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138. 閑話 とあるモニターでの情景2

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千晴は今日、引いたガチャで使えそうなアイテムを
検索すると、強烈気付け薬というアイテムを見つけた。
「よし、これを使ってみよう」

下賜するというコマンドを押すと、誠一の胸元に
アイテムが現れた。
そして、シエンナがそれを両手に持って、
夜空に向かって掲げて、ひっきりなしに頭を
下げては上げてを繰り返えしている。
キャラクターのコメントウインドウには
シエンナだけでなく、ヴェルやラムデールからの
お礼の言葉で溢れていた。

少し気を良くした千晴は、適当なアイテムを
連続で下賜した。

『回復薬・臭い消し・ダンディーな大人の香水・強力精力剤X』

連続で下賜されたアイテムにシエンナは目を白黒させていた。

侍風の男や色っぽい女も驚いたようにアイテムを
見つめていた。
一人、怜悧そうな男は胡散臭げにアイテムを見つめていた。

シエンナはまず、強烈気付け薬を誠一に含ませていた。
誠一はびくりとして、目覚めたようだった。
ステータスウインドウの錯乱が正常に戻っていたが、
まだ、ぼんやりとしているようだった。

次にヴェルが薬をシエンナからひったくると、
強力精力剤Xを誠一へ一気に飲ませた。
誠一はびくりとエビぞりを何度か繰り返すと、
苦しそうに顔を歪ませていた。
股間の辺りが酷く張っているようにも見えた。

誠一の動きが落ち着くと、シエンナは、
回復薬を含ませ、臭い消しを誠一の全身に
まんべんなくかけた。

下腹部付近のテントの先端が
かなり湿っているように見えたが、
気のせいだと思うことにした。

何故かキャラクターのコメントウインドウには、
ヴェルとラムデールの笑い声でいっぱいになっていた。

二人の鳩尾に強烈な一撃を加えて、
黙らせたキャロリーヌが誠一に香水を振りかけていた。

誠一はシエンナとキャロリーヌから
何やら説明を受けていた。
恥ずかしそうに立ち上がり、誰もいない方へ向かって、
深く一礼をした。コメント欄には、こう書かれていた。
「助けて頂き、ありがとうございました」

『いえいえ、どういたしまして。
何か毒か麻痺でも受けたんですか?』

誠一の心の中の言葉がコメント欄に書かれた。
「少し前から魔物の討伐をしているのですが、
魔物はコロスものというこの世界の住人が
持つ当たり前の感覚がないので、
連続で続いた魔物の討伐で心が折れたのだと思います」

『確かに生き物を殺し慣れるなんて、考えられません』

「魔物はそうですね、ゴキブリのようなものです。
部屋に現れると言いようのない嫌悪感と憎悪を
掻き立てますからね。
ゴキブリをコロスことに躊躇しませんよね。
この世界の住人にとっては、ゴキブリを
殺す感覚なのでしょう」

『害虫駆除のようなものなんですね』

「そうです。だから、耐性の強い人達が駆除しています」

『誠一さんは、何とか慣れそうですか?』

「目的があるので、何とか努力します。
すみません、仲間が心配しているようなので
一旦、彼等と話します。
ありがとうございました」

『了解です。誠一さんが一人の時にアイテムを
送りますので、売るなり使うなりしてください。
お大事にお過ごしください』

画面の前でにまにまとする千晴だった。
お礼を言われて、悪い気はしなかった。
誠一は、仲間と話始めていた。

千晴は、手持ち無沙汰になり、ビールを飲み干すと、
チャットルームにアクセスをした。
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