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24.遺跡探索2
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「なっ、一旦、退避」
ロジェは慌てて、指示を出して、
キャロリーヌに先頭で誘導するように指示を出した。
煙に紛れて、異様な叫び声と咳き込みが響いてきた。
恐らく魔物が煙を吸い込んだのだろう。
燃える箇所は左程、大きくなかったのか、炎は暫くすると鎮火した。
「アルフレート!一体、どいうつつもりだ。
探索では小さなミスが大きな過失になるんだ。
特に炎は扱いに注意しろ。死ぬぞ」
ロジェが声を荒げて、誠一に怒鳴りつけた。
「兄貴、それは後々。前方にかなりの足音がするよ。どうする?」
妹の声で落ち着きを取り戻したのか、前方に集中した。
「ちっ。かなりの数だな。
こりゃ、ちょっと不味いな。
アルフレート、炎の魔術は使うなよ。
いいな。ヴェル、リシェーヌ、
シエンナ、アルフレート、補助魔術、主体にしろ」
「ギョギョギョギョ、ゴオオオォ」
異様な音が聞こえた。
ロジェの前に何十匹もの小鬼、
そして、それらの後方に倍近く大きさの小鬼が控えていた。
「くそったれ。一体、どういうことだ。
なんでこんなところにゴブリンマスターが居やがるんだ」
「兄貴、そんなこと言っている場合?前線は任せた」
キャロリーヌは、弓を放った。
魔術師の卵であったが、複数の補助魔術が
ロジェとキャロリーヌ、シエンナの護衛3人に
かけられていた。
2本の矢が二匹のゴブリンの喉に刺さった。
そして、その場に倒れると、
地面に吸収されるかのようにどろりと溶け出していた。
「キャロ、魔石は諦めるぞ。威嚇、倒しながら、後退だ」
ロジェが叫び、キャロリーヌが応じた。
ヴェルは短槍を握り直し、リシェーヌと誠一は、
後方で杖のような棍棒を構えた。
「きゃ」
短い悲鳴がシエンナから、発せられると、
彼女はその場に倒れた。
そして、護衛の1人に担ぎあげられると、
二人が周囲を警戒しながら、5人をその場に捨て置いて、
出口に向かって素早く動き出した。
「まじかよ、ないわーあいつらないわー」
ヴェルが唖然として、呟いた。
後方に目もくれず、状況を把握したロジェは、
愛用のツヴァイヘンダーを構え、微動だにしなかった。
「ヴェル、集中しろ。後方に敵がいたとしたら、
露払いくらいはするだろうよ。
それにあいつらはあくまで、あの娘の護衛であって、
俺たちの生存の優先順位は低い。来るぞー」
キャロリーヌは、己のスキルによって、
速射で矢を放った。
筋力、体力、視力、速度、弓、矢に施された魔術が本来、
足止め程度の威力から、ゴブリンに一撃で致命傷を
与える威力まで嵩上げされていた。
誠一は後方からキャロリーヌの威力より、
その着眼点に感心していた。
ロジェの正面に相対する敵でなく、まんべんなく左右の敵を
攻撃していた。
そのため、正面からロジェはツヴァインヘンダーで
1匹もしくは2匹とやり合う状況になっていた。
「オウラァラララー」
絶叫と共に振り回される剣は、ゴブリンの粗末な武器を
破壊し、そのまま、ゴブリンを叩き斬っていた。
ロジェには、筋力、体力、視力、速度、剣、鎧に
魔術が施されていた。
ゴブリンを倒しながら、隙をみて、後退を繰り返す一行。
魔術の効果は永続でなく、いずれは消失する。
「はあはあ、キャロ、前面にでろ。
魔術の効果があるうちにスキルを放て。
その隙に一気に後退する」
前面の二匹と叩き潰すと、ロジェは一旦、後方へ飛び退いた。
そして、入れ替わりにキャロリーヌが前面に飛び出すと、
いままでの速射と違い、一本の矢をつがえ、
渾身の力を込めて、弓を弾いた。
彼女の顔は、眉間に皺がより、青筋が立っていた。
「むぐっー。迸れ飛電弓」
放たれた矢は、稲妻のごとき輝きを
もって正面のゴブリンたちを貫通して、飛翔した。
そして、後方のゴブリンマスターに突き刺さった。
「でかした、キャロ。奴らの出足がにぶったぞ、
こいつはおまけだー。真空刃斬」
