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森の獣 3章 諸国動乱の刻。暗躍する者たち編
拉致(才籐)
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九之池が覚醒し、変貌する時より
遡ること2か月前、バルザースの帝都の
アンカシオン教会にて、
一つの治療、儀式が行われていた。
教会の深部の一室に木の棒を
口に咥えさせられて、動けぬように
ベッドに縄でしばられている男がいた。
「むぐむぐ、むぐー」
何かを訴えようと必死に声を
出そうとするが、その声は、言葉にならず、
くぐもった音を奏でるだけだった。
「皇子、すまぬが、接合をするにあったって、
この男の脚をこの辺りまで、斬って欲しい」
と教会関係者の一人であろう女性が伝え、
切り取る位置を脚に塗料で指示した。
「ふむ、了解しました。
しかし、これは、下半身を丸裸に
せざるを得ませんね。
ここは女性方より私がする方がいいでしょう」
とにこやかに皇子が言い、
縄で縛りつけられている男の下着に手をかけた。
「むぐーむぅーむぐむぐー」
何かを伝えようと必死な涙目の男。
「才籐、諦めてください。これも試練です」
やつれた表情のメープルが才籐をなだめた。
「むぐむぐむぐー
(皇子、触るな、変なところに触るな。
さっさと脱がすなら脱がせ)」
とゆっくりねっとりと至る所に触れながら、
下着を下ろす皇子に才藤は伝えようとした。
「ふーむ、成年男児だけに
少し筋肉が固いですが、これはこれで」
と嬉々なる皇子。
「皇子、いい加減にしてください。
後の予定もありますので。
急ぎましょう。
私も忙しい身なれば、
そう言わざるを得ません」
と言って、メープルは、才籐のものを
一瞥すると、さっと、下着を剥ぎ取った。
「むぐむぐ、むむっー
(司祭が忙しいのは、
稲生と逢引するためだろうっ!
なんか腹部にかけてくれー)」
「これはすみませんでした。
残念ですが、司祭、次の作業に入りましょう」
と名残惜しそうに才籐のものを
見つめながら、言った。
「もて期到来だな、才籐。う
れしいだろうっ。うりうりー」
と言って、才籐の頬を人差し指で
押すビルギットだった。
「むっむぐむぐー
(嬉しくねーよ。
それより、俺はまだ、了解してねーぞ。
詳細を説明しろー)」
「才籐もこの儀式に興奮しているようだし、
さっさとと始めるかな。
メープル、段取りは問題ないな?」
とルナリオンがメープルに最終確認をした。
薄暗い部屋には似合わないほどの
にこやかな表情をする皇子、ルナリオン、ビルギット、
疲れた表情のメープル、そして、落ち着きのない才籐がいた。
才籐に気のある皇子はその欲望を満たし、
老公の奇跡をまた、見ることが出来る事へ
期待を膨らますルナリオン、
魔晶の実験と才籐の脚が補助されることを
喜ぶビルギット、
三者三葉の思いが三人をにこやかにした。
メープルは連日の稲生との逢引からか、
この重要な儀式において、寝不足気味のために
疲れた表情であった。
才籐は回答を引き延ばしていたら、
突然、この深部の部屋へ拉致され、
儀式が始まり、不安に駆られていた。
もちろん、下半身を4名に
観察されていることが拍車をかけていた。
遡ること2か月前、バルザースの帝都の
アンカシオン教会にて、
一つの治療、儀式が行われていた。
教会の深部の一室に木の棒を
口に咥えさせられて、動けぬように
ベッドに縄でしばられている男がいた。
「むぐむぐ、むぐー」
何かを訴えようと必死に声を
出そうとするが、その声は、言葉にならず、
くぐもった音を奏でるだけだった。
「皇子、すまぬが、接合をするにあったって、
この男の脚をこの辺りまで、斬って欲しい」
と教会関係者の一人であろう女性が伝え、
切り取る位置を脚に塗料で指示した。
「ふむ、了解しました。
しかし、これは、下半身を丸裸に
せざるを得ませんね。
ここは女性方より私がする方がいいでしょう」
とにこやかに皇子が言い、
縄で縛りつけられている男の下着に手をかけた。
「むぐーむぅーむぐむぐー」
何かを伝えようと必死な涙目の男。
「才籐、諦めてください。これも試練です」
やつれた表情のメープルが才籐をなだめた。
「むぐむぐむぐー
(皇子、触るな、変なところに触るな。
さっさと脱がすなら脱がせ)」
とゆっくりねっとりと至る所に触れながら、
下着を下ろす皇子に才藤は伝えようとした。
「ふーむ、成年男児だけに
少し筋肉が固いですが、これはこれで」
と嬉々なる皇子。
「皇子、いい加減にしてください。
後の予定もありますので。
急ぎましょう。
私も忙しい身なれば、
そう言わざるを得ません」
と言って、メープルは、才籐のものを
一瞥すると、さっと、下着を剥ぎ取った。
「むぐむぐ、むむっー
(司祭が忙しいのは、
稲生と逢引するためだろうっ!
なんか腹部にかけてくれー)」
「これはすみませんでした。
残念ですが、司祭、次の作業に入りましょう」
と名残惜しそうに才籐のものを
見つめながら、言った。
「もて期到来だな、才籐。う
れしいだろうっ。うりうりー」
と言って、才籐の頬を人差し指で
押すビルギットだった。
「むっむぐむぐー
(嬉しくねーよ。
それより、俺はまだ、了解してねーぞ。
詳細を説明しろー)」
「才籐もこの儀式に興奮しているようだし、
さっさとと始めるかな。
メープル、段取りは問題ないな?」
とルナリオンがメープルに最終確認をした。
薄暗い部屋には似合わないほどの
にこやかな表情をする皇子、ルナリオン、ビルギット、
疲れた表情のメープル、そして、落ち着きのない才籐がいた。
才籐に気のある皇子はその欲望を満たし、
老公の奇跡をまた、見ることが出来る事へ
期待を膨らますルナリオン、
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喜ぶビルギット、
三者三葉の思いが三人をにこやかにした。
メープルは連日の稲生との逢引からか、
この重要な儀式において、寝不足気味のために
疲れた表情であった。
才籐は回答を引き延ばしていたら、
突然、この深部の部屋へ拉致され、
儀式が始まり、不安に駆られていた。
もちろん、下半身を4名に
観察されていることが拍車をかけていた。
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