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48.チーム戦2
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「アルフレード君。
彼の言動で勘違いしてはいけない。
最近、伸び悩んでいるが、彼は強いよ。
非常に成長速度が速いからね。
その上、SRだからそれ相応の称号を得ている」
ロジェは、誠一の安堵の表情から察して、注意した。
経験値2倍とか3倍ってスキルでも
持っているのかな。
低レベルの時は、異常に早く成長したが、
レベルが高じるにつれて、成長に時間が
かかるようになったのだろう。
地道な苦労が少なかった分、伸び悩んでいる現状に
我慢できずにいるのだろうと誠一は考えた。
「早熟の天才よ。このまま、それで終わるか、
天才の名を欲しいままにするかは、
彼の今後の努力次第だけど、あの様子じゃ無理そうね」
キャロリーヌが補足した。
「はじめるぞ」
ティモがそう宣言すると、剣閃二段切りを放った。
砂塵を舞い上げながら、剣がリシェーヌに
振り下ろされた。
「ありえねーだろっが」
ロジェがティモの必殺の一撃の一閃目を受けた。
受けたが、そのまま弾き飛ばされた。
放たれるはずの二閃目はなく、ティモの顔が
憎悪に歪んでいた。
そして、左手には矢が握られていた。
「キャロリーヌ。貴様は観戦ではないのか?
手を出すなら、代償はその身体で払って貰うぞ」
「あらー、怖い怖い。訓練でしょう。参加するわ」
胸を中央に寄せて、強調しながら、答えていた。
完全におちょくっている様にしか誠一には
思えなかった。
「キャロ、あまり挑発するな。
やつも成長している。昔とは違うぞ」
ロジェは立ち上がり、ティモと対峙した。
キャロリーヌは、矢を番えた。
「仕方ない。坊ちゃんが動けないようだ。
野郎ども少し餓鬼どもを躾けてやれ」
戦斧を軽そうに振り回して、リシェーヌに
戦士風の男が近づいた。
「とろい動き。まるでオーガね」
リシェーヌは、普段の調子で
ひらりひらりとその一撃を躱していた。
「アル、後方の魔術師二人を牽制して!
でもあの時の力は使っちゃ駄目。
護衛に一緒に行けなくなる」
補助魔術で強化した誠一は、頷くと
一直線に魔術師に向かっていった。
邪魔をしようとした軽装の戦士と
狩人らしき男たちは、バルドロによって遮られた。
「まあ、訓練だ。少しは手を抜けや。
そしたら、俺も少しは手を抜いてやる」
悪相でニヤリとしても何かとんでもないことを
画策している悪人にしか二人には見えなかった。
何故か二人の冒険者には、この男をここで
倒すことが正しいことであるという
妙な正義感が芽生えた。
誠一と対峙する二人の魔術師は、
どうやら一般的に想像される範疇の魔術師の
ようだった。
当然の事だが、接近戦は不得手であった。
奴らが魔術を構築する前に倒す。
誠一は最短最速で杖を片手に迫った。
あと僅かそう思った瞬間、何かに弾かれて、
誠一は地面に這いつくばった。
「おまえは阿呆か。
相変わらずあの魔術院は阿呆な事を
教えているようだな」
「坊ちゃんのご希望だ。
コイツは念入りに痛めつけてやるか。
半殺しまではご了解を得ている。
ファイアウェーブ」
魔術師たちは誠一の行動に唖然として、
呆れていたが、転がった誠一を見逃すことなく、
攻撃魔術を放った。
高さ2m幅3mほどの炎の壁が誠一に
向かって迫って来た。
跳ね起きた誠一は、一旦、後方へ下ろうとしたが、
壁のようなものに阻まれた。
何がなんだかわからず、二人の魔術師から視線を
離すことが恐ろしかったが、振り向いた。
しかし、彼の視線が捉えたものは何も無かった。
二人を相手にしているバルドロから怒声が飛んできた。
「馬鹿野郎、風系の防壁魔術と隠蔽系の魔術の
掛け合わせだろうが!
