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12.医務室
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誠一は、医務室のベッドに寝かされていた。
気を失って3時間ほどが経っていた。
目が覚め、瞳を開くと斜陽が目に差した。
陽の光は鈍かったために、視界を奪うほどではなく、
ゆっくりと周囲を見渡した。
「誰かいませんか?」
誰もいないのか返ってくる言葉はなかった。
代わりに部屋に一陣の風が舞った。
そして、誠一の前に大賢者、
ファウスティノ・ソリベス・セドゥが立っていた。
「ふむ、外傷、内傷共に無さそうであるな。
気分はどうであろうか?」
「特に問題ありません」
「そうであるか、ならば、少し話を続けさせてもらおう。
アルフレート君、君は先ほどの模擬戦で啓示を受けていたね」
その言葉に誠一は、警戒した。そして、黙り込んだ。
啓示の内容を学院長に話すべきかどうか
迷っていたためであった。
悪魔付き、狂戦士、悪の使徒、狂信者、
そういった類に見なされれば、良くて幽閉の憂き目に
最悪、処刑されることはアルフレートの記憶から
知っていたからであった。
「ふう、何も君を狂信者として扱うつもりは
ないのじゃがのう。少し話そうかの。
さすれば、少しは話す気になるかもしれぬしな」
「この世界で多くの民に信仰されている神々、
いわゆる6神は知っておるな。
啓示とは精霊神を含むそういった神々からの
お告げと広く理解されておる」
誠一は理解していることを示すために頷いた。
「そして、それらの神々と同列にある魔神、邪神の類からの
啓示を受ける者たちもいる。
それが悪魔付きやら狂戦士と呼ばれ、
信者や魔物を率いて、国々に侵攻してくる」
誠一は理解していることを示すために再度、頷いた。
「ふむ、前評判通り、よく学んでおるな。
では本題に入ろう。
この広く流布されている説は、啓示を研究すればするほど、
神と人の乖離を感じざるを得ない。
生臭坊主どもの商売のネタ元だから、
教会の連中は啓示を最もらしく神と紐づけしているがのう」
学院長はにやりとした。誠一は、驚いていた。
世界の理を真っ向から否定しているような発言に
どう答えていいのか分からなかった。
この世界でこんなことを言おうものなら、
珍説として扱われ、6神の教会からとんでもない攻撃を
受けるであろうことは容易に想像できた。
「この世界には名もなき八百万の神々が
おわすに違いないと思っておるがのぅ。
名を知られぬ神々の気まぐれが
啓示であろうとわしは睨んでおる。
神々に善悪の判断がないから、時に人からすれば、
とんでもない啓示があるのだろうと思うておる。
そうだのう、先ほど、アルフレート君が
受けたような啓示がのう」
高々、ゲームのNPCごときがゲームシステムの骨幹部を
言葉は違えど、ここまで考察できるものだろうか。
八百万の神々をゲームプレーヤーに見立てれば、
しっくりくる。
恐ろしいまでの学院長の洞察力により、
アルフレートに潜む自分の存在が暴かれないか恐れた。
そして、誠一は、これほどの人物がいるここが
本当にゲームの世界であるかどうか混乱してしまった。
気を失って3時間ほどが経っていた。
目が覚め、瞳を開くと斜陽が目に差した。
陽の光は鈍かったために、視界を奪うほどではなく、
ゆっくりと周囲を見渡した。
「誰かいませんか?」
誰もいないのか返ってくる言葉はなかった。
代わりに部屋に一陣の風が舞った。
そして、誠一の前に大賢者、
ファウスティノ・ソリベス・セドゥが立っていた。
「ふむ、外傷、内傷共に無さそうであるな。
気分はどうであろうか?」
「特に問題ありません」
「そうであるか、ならば、少し話を続けさせてもらおう。
アルフレート君、君は先ほどの模擬戦で啓示を受けていたね」
その言葉に誠一は、警戒した。そして、黙り込んだ。
啓示の内容を学院長に話すべきかどうか
迷っていたためであった。
悪魔付き、狂戦士、悪の使徒、狂信者、
そういった類に見なされれば、良くて幽閉の憂き目に
最悪、処刑されることはアルフレートの記憶から
知っていたからであった。
「ふう、何も君を狂信者として扱うつもりは
ないのじゃがのう。少し話そうかの。
さすれば、少しは話す気になるかもしれぬしな」
「この世界で多くの民に信仰されている神々、
いわゆる6神は知っておるな。
啓示とは精霊神を含むそういった神々からの
お告げと広く理解されておる」
誠一は理解していることを示すために頷いた。
「そして、それらの神々と同列にある魔神、邪神の類からの
啓示を受ける者たちもいる。
それが悪魔付きやら狂戦士と呼ばれ、
信者や魔物を率いて、国々に侵攻してくる」
誠一は理解していることを示すために再度、頷いた。
「ふむ、前評判通り、よく学んでおるな。
では本題に入ろう。
この広く流布されている説は、啓示を研究すればするほど、
神と人の乖離を感じざるを得ない。
生臭坊主どもの商売のネタ元だから、
教会の連中は啓示を最もらしく神と紐づけしているがのう」
学院長はにやりとした。誠一は、驚いていた。
世界の理を真っ向から否定しているような発言に
どう答えていいのか分からなかった。
この世界でこんなことを言おうものなら、
珍説として扱われ、6神の教会からとんでもない攻撃を
受けるであろうことは容易に想像できた。
「この世界には名もなき八百万の神々が
おわすに違いないと思っておるがのぅ。
名を知られぬ神々の気まぐれが
啓示であろうとわしは睨んでおる。
神々に善悪の判断がないから、時に人からすれば、
とんでもない啓示があるのだろうと思うておる。
そうだのう、先ほど、アルフレート君が
受けたような啓示がのう」
高々、ゲームのNPCごときがゲームシステムの骨幹部を
言葉は違えど、ここまで考察できるものだろうか。
八百万の神々をゲームプレーヤーに見立てれば、
しっくりくる。
恐ろしいまでの学院長の洞察力により、
アルフレートに潜む自分の存在が暴かれないか恐れた。
そして、誠一は、これほどの人物がいるここが
本当にゲームの世界であるかどうか混乱してしまった。
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