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166.閑話 とあるスーパーでの情景2

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昼食にはまだ、早いために買い物は、
良い運動になったと自分に言い聞かせる千晴だった。
十分にカロリーを消費したはずと己に言い聞かせると、
昔から変わらずの味、五矢サイダーをぐびぐびと飲み、
大袋ポテチを開封して食べ始めた。

「ヴェルトゥール王国戦記」を起動させて、
無料ガチャチケットをゲットし、クリアーしているプレイヤーイベントを
確認して、アイテムとチケットゲット。
清涼の話では、キャラクターにイベントを
クリアーさせると色々と貰えるらしいが、
千晴は誠一にそれを強要させるつもりはなかった。

モニターに映る誠一は何やら仲間と
揉めているようだった。
すると突然、誠一がうやうやしく祈り始めた。

『この状況に迷える我々に助力と助言を与えたまえ』

千晴はついつい、吹き出してしまった。
まさか神として崇められて、助力を求められるとは
思いもよらなかったからだった。

誠一の話した内容をテキストで読むと、
どうやら彼らは剣豪を助けに行きたかっているようだった。
そして、彼等は最後の一押しが欲しいようだった。
確か無課金ガチャで引き当てたアイテムに
『神の懐紙』とか言うのがあったかな。
これに何か書いて、送れば確実に違いないと思い、
シンプルに『戦え』と書いた。

そして、誠一に伝えた。

『えっと、つまり戦うってことね。
良いわよ。従うも抗うもどちらにしても
啓示の恩恵を受けられるように
指示を書いておくね。
それとなんか強敵そうだから、
アイテムも送るわ』

懐紙を受けた誠一が舌打ちをしたように
見えたが、シエンナ、ヴェル、ラムデールが
雄叫びをあげたりしていた。
うん、間違っていなかったと千晴は思った。
誠一も真剣な表情で戦いを宣誓していることが、
更に正しい選択をしたと千晴に思わせた。
シエンナが天に向けて、お礼を伝えていた。
この娘はいつも礼節を忘れないいい子だなと思い、
上機嫌で昼食の準備を始めた。

どうやらボスキャラらしき敵を
倒したようであったが、最近になって
同行するようになったオニヤという侍風のキャラが
一刀の下に両断した。
剣に詳しくない千晴でさえ、
その所作に見惚れてしまった。

「なんか結構、有名そうなキャラぽいけど、何だろ?」

そう思い、ネットで情報収集を始めた。
検索のヒット数は大変な量であった。
あまりゲームといったものに縁のなかった千晴でさえ、
オニヤが「ヴェルトゥール王国戦記」において、
伝説級のNPCであることが理解できた。

チャット欄を覗くと、莉々子や清涼もいるようだった。
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