さっさとそこから脱出しろ、囲まれるぞ」
誠一は左右に動くが、既に塞がれているようだった。
思い切って上に跳躍した。
「ぎゃぅ」
頭を思いっきりぶつけて、無様な声を出してしまった。
ティモールの嘲笑や魔術師たちの笑い声が聞こえた。
焦りと迫りくる炎の熱で下着はびちょびちょになり、
彼等を気にする余裕すら失われていた。
「左に飛びなさい。剛爆弩」
それと同時に左側に爆発音が響いた。
誠一は左に動いて、危地より脱出したが、
前方の見えない防壁をどうするか案がなかった。
「そのまま、突っ込んで、
二人の魔術師をのしなさい。飛電弓」
稲妻を纏った矢が何もないように
見える空間で停止した。
そして、そこに魔術紋を浮かび上がらせた瞬間、
ガラス細工のように砕け散った。
彼の言動で勘違いしてはいけない。
最近、伸び悩んでいるが、彼は強いよ。
非常に成長速度が速いからね。
その上、SRだからそれ相応の称号を得ている」
ロジェは、誠一の安堵の表情から察して、注意した。
経験値2倍とか3倍ってスキルでも
持っているのかな。
低レベルの時は、異常に早く成長したが、
レベルが高じるにつれて、成長に時間が
かかるようになったのだろう。
地道な苦労が少なかった分、伸び悩んでいる現状に
我慢できずにいるのだろうと誠一は考えた。
「早熟の天才よ。このまま、それで終わるか、
天才の名を欲しいままにするかは、
彼の今後の努力次第だけど、あの様子じゃ無理そうね」
キャロリーヌが補足した。
「はじめるぞ」
ティモがそう宣言すると、剣閃二段切りを放った。
砂塵を舞い上げながら、剣がリシェーヌに
振り下ろされた。
「ありえねーだろっが」
ロジェがティモの必殺の一撃の一閃目を受けた。
受けたが、そのまま弾き飛ばされた。
放たれるはずの二閃目はなく、ティモの顔が
憎悪に歪んでいた。
そして、左手には矢が握られていた。
「キャロリーヌ。貴様は観戦ではないのか?
手を出すなら、代償はその身体で払って貰うぞ」
「あらー、怖い怖い。訓練でしょう。参加するわ」
胸を中央に寄せて、強調しながら、答えていた。
完全におちょくっている様にしか誠一には
思えなかった。
「キャロ、あまり挑発するな。
やつも成長している。昔とは違うぞ」
ロジェは立ち上がり、ティモと対峙した。
キャロリーヌは、矢を番えた。
「仕方ない。坊ちゃんが動けないようだ。
野郎ども少し餓鬼どもを躾けてやれ」
戦斧を軽そうに振り回して、リシェーヌに
戦士風の男が近づいた。
「とろい動き。まるでオーガね」
リシェーヌは、普段の調子で
ひらりひらりとその一撃を躱していた。
「アル、後方の魔術師二人を牽制して!
でもあの時の力は使っちゃ駄目。
護衛に一緒に行けなくなる」
補助魔術で強化した誠一は、頷くと
一直線に魔術師に向かっていった。
邪魔をしようとした軽装の戦士と
狩人らしき男たちは、バルドロによって遮られた。
「まあ、訓練だ。少しは手を抜けや。
そしたら、俺も少しは手を抜いてやる」
悪相でニヤリとしても何かとんでもないことを
画策している悪人にしか二人には見えなかった。
何故か二人の冒険者には、この男をここで
倒すことが正しいことであるという
妙な正義感が芽生えた。
誠一と対峙する二人の魔術師は、
どうやら一般的に想像される範疇の魔術師の
ようだった。
当然の事だが、接近戦は不得手であった。
奴らが魔術を構築する前に倒す。
誠一は最短最速で杖を片手に迫った。
あと僅かそう思った瞬間、何かに弾かれて、
誠一は地面に這いつくばった。
「おまえは阿呆か。
相変わらずあの魔術院は阿呆な事を
教えているようだな」
「坊ちゃんのご希望だ。
コイツは念入りに痛めつけてやるか。
半殺しまではご了解を得ている。
ファイアウェーブ」
魔術師たちは誠一の行動に唖然として、
呆れていたが、転がった誠一を見逃すことなく、
攻撃魔術を放った。
高さ2m幅3mほどの炎の壁が誠一に
向かって迫って来た。
跳ね起きた誠一は、一旦、後方へ下ろうとしたが、
壁のようなものに阻まれた。
何がなんだかわからず、二人の魔術師から視線を
離すことが恐ろしかったが、振り向いた。
しかし、彼の視線が捉えたものは何も無かった。
二人を相手にしているバルドロから怒声が飛んできた。
「馬鹿野郎、風系の防壁魔術と隠蔽系の魔術の
掛け合わせだろうが!
さっさとそこから脱出しろ、囲まれるぞ」
誠一は左右に動くが、既に塞がれているようだった。
思い切って上に跳躍した。
「ぎゃぅ」
頭を思いっきりぶつけて、無様な声を出してしまった。
ティモールの嘲笑や魔術師たちの笑い声が聞こえた。
焦りと迫りくる炎の熱で下着はびちょびちょになり、
彼等を気にする余裕すら失われていた。
「左に飛びなさい。剛爆弩」
それと同時に左側に爆発音が響いた。
誠一は左に動いて、危地より脱出したが、
前方の見えない防壁をどうするか案がなかった。
「そのまま、突っ込んで、
二人の魔術師をのしなさい。飛電弓」
稲妻を纏った矢が何もないように
見える空間で停止した。
そして、そこに魔術紋を浮かび上がらせた瞬間、
ガラス細工のように砕け散った。
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