくちゃ助かるんじゃが……あの子はちょっとキッチリし過ぎなくらいキッチリしとるからなぁ
はぁ……また怒られたわい」


アキラさんはなんてったって『生徒の模範』を目指してる方ですからね?
僕にはよくわからないけど……


っということで午後から屋敷からちょっと離れたところにある川に釣りに来ました。
ここらへんなら魔獣もあまりこないし、来ても僕がサクッとりますから大丈夫だし、楽しく二人で釣りをしてるのに……


すごく嫌な邪魔者の匂いがする。しかも、これは不味いなぁ…
アキラさんはまだ邪魔者の存在に気づいていないようだけど、どうしようかな?


僕だけで対処したいけど、アキラさんを一人にして川に落ちたりしたら大変だし、魔物の臭いとかはしないけど、どうしようか悩んでいると……


「ふわぁ……ジョン君、見てよ!すごく綺麗な牙狼がいるよ?
ジョン君に会いに来たのかな?知り合いか何かだったりする?」


アキラさんに見つかってしまった。
崖の上に銀色の艶のある毛並みの短毛種の牙狼が僕達を見下ろすようにいる。


鼻腔をくすぐるような、熟れた果実のような匂い…小さく聞こえる甘えたような喉を鳴らす声
アキラさんと出会う前の僕ならホイホイついて行っただろうが…
今はまったくそそられない


熟れた果実の臭いは下品な芳香剤のように感じるし、甘えた声は耳障りにしか感じない
我ながら変わったなっと思うけど……
小さく威嚇の声を喉から鳴らすと


牙狼は少し驚いたような顔をして、アキラさんを睨むように見下ろしだした。

ヴヴゥヴウ…!!

本格的に威嚇の声を発すれば、銀髪の牙狼はプイッと興味を失せたっとばかりに去って行った。


「えっ?……今のって……っっっそういうことか」


アキラさんが何か察したように、下を向いて口を尖らせて辛そうな顔をしていく。
あぁ…しまった……アキラさんの察しの良さが仇になる。


「あの……アキラさん、僕は別にあんな牙狼なんて、全然…」

「わかってるよ…ジョン君が悪いわけじゃないし、あの子が悪いわけじゃないよ…
ただ、ちょっと…僕は…

………もう帰ろう、ちょっと疲れちゃったから」


アキラさんの機嫌が急降下していくのを感じながら、どういう反応したらいいのかわからずにトボトボっとアキラさんの後をついていくしかなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

ファンタジー
 高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。 見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。 確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!? ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・ 気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。 誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!? 女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話 保険でR15 タイトル変更の可能性あり

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

【味覚創造】は万能です~神様から貰ったチートスキルで異世界一の料理人を目指します~

秋ぶどう
ファンタジー
書籍版(全3巻)発売中! 食べ歩きだけが趣味の男、日之本巡(ひのもとめぐる)。 幻の料理屋を目指す道中で命を落としてしまった彼は、異世界に転生する。 転生時に授かったスキルは、どんな味覚でも作り出せる【味覚創造】。 巡は【味覚創造】を使い、レストランを開くことにした。 美食の都と呼ばれる王都は食に厳しく、レストランやシェフの格付けが激しい世界だけれど、スキルがあれば怖くない。 食べ歩きで得た膨大な味の記憶を生かし、次から次へと絶品料理を生み出す巡。 その味は舌の肥えた王都の人間も唸らせるほどで――!? これは、食事を愛し食の神に気に入られた男が、異世界に“味覚革命”を起こす物語である。

異世界で至った男は帰還したがファンタジーに巻き込まれていく

竹桜
ファンタジー
 神社のお参り帰りに異世界召喚に巻き込まれた主人公。  巻き込まれただけなのに、狂った姿を見たい為に何も無い真っ白な空間で閉じ込められる。  千年間も。  それなのに主人公は鍛錬をする。  1つのことだけを。  やがて、真っ白な空間から異世界に戻るが、その時に至っていたのだ。  これは異世界で至った男が帰還した現実世界でファンタジーに巻き込まれていく物語だ。  そして、主人公は至った力を存分に振るう。

異世界転生 剣と魔術の世界

小沢アキラ
ファンタジー
 普通の高校生《水樹和也》は、登山の最中に起きた不慮の事故に巻き込まれてしまい、崖から転落してしまった。  目を覚ますと、そこは自分がいた世界とは全く異なる世界だった。  人間と獣人族が暮らす世界《人界》へ降り立ってしまった和也は、元の世界に帰るために、人界の創造主とされる《創世神》が眠る中都へ旅立つ決意をする。  全三部構成の長編異世界転生物語。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

処理中です...