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151.遠征10
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剣豪は大袈裟な演技でふらついてみた。
「いまだ体力が回復せずですな。
ここは若い力に期待しましょう。
まっ露払いくらいはしましょうか」
すぐ後方に見えるシエンナ、ヴェル、
ラムデール、そして、前方で力任せに
メイスを振り回す誠一を見た剣豪は、
大太刀を一度だけ振るった。
大地には薄っすらとだが、亀裂の跡が生じていた。
大太刀の前には、生きた魔物は一切、いなかった。
「アルフレート様、雑魚は仲間に任せて、
魔人を倒しなさい」
剣豪の指示に誠一は頷くと、大太刀が作った間隙を
凄まじい速度で抜けていった。
苦しむ魔人を前に誠一は
押さえ付けていた感情を爆発させた。
「うぅうううおおおー」
誠一は雄叫びをあげると力任せにメイスを
叩きつけた。
「いぎーっ」
意味を成さない言葉の羅列が魔人より発せられた。
転げまわる魔人へ続けざまに
大きく振りかぶってメイスを振り下ろした。
右腕が完全に潰れた。
「殺すコロスコロス」
「語彙の少ないやつだな。
貴様の声は、耳障りだ」
誠一は、何とか立ち上がった魔人へ
横なぎの一撃を加えた。
しかし、先程の様に無様に転がらずに
何とか魔人は一撃を耐えた。
「人間風情がいつまでも調子にのるなよ」
魔人の片腕と両脚から繰り出される拳と
蹴りだったが、今の誠一にとって、
それは欠伸が出る程、躱すことが容易であった。
誠一は、右腿に一撃、左腿に一撃を加えた。
魔人は痛みで立っていることが出来ずに
前へ倒れてしまった。
容赦なく左腕にメイスを両手で持ち、
振り下ろした。
「おまえをここで倒すことも可能だが、
死にたくなければ、答えろ。
この地域に魔物が溢れたのは、お前が原因だろう。
その目的はなんだ?」
ぺっ、魔人は答える代わりに唾を誠一に吐きつけた。
無言で魔人の左腿をメイスで叩きつけた。
続けて、右腿、左腕、それを何度か繰り返いた。
「いいいっ、やめろ」
魔人は悲鳴を上げた。
「話すか?」
誠一は一旦、叩きつけることを止めた。
「知らぬ。何も知らぬ。
魔王よりこの地に魔物を率いて、
適当に暴れろと言われただけだ。
それ以外は何も知らぬ」
必死に懇願する様は、嘘を言っているようには
聞こえなかった。
単にこの地に混乱をもたらすことが
目的なのだろうか。
誠一は、考えを巡らせていたが、
そろそろ、魔術の効果も消えると思い、
止めを刺すことにした。
「おっおい、話が違う。
見逃すと言っただろ。俺は上位の魔人だぞ。
こんなところで死んで良い訳ないだろ」
「おい、やめろ。本当にやめろ。お前も後悔するぞ」
無様に命乞いする魔人に誠一は言葉をかけた。
「いや、お前、知らないって自分で言ったよ。
目的については話してないから」
誠一は心底、気がすすまなかったが、
頭部への一撃を加えて、倒すことにした。
両手でメイスを握り、振り上げた。
「いまだ体力が回復せずですな。
ここは若い力に期待しましょう。
まっ露払いくらいはしましょうか」
すぐ後方に見えるシエンナ、ヴェル、
ラムデール、そして、前方で力任せに
メイスを振り回す誠一を見た剣豪は、
大太刀を一度だけ振るった。
大地には薄っすらとだが、亀裂の跡が生じていた。
大太刀の前には、生きた魔物は一切、いなかった。
「アルフレート様、雑魚は仲間に任せて、
魔人を倒しなさい」
剣豪の指示に誠一は頷くと、大太刀が作った間隙を
凄まじい速度で抜けていった。
苦しむ魔人を前に誠一は
押さえ付けていた感情を爆発させた。
「うぅうううおおおー」
誠一は雄叫びをあげると力任せにメイスを
叩きつけた。
「いぎーっ」
意味を成さない言葉の羅列が魔人より発せられた。
転げまわる魔人へ続けざまに
大きく振りかぶってメイスを振り下ろした。
右腕が完全に潰れた。
「殺すコロスコロス」
「語彙の少ないやつだな。
貴様の声は、耳障りだ」
誠一は、何とか立ち上がった魔人へ
横なぎの一撃を加えた。
しかし、先程の様に無様に転がらずに
何とか魔人は一撃を耐えた。
「人間風情がいつまでも調子にのるなよ」
魔人の片腕と両脚から繰り出される拳と
蹴りだったが、今の誠一にとって、
それは欠伸が出る程、躱すことが容易であった。
誠一は、右腿に一撃、左腿に一撃を加えた。
魔人は痛みで立っていることが出来ずに
前へ倒れてしまった。
容赦なく左腕にメイスを両手で持ち、
振り下ろした。
「おまえをここで倒すことも可能だが、
死にたくなければ、答えろ。
この地域に魔物が溢れたのは、お前が原因だろう。
その目的はなんだ?」
ぺっ、魔人は答える代わりに唾を誠一に吐きつけた。
無言で魔人の左腿をメイスで叩きつけた。
続けて、右腿、左腕、それを何度か繰り返いた。
「いいいっ、やめろ」
魔人は悲鳴を上げた。
「話すか?」
誠一は一旦、叩きつけることを止めた。
「知らぬ。何も知らぬ。
魔王よりこの地に魔物を率いて、
適当に暴れろと言われただけだ。
それ以外は何も知らぬ」
必死に懇願する様は、嘘を言っているようには
聞こえなかった。
単にこの地に混乱をもたらすことが
目的なのだろうか。
誠一は、考えを巡らせていたが、
そろそろ、魔術の効果も消えると思い、
止めを刺すことにした。
「おっおい、話が違う。
見逃すと言っただろ。俺は上位の魔人だぞ。
こんなところで死んで良い訳ないだろ」
「おい、やめろ。本当にやめろ。お前も後悔するぞ」
無様に命乞いする魔人に誠一は言葉をかけた。
「いや、お前、知らないって自分で言ったよ。
目的については話してないから」
誠一は心底、気がすすまなかったが、
頭部への一撃を加えて、倒すことにした。
両手でメイスを握り、振り上げた。
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