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40.中等部前期授業1
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初等部では、退学を希望した学生を除き、
全員が中等部に進級した。
いまだに怪我が完治していない学生は、
座学中心の講義と負担にならない程度の訓練で
講義が開始された。
「くそっ、これなら訓練の方がましだ。
頭が痛くなる。これ以上、考えるのは無理だ」
訓練が少ない代わりに膨大な課題の量に
辟易しているヴェルだった。
誠一もヴェルの愚痴を聞きながら、
頭を抱えていた。
量だけでなく、難度も高い課題であった。
誠一が中学、高校で学んできたことに
近し内容の課題は、流石にできるが、
アルフレートの知識を頼りする場合の課題は、
自分で学んだ訳ではないため、解答を
作成するのに時間がかかっていた。
参考書を読みながら、解答を
作成している気分であった。
「アルは科目によって、随分と速度が違うよな。
どんだけ偏った勉強をしてきたんだよ。
まっ、いいや。終わっている課題を見せて。ぐぎゃー」
ヴェルが絶叫した。
ヴェルの後ろにリシェーヌが立っていた。
「ヴェル、自分でやること。
間違っていたら、講師から戻されるだけ。
そして、どんどん課題が溜まるだけだから」
おっおうぅ、何て非情なことを言うんだ、この娘は。
と誠一は思った。
それは、週末の休日が無くなることを
意味していたからであった。
「ん?アル、何か言いたげだけど、どうしたの?
私も鬼じゃないから、ヒントくらいは教えるよ」
誠一の隣に座り、不思議そうに
答えるリシェーヌだった。
そして、誠一の課題を覗き込んだ。
拭き入れていないリシェーヌの汗の香りにどきりと
する誠一だった。
それを誤魔化そうとして、課題とは別の話題を振った。
「そう言えば、シエンナは、どうした?」
リシェーヌがくすりと笑って、答えた。
「補習だったと思う。
杖術の補習者が何人かいたけど、
そのうちの1人だったよ、多分。
最近、気合を入れているみたいだけど、
あんまりセンスないかも」
対面から、悲壮な表情でヴェルが訴えた。
「イチャラブもいいけど、頼むから、
課題を終わらせるヒントでいいからくれ。
二人のことは黙っているからさ」
誠一は何のことかわからずにポカンとしていたが、
リシェーヌが大そう慌てた仕草で尋ねた。
これほど余裕のない彼女を見るのは初めてであった。
「まっ、まさかとは思うけど、起きてた?」
「さっさあね?取り敢えず、
この課題のヒントを教えてからだな」
勝ち誇った表情でヴェルが課題を見せた。
誠一は何のことか分からなかったが、
知られたくない秘密で脅すようなことは好まなかった。
「ヴェル、それは良くないよ。
そう言うことに慣れると、将来、碌な事にならない。
最悪、ロジェさんやキャロリーヌさんに
相談しないとならなくなる」
ヴェルは面白くなさそうに俯いていた。
「まったく、そんなこと言わなくても
解る範囲でヒントくらいはちゃんと教えるわ。
後は自分で解きなさい」
ため息をついて、答えたリシェーヌだった。
誠一には何のことだが、さっぱりだったが、
課題に目を移し、再開した。
全員が中等部に進級した。
いまだに怪我が完治していない学生は、
座学中心の講義と負担にならない程度の訓練で
講義が開始された。
「くそっ、これなら訓練の方がましだ。
頭が痛くなる。これ以上、考えるのは無理だ」
訓練が少ない代わりに膨大な課題の量に
辟易しているヴェルだった。
誠一もヴェルの愚痴を聞きながら、
頭を抱えていた。
量だけでなく、難度も高い課題であった。
誠一が中学、高校で学んできたことに
近し内容の課題は、流石にできるが、
アルフレートの知識を頼りする場合の課題は、
自分で学んだ訳ではないため、解答を
作成するのに時間がかかっていた。
参考書を読みながら、解答を
作成している気分であった。
「アルは科目によって、随分と速度が違うよな。
どんだけ偏った勉強をしてきたんだよ。
まっ、いいや。終わっている課題を見せて。ぐぎゃー」
ヴェルが絶叫した。
ヴェルの後ろにリシェーヌが立っていた。
「ヴェル、自分でやること。
間違っていたら、講師から戻されるだけ。
そして、どんどん課題が溜まるだけだから」
おっおうぅ、何て非情なことを言うんだ、この娘は。
と誠一は思った。
それは、週末の休日が無くなることを
意味していたからであった。
「ん?アル、何か言いたげだけど、どうしたの?
私も鬼じゃないから、ヒントくらいは教えるよ」
誠一の隣に座り、不思議そうに
答えるリシェーヌだった。
そして、誠一の課題を覗き込んだ。
拭き入れていないリシェーヌの汗の香りにどきりと
する誠一だった。
それを誤魔化そうとして、課題とは別の話題を振った。
「そう言えば、シエンナは、どうした?」
リシェーヌがくすりと笑って、答えた。
「補習だったと思う。
杖術の補習者が何人かいたけど、
そのうちの1人だったよ、多分。
最近、気合を入れているみたいだけど、
あんまりセンスないかも」
対面から、悲壮な表情でヴェルが訴えた。
「イチャラブもいいけど、頼むから、
課題を終わらせるヒントでいいからくれ。
二人のことは黙っているからさ」
誠一は何のことかわからずにポカンとしていたが、
リシェーヌが大そう慌てた仕草で尋ねた。
これほど余裕のない彼女を見るのは初めてであった。
「まっ、まさかとは思うけど、起きてた?」
「さっさあね?取り敢えず、
この課題のヒントを教えてからだな」
勝ち誇った表情でヴェルが課題を見せた。
誠一は何のことか分からなかったが、
知られたくない秘密で脅すようなことは好まなかった。
「ヴェル、それは良くないよ。
そう言うことに慣れると、将来、碌な事にならない。
最悪、ロジェさんやキャロリーヌさんに
相談しないとならなくなる」
ヴェルは面白くなさそうに俯いていた。
「まったく、そんなこと言わなくても
解る範囲でヒントくらいはちゃんと教えるわ。
後は自分で解きなさい」
ため息をついて、答えたリシェーヌだった。
誠一には何のことだが、さっぱりだったが、
課題に目を移し、再開した。
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