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森の獣 3章 諸国動乱の刻。暗躍する者たち編
外交官(稲生)
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「敵か味方かもわからぬような戦場だ。
お互いの多少のいざこざは大目に見てくれ」
黄金の鬣に隆々たる筋肉、手の先の爪は、
武器を必要としないような鋭さであった。
そして、続けた、
「ヘーグマン、貴様らもこの人攫いの
集落の壊滅に動いたのか?
ここは我らが連合王国とベルトゥル公国との緩衝地帯だ。
確かに貴様らがいてもおかしくはないな」
「我々は、噂に上がっている遺跡の探索のためだ。
死体からめぼしいものを物色している他の冒険者と
さして変わらんよ」
アデリナも彼らに近づき、事情を説明した。
「なるほど、遺跡調査か。ならば、ここは退いて貰おう。
我々はこいつらのためにかなりの被害が出ているのでな。
そして、連合の諸侯から、かなりの数の人員が
冒険者に扮してここを調べていたのでな」
高圧的な態度にアデリナは、態度を硬化させる素振りをした。
「それに従う義務はないな。そもそもアレをどうするつもりだ?」
「ふん、それ次第ということか。
アレはどうもせん。
アレに餌を与えて、神とあがめていた連中を
殲滅するだけだ。
あんなものどうにもできないだろう。
餌を積極的に与える者がいなければ、
そのうち腹を空かせて死ぬか、どうかなるだろうよ。
知ったことか」
黄金の鬣の獣人が吐き捨てるように言うと、
周りの連中も賛同した。
「確かにな。何もしなければ、恐らく迷い込んだ動物でも
飲み込んで生き永らえるんだろうな。
さて、九之池、我々はどうする?
公国への報告は貴様がするんだろう」
アデリナが九之池に結論を求めた。
いつの間に周囲に稲生やルージェナ、冒険者たちが集まっていた。
「えっ、僕が?なんで、そもそも連合王国とか、
ちょっと事情が掴めないんだけど。
稲生さん、どうします?」
アデリナから投げられたことをそのまま、
稲生にスルーした。
「えっ、私が?それは困ります。
こういう状況とはいえ、ベルトゥル公国と
連合王国の約定に他国の私が口を挟むことは
問題になりますので、九之池さん、よろしく」
稲生から、九之池にボールが投げ返された。
どうにもこうにも良案が浮かばない九之池は
皆の視線を一身に浴びて、毎度のことながら、
全身汗まみれなっていた。
黄金の鬣の獣人は、九之池たちの永遠に
続くかのような押し問答に我慢できなくなったのか、
咆哮した。そして、言った
「おい、そこの豚、貴様が決めろ。
貴様がベルトゥル公国の代理なんだろう。
さっさとしろ」
「ひいっー」
獣人の威圧感と逃れられぬ責任に九之池は、
悲鳴を上げてしまった。
「おい、そこのエルフ、本当にこいつが
代理でいいんだよな?」
九之池の情けない姿に流石に少し心配になったのか、
獣人の1人がアデリナに確認をとった。
「そうだ、この男だ。
九之池は、貴族に列せられるため、
この中で最も地位が高いし、
他国の者が二か国の間のことに口を挟む訳にはいかないだろう。
約定の成立には立ち会うがな」
「あい、分かった。
九之池とやら、さっさと、ベルトゥル公国の見解と
今後に関して、答えろ」
「かっ帰ります。遺跡でゲットしたお宝を持って、帰ります。
あとの件は、知りません。
殲滅にも関わりませんし、遺跡にもかかわりません」
九之池は一気呵成に叫んだ。
そして、遺跡には一切、関わらないこと明言した。
黄金の鬣の獣人は、その言葉ににやりとした。
「その言葉を忘れるなよ、九之池。俺の名は、フェルビだ。」
こくこくと頷く九之池だったが、若干の緊張が
解けたのか内心、別のことを考えていた。
こんなの獣人じゃな無い。
猫耳がいないじゃん。詐欺だ!