ゴブリンマスターには届かなったが、
前方にいるゴブリンを更に薙ぎ払い、四肢を飛散させた。
ロジェは慌てて、指示を出して、
キャロリーヌに先頭で誘導するように指示を出した。
煙に紛れて、異様な叫び声と咳き込みが響いてきた。
恐らく魔物が煙を吸い込んだのだろう。
燃える箇所は左程、大きくなかったのか、炎は暫くすると鎮火した。
「アルフレート!一体、どいうつつもりだ。
探索では小さなミスが大きな過失になるんだ。
特に炎は扱いに注意しろ。死ぬぞ」
ロジェが声を荒げて、誠一に怒鳴りつけた。
「兄貴、それは後々。前方にかなりの足音がするよ。どうする?」
妹の声で落ち着きを取り戻したのか、前方に集中した。
「ちっ。かなりの数だな。
こりゃ、ちょっと不味いな。
アルフレート、炎の魔術は使うなよ。
いいな。ヴェル、リシェーヌ、
シエンナ、アルフレート、補助魔術、主体にしろ」
「ギョギョギョギョ、ゴオオオォ」
異様な音が聞こえた。
ロジェの前に何十匹もの小鬼、
そして、それらの後方に倍近く大きさの小鬼が控えていた。
「くそったれ。一体、どういうことだ。
なんでこんなところにゴブリンマスターが居やがるんだ」
「兄貴、そんなこと言っている場合?前線は任せた」
キャロリーヌは、弓を放った。
魔術師の卵であったが、複数の補助魔術が
ロジェとキャロリーヌ、シエンナの護衛3人に
かけられていた。
2本の矢が二匹のゴブリンの喉に刺さった。
そして、その場に倒れると、
地面に吸収されるかのようにどろりと溶け出していた。
「キャロ、魔石は諦めるぞ。威嚇、倒しながら、後退だ」
ロジェが叫び、キャロリーヌが応じた。
ヴェルは短槍を握り直し、リシェーヌと誠一は、
後方で杖のような棍棒を構えた。
「きゃ」
短い悲鳴がシエンナから、発せられると、
彼女はその場に倒れた。
そして、護衛の1人に担ぎあげられると、
二人が周囲を警戒しながら、5人をその場に捨て置いて、
出口に向かって素早く動き出した。
「まじかよ、ないわーあいつらないわー」
ヴェルが唖然として、呟いた。
後方に目もくれず、状況を把握したロジェは、
愛用のツヴァイヘンダーを構え、微動だにしなかった。
「ヴェル、集中しろ。後方に敵がいたとしたら、
露払いくらいはするだろうよ。
それにあいつらはあくまで、あの娘の護衛であって、
俺たちの生存の優先順位は低い。来るぞー」
キャロリーヌは、己のスキルによって、
速射で矢を放った。
筋力、体力、視力、速度、弓、矢に施された魔術が本来、
足止め程度の威力から、ゴブリンに一撃で致命傷を
与える威力まで嵩上げされていた。
誠一は後方からキャロリーヌの威力より、
その着眼点に感心していた。
ロジェの正面に相対する敵でなく、まんべんなく左右の敵を
攻撃していた。
そのため、正面からロジェはツヴァインヘンダーで
1匹もしくは2匹とやり合う状況になっていた。
「オウラァラララー」
絶叫と共に振り回される剣は、ゴブリンの粗末な武器を
破壊し、そのまま、ゴブリンを叩き斬っていた。
ロジェには、筋力、体力、視力、速度、剣、鎧に
魔術が施されていた。
ゴブリンを倒しながら、隙をみて、後退を繰り返す一行。
魔術の効果は永続でなく、いずれは消失する。
「はあはあ、キャロ、前面にでろ。
魔術の効果があるうちにスキルを放て。
その隙に一気に後退する」
前面の二匹と叩き潰すと、ロジェは一旦、後方へ飛び退いた。
そして、入れ替わりにキャロリーヌが前面に飛び出すと、
いままでの速射と違い、一本の矢をつがえ、
渾身の力を込めて、弓を弾いた。
彼女の顔は、眉間に皺がより、青筋が立っていた。
「むぐっー。迸れ飛電弓」
放たれた矢は、稲妻のごとき輝きを
もって正面のゴブリンたちを貫通して、飛翔した。
そして、後方のゴブリンマスターに突き刺さった。
「でかした、キャロ。奴らの出足がにぶったぞ、
こいつはおまけだー。真空刃斬」
ゴブリンマスターには届かなったが、
前方にいるゴブリンを更に薙ぎ払い、四肢を飛散させた。
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