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59.隊商の護衛3
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「アル!ぼーっとしないで。
アレは人を襲うから。
巣から仲間が集まって来る前に倒すわよ」
ぱっと見て、2,3匹いた。
誠一の知る蜂がそのまま大きくなったような
ものであった。
そこら辺で奇妙な動きをする蜂に向かって、
シエンナが大きなウォーターボールを放った。
蜂には当たらず、蜂の上の方の木の枝に当たり、
水が広範囲に渡って落ちた。
水を被った蜂たちは、そのまま地面に
ぽとりと落ちてしまった。
「アル!止めを刺して!」
シエンナが叫んだ。
誠一は馬上より飛び降りて、
短刀を引き抜くと、地面を
這いまわる蜂に向かった。
カチカチ、キシャーキシャーキィー
と妙な音を立てて威嚇する蜂であったが、
その動きは飛翔している時に比べて、
格段に遅かった。
誠一は、蜂を刺す忌避感を抑えて、
後方へ周り、刺した。
外殻は誠一の短刀によって破られた。
短刀を引き抜くと体液が噴き出した。
げろげろ、予想通りの気持ち悪さに
誠一は辟易したが、シエンナは杖で
叩き潰していた。
シエンナが叩き潰す瞬間、誠一の想像であったが、
脳内にぐちゃりという擬音が響いていた。
「もしかして、アルは昆虫系の魔物は苦手?
魔術師なら、調合の際に昆虫を
すり潰したりするし、冒険者なら
希少な昆虫を捕獲したりするけど大丈夫?」
浮かない顔をしている誠一に
シエンナが尋ねた。
「まっまあ、気持ちの良いものではないよね」
それが精一杯の回答であった。
リシェーヌとヴェル、ロジェ、
キャロリーヌも集まってきた。
そして、ヴェルは死骸を見ると開口一番、
「おーい、アル、何が出た?
うぇぃ、こいつらかよ。
まあ、こいつらなら、金になるし、
まあ、いいか。
仲間を呼んだ感じ?」
「巣のサイズはわからないけど、恐らくね」
周囲を警戒しつつ、シエンナが答えた。
「隊商の後をしつこく追ってこられても面倒だな。
巣まで破壊せざるを得ない。
シエンナ、悪いがスターリッジさんへ
伝えて来てくれ。
キャロ、一匹は殺さずに捕獲しろ。いいな。
他のメンバー発見次第、殺せ。
金になる部位は後で集めればいいから、
殺したら、放っておけ」
ロジェが素早く方針を定めると、
武器を構えた。
シエンナは馬に乗ると、走り去った。
「ったく木々が邪魔だな。
使いたくないが、仕方ない。真空刃斬」
気合一閃、ロジェは、蜂たちが
いた付近の木々の枝を薙いだ。
びちゃり。
薙いだ枝と共に幾匹かの蜂を斬ったようだった。
ブーンブーン、カサカサ。
嫌な羽音がした。
四散した体液や胴体の一部だけでも
気が滅入っていた誠一にとって、
羽音は更に拍車をかけた。
「来るぞ、気合をいれろっ」
ロジェの一声が響いた。
そして、木々の枝が激しく揺れると、
数十匹の蜂が現れた。
「ふん、嬢ちゃんの落ち着きぷりに比べて、
小僧のビビりようと来たら、情けない。
昆虫系は苦手か?」
どうやら隊商の後衛を担っていたチームが
合流したようだった。
「前回は恥ずかしいところ見せたが、
まあ、汚名返上といたしましょうか。
エアパレッド」
高速で動く蜂の腹部と胸部の接合部へ
正確に魔術を当てていた。
ぽとりぽとりと胸部と腹部が
地面に落ちるが蜂は死んでいないようで、
もそもそと蠢いていた。
「遠距離攻撃を中心に、
俺ら戦士は、近づいてきたのを倒せ」
ロジェや戦士、軽戦士、盗賊が前面に出て、
キャロリーヌ、魔術師二人、狩人が