何となくだが、稲生には九之池が囚われていることが
分かってしまった。
お互いの多少のいざこざは大目に見てくれ」
黄金の鬣に隆々たる筋肉、手の先の爪は、
武器を必要としないような鋭さであった。
そして、続けた、
「ヘーグマン、貴様らもこの人攫いの
集落の壊滅に動いたのか?
ここは我らが連合王国とベルトゥル公国との緩衝地帯だ。
確かに貴様らがいてもおかしくはないな」
「我々は、噂に上がっている遺跡の探索のためだ。
死体からめぼしいものを物色している他の冒険者と
さして変わらんよ」
アデリナも彼らに近づき、事情を説明した。
「なるほど、遺跡調査か。ならば、ここは退いて貰おう。
我々はこいつらのためにかなりの被害が出ているのでな。
そして、連合の諸侯から、かなりの数の人員が
冒険者に扮してここを調べていたのでな」
高圧的な態度にアデリナは、態度を硬化させる素振りをした。
「それに従う義務はないな。そもそもアレをどうするつもりだ?」
「ふん、それ次第ということか。
アレはどうもせん。
アレに餌を与えて、神とあがめていた連中を
殲滅するだけだ。
あんなものどうにもできないだろう。
餌を積極的に与える者がいなければ、
そのうち腹を空かせて死ぬか、どうかなるだろうよ。
知ったことか」
黄金の鬣の獣人が吐き捨てるように言うと、
周りの連中も賛同した。
「確かにな。何もしなければ、恐らく迷い込んだ動物でも
飲み込んで生き永らえるんだろうな。
さて、九之池、我々はどうする?
公国への報告は貴様がするんだろう」
アデリナが九之池に結論を求めた。
いつの間に周囲に稲生やルージェナ、冒険者たちが集まっていた。
「えっ、僕が?なんで、そもそも連合王国とか、
ちょっと事情が掴めないんだけど。
稲生さん、どうします?」
アデリナから投げられたことをそのまま、
稲生にスルーした。
「えっ、私が?それは困ります。
こういう状況とはいえ、ベルトゥル公国と
連合王国の約定に他国の私が口を挟むことは
問題になりますので、九之池さん、よろしく」
稲生から、九之池にボールが投げ返された。
どうにもこうにも良案が浮かばない九之池は
皆の視線を一身に浴びて、毎度のことながら、
全身汗まみれなっていた。
黄金の鬣の獣人は、九之池たちの永遠に
続くかのような押し問答に我慢できなくなったのか、
咆哮した。そして、言った
「おい、そこの豚、貴様が決めろ。
貴様がベルトゥル公国の代理なんだろう。
さっさとしろ」
「ひいっー」
獣人の威圧感と逃れられぬ責任に九之池は、
悲鳴を上げてしまった。
「おい、そこのエルフ、本当にこいつが
代理でいいんだよな?」
九之池の情けない姿に流石に少し心配になったのか、
獣人の1人がアデリナに確認をとった。
「そうだ、この男だ。
九之池は、貴族に列せられるため、
この中で最も地位が高いし、
他国の者が二か国の間のことに口を挟む訳にはいかないだろう。
約定の成立には立ち会うがな」
「あい、分かった。
九之池とやら、さっさと、ベルトゥル公国の見解と
今後に関して、答えろ」
「かっ帰ります。遺跡でゲットしたお宝を持って、帰ります。
あとの件は、知りません。
殲滅にも関わりませんし、遺跡にもかかわりません」
九之池は一気呵成に叫んだ。
そして、遺跡には一切、関わらないこと明言した。
黄金の鬣の獣人は、その言葉ににやりとした。
「その言葉を忘れるなよ、九之池。俺の名は、フェルビだ。」
こくこくと頷く九之池だったが、若干の緊張が
解けたのか内心、別のことを考えていた。
こんなの獣人じゃな無い。
猫耳がいないじゃん。詐欺だ!
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分かってしまった。
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