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11.閑話 とある会社の情景2
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「ふう、終わったー」
後は経理部長の処理のみであった。
ふと、外を見ると雨が降っていた。
そして何故か島崎が傘を差して、歩いて来るのが見えた。
さっさと帰ろう。
嫌な予感がして、千晴は、足早に更衣室に向かった。
社員用の入退場ドアから、急いで退室しようとすると、
雨に濡れた島崎がいた。
何故いるのか疑問だったが、おつかれさまと言い、
彼の横切ろうとした。
シャツが濡れていたためか、彼の周囲が何となく湿度が
高いような気がした。
ムッとする臭いは、加齢臭とその服の湿り気のためであろう。
千晴は異臭に鼻を摘まんだ。
「きみぃーそれは失礼じゃないか?
部下が遅くまで仕事をしいるから心配で
戻ってきたんだお」
島崎はそう言って、千晴の右肩を力任せに掴んだ。
弛んだ身体の糞のような奴だが、学生時代は体育会系で
鍛えていたために力は強かった。
「ふむ、少し教育的指導が必要だな。
幸い君は一人だろう。
たまにはこういったことがひつようではないかな?」
千晴は持っていたバックを両手で掴み、
めちゃくちゃに振り回した。
「ぎゃ」
鍛えようにも鍛えることの出来ない部分に
それはヒットした。
千晴は体勢を整えると内股になって呻いている男の横を
走って抜け出した。
マンションに到着すると、明りも灯さずに椅子に座り、
千晴は泣いていた。
何で自分だけ、そんな思いと襲われた恐怖に身体が震えていた。
何もする気が起きずに何となくコンピューターを
起動させ、ネットワークに接続すると、
今、話題になっている
VRゲーム「森の国編 ヴェルトゥール王国戦記」の宣伝が
視界に入った。
普段、ゲームなどしない千晴だったが、
何となくぽちっとクリックして、
サイトにアクセスしていた。
気を紛らわすために始めるとキャラクター作成で
基本能力SSRを引いた。
出自はエスターライヒ伯爵家であった。
名前をアルフレートと入力して、第一職種を「魔術師」とした。
すると、アルフレート・フォン・エスターライヒと
正式名称が確定した。
適当に能力を振り分けると、ゲームのチュートリアルが
開始された。
プレイヤーにはどうやら人物鑑定眼があるようで
略歴等を見られるようであった。
設定画面でアルフレートの略歴を読むと、
理想の嫡子そのものであった。
NPCの略歴も見られるようでポチポチと略歴を読んでいくと、
アルフレートの付き人のマリアが目に留まった。
「ふん、私と全然、違う。幸せの絶頂って感じよね」
婚約して、結婚も間近に控え、アルフレートに
姉の様に慕われており、同僚や上司からの評判もすこぶる良い。
アルフレートの略歴にもイラッとしたが、
この女の略歴にもイライラした。
千晴はモニターを前に暗い笑いを浮かべながら、書き込んだ。
「マリアを犯せ」
アルフレートが命令に抵抗しているように千晴には見えた。
再度、書き込んだ。
「犯せ、朝まで犯せ。体力の続く限り犯せ」
アルフレートが何かを言っているようだだったが、
突然、人形の様に弛緩すると、マリアに襲いかかった。
アルフレート共々、堕ちよ。
そんな負の感情に身を委ねる千晴だった。
泣き叫ぶマリア、喜び狂うアルフレート、
想像以上の生々しい状況に気持ち悪くなり、
そして画面越しにマリアの必死の訴えが聞えるようで、
気味が悪くなってしまった。
最後に適当な書き込みをして、千晴はゲームを閉じた。
「刃向かう者は、容赦なく倒せ。
全力をもって完膚なきまで叩き潰せ」
「所詮、ゲームだよね。気にしなくてもいいや」
後味の悪い気分であったが、シャワーを浴びて、
ベッドに倒れるといつの間にか寝てしまった。
後は経理部長の処理のみであった。
ふと、外を見ると雨が降っていた。
そして何故か島崎が傘を差して、歩いて来るのが見えた。
さっさと帰ろう。
嫌な予感がして、千晴は、足早に更衣室に向かった。
社員用の入退場ドアから、急いで退室しようとすると、
雨に濡れた島崎がいた。
何故いるのか疑問だったが、おつかれさまと言い、
彼の横切ろうとした。
シャツが濡れていたためか、彼の周囲が何となく湿度が
高いような気がした。
ムッとする臭いは、加齢臭とその服の湿り気のためであろう。
千晴は異臭に鼻を摘まんだ。
「きみぃーそれは失礼じゃないか?
部下が遅くまで仕事をしいるから心配で
戻ってきたんだお」
島崎はそう言って、千晴の右肩を力任せに掴んだ。
弛んだ身体の糞のような奴だが、学生時代は体育会系で
鍛えていたために力は強かった。
「ふむ、少し教育的指導が必要だな。
幸い君は一人だろう。
たまにはこういったことがひつようではないかな?」
千晴は持っていたバックを両手で掴み、
めちゃくちゃに振り回した。
「ぎゃ」
鍛えようにも鍛えることの出来ない部分に
それはヒットした。
千晴は体勢を整えると内股になって呻いている男の横を
走って抜け出した。
マンションに到着すると、明りも灯さずに椅子に座り、
千晴は泣いていた。
何で自分だけ、そんな思いと襲われた恐怖に身体が震えていた。
何もする気が起きずに何となくコンピューターを
起動させ、ネットワークに接続すると、
今、話題になっている
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視界に入った。
普段、ゲームなどしない千晴だったが、
何となくぽちっとクリックして、
サイトにアクセスしていた。
気を紛らわすために始めるとキャラクター作成で
基本能力SSRを引いた。
出自はエスターライヒ伯爵家であった。
名前をアルフレートと入力して、第一職種を「魔術師」とした。
すると、アルフレート・フォン・エスターライヒと
正式名称が確定した。
適当に能力を振り分けると、ゲームのチュートリアルが
開始された。
プレイヤーにはどうやら人物鑑定眼があるようで
略歴等を見られるようであった。
設定画面でアルフレートの略歴を読むと、
理想の嫡子そのものであった。
NPCの略歴も見られるようでポチポチと略歴を読んでいくと、
アルフレートの付き人のマリアが目に留まった。
「ふん、私と全然、違う。幸せの絶頂って感じよね」
婚約して、結婚も間近に控え、アルフレートに
姉の様に慕われており、同僚や上司からの評判もすこぶる良い。
アルフレートの略歴にもイラッとしたが、
この女の略歴にもイライラした。
千晴はモニターを前に暗い笑いを浮かべながら、書き込んだ。
「マリアを犯せ」
アルフレートが命令に抵抗しているように千晴には見えた。
再度、書き込んだ。
「犯せ、朝まで犯せ。体力の続く限り犯せ」
アルフレートが何かを言っているようだだったが、
突然、人形の様に弛緩すると、マリアに襲いかかった。
アルフレート共々、堕ちよ。
そんな負の感情に身を委ねる千晴だった。
泣き叫ぶマリア、喜び狂うアルフレート、
想像以上の生々しい状況に気持ち悪くなり、
そして画面越しにマリアの必死の訴えが聞えるようで、
気味が悪くなってしまった。
最後に適当な書き込みをして、千晴はゲームを閉じた。
「刃向かう者は、容赦なく倒せ。
全力をもって完膚なきまで叩き潰せ」
「所詮、ゲームだよね。気にしなくてもいいや」
後味の悪い気分であったが、シャワーを浴びて、
ベッドに倒れるといつの間にか寝てしまった。
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