後方から攻撃を開始した。
アレは人を襲うから。
巣から仲間が集まって来る前に倒すわよ」
ぱっと見て、2,3匹いた。
誠一の知る蜂がそのまま大きくなったような
ものであった。
そこら辺で奇妙な動きをする蜂に向かって、
シエンナが大きなウォーターボールを放った。
蜂には当たらず、蜂の上の方の木の枝に当たり、
水が広範囲に渡って落ちた。
水を被った蜂たちは、そのまま地面に
ぽとりと落ちてしまった。
「アル!止めを刺して!」
シエンナが叫んだ。
誠一は馬上より飛び降りて、
短刀を引き抜くと、地面を
這いまわる蜂に向かった。
カチカチ、キシャーキシャーキィー
と妙な音を立てて威嚇する蜂であったが、
その動きは飛翔している時に比べて、
格段に遅かった。
誠一は、蜂を刺す忌避感を抑えて、
後方へ周り、刺した。
外殻は誠一の短刀によって破られた。
短刀を引き抜くと体液が噴き出した。
げろげろ、予想通りの気持ち悪さに
誠一は辟易したが、シエンナは杖で
叩き潰していた。
シエンナが叩き潰す瞬間、誠一の想像であったが、
脳内にぐちゃりという擬音が響いていた。
「もしかして、アルは昆虫系の魔物は苦手?
魔術師なら、調合の際に昆虫を
すり潰したりするし、冒険者なら
希少な昆虫を捕獲したりするけど大丈夫?」
浮かない顔をしている誠一に
シエンナが尋ねた。
「まっまあ、気持ちの良いものではないよね」
それが精一杯の回答であった。
リシェーヌとヴェル、ロジェ、
キャロリーヌも集まってきた。
そして、ヴェルは死骸を見ると開口一番、
「おーい、アル、何が出た?
うぇぃ、こいつらかよ。
まあ、こいつらなら、金になるし、
まあ、いいか。
仲間を呼んだ感じ?」
「巣のサイズはわからないけど、恐らくね」
周囲を警戒しつつ、シエンナが答えた。
「隊商の後をしつこく追ってこられても面倒だな。
巣まで破壊せざるを得ない。
シエンナ、悪いがスターリッジさんへ
伝えて来てくれ。
キャロ、一匹は殺さずに捕獲しろ。いいな。
他のメンバー発見次第、殺せ。
金になる部位は後で集めればいいから、
殺したら、放っておけ」
ロジェが素早く方針を定めると、
武器を構えた。
シエンナは馬に乗ると、走り去った。
「ったく木々が邪魔だな。
使いたくないが、仕方ない。真空刃斬」
気合一閃、ロジェは、蜂たちが
いた付近の木々の枝を薙いだ。
びちゃり。
薙いだ枝と共に幾匹かの蜂を斬ったようだった。
ブーンブーン、カサカサ。
嫌な羽音がした。
四散した体液や胴体の一部だけでも
気が滅入っていた誠一にとって、
羽音は更に拍車をかけた。
「来るぞ、気合をいれろっ」
ロジェの一声が響いた。
そして、木々の枝が激しく揺れると、
数十匹の蜂が現れた。
「ふん、嬢ちゃんの落ち着きぷりに比べて、
小僧のビビりようと来たら、情けない。
昆虫系は苦手か?」
どうやら隊商の後衛を担っていたチームが
合流したようだった。
「前回は恥ずかしいところ見せたが、
まあ、汚名返上といたしましょうか。
エアパレッド」
高速で動く蜂の腹部と胸部の接合部へ
正確に魔術を当てていた。
ぽとりぽとりと胸部と腹部が
地面に落ちるが蜂は死んでいないようで、
もそもそと蠢いていた。
「遠距離攻撃を中心に、
俺ら戦士は、近づいてきたのを倒せ」
ロジェや戦士、軽戦士、盗賊が前面に出て、
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後方から攻撃を開始した。
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