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森の獣 3章 諸国動乱の刻。暗躍する者たち編
評価される(九之池)
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レズェエフ王国軍本陣付近にて。
「くはっ、ついに覚醒したよ。
これで、素体は確定だね。
他の二人がカスだったから、
不安だったけど、これは相当な強度だね。
どうどう、ねえ、どう?」
「ふむ、確かにあれならば、
降臨に耐えうる素体である。
しかし、あの容姿では、老公の逆鱗に
触れるのではないか。
あれなら、稲生や才籐を用いるべきではないか。
それにあの男には知性の欠片も感じない。
老公の知見に何かしらの影響がでるのでは。
あまりにも無能ではないか。
素体の影響が引き戻した魂に
何かしらの影響があると考えるべきではないか」
「まじめだねぇ。僕たちに必要なのは、
老公の知識と経験であって、人格ではないよぉ。
そもそも老公の魂を引き戻したりなんてしたら、
どうなると思う?殺されちゃうよ。
それよりも老公の持つ知識を有効活用しようぉ。
納得していないのは、君だけだよ」
「しかし、老公の創造は彼あってのものであり、
知識と経験だけでは、どうにも模倣に
しかならないのでは。そこはどう、」
「あーもう、ぶつぶつとうるさいなぁ。
そんなの自分で創造すれば、いいじゃんよ。
君だってできるでしょ。あの老公を殺害した
君の最高傑作の獣を老公の知識と経験を
利用して、更に至上の獣を目指せばいいじゃん」
「ふむ、それも一興。一先ずは貴様に協力しよう」
ふらふらと坂を上る九之池の前に
蒼白い12槍の炎が迎えた。
「九之池さん、正気にもどってください。
それ以上、進むなら、放ちますよ」
とルージェナが言うが、歩みを止めない九之池だった。
ルージェナは顔を背けて、
「ごめんなさい」と言うと、
1槍を九之池の右腿に向けて放った。
九之池の右腿に火傷を負わす程度であった。
ルージェナは驚き、目を見開いた。
「ふぉふぉ、ルージェナ、下りなさい。
今の九之池殿には、炎の魔術は
効きにくいのでしょう」
と言って、ヘーグマンが大剣を構えていた。
いつもの綺麗な色の剣でなく、刃がどす黒、濁っていた。
「ヘーグマンさん、その剣は?」
「ふむ、この剣の元の持ち主は、魔人でした。
普段でも相当な切れ味ですが、血を吸うと
鉄でも紙のように切れる様になります。
ここの戦場で、久しぶりに十分な血を
啜ったのでしょうな。切れ味抜群ですよ」
と言って、笑った。
「くはっ、ついに覚醒したよ。
これで、素体は確定だね。
他の二人がカスだったから、
不安だったけど、これは相当な強度だね。
どうどう、ねえ、どう?」
「ふむ、確かにあれならば、
降臨に耐えうる素体である。
しかし、あの容姿では、老公の逆鱗に
触れるのではないか。
あれなら、稲生や才籐を用いるべきではないか。
それにあの男には知性の欠片も感じない。
老公の知見に何かしらの影響がでるのでは。
あまりにも無能ではないか。
素体の影響が引き戻した魂に
何かしらの影響があると考えるべきではないか」
「まじめだねぇ。僕たちに必要なのは、
老公の知識と経験であって、人格ではないよぉ。
そもそも老公の魂を引き戻したりなんてしたら、
どうなると思う?殺されちゃうよ。
それよりも老公の持つ知識を有効活用しようぉ。
納得していないのは、君だけだよ」
「しかし、老公の創造は彼あってのものであり、
知識と経験だけでは、どうにも模倣に
しかならないのでは。そこはどう、」
「あーもう、ぶつぶつとうるさいなぁ。
そんなの自分で創造すれば、いいじゃんよ。
君だってできるでしょ。あの老公を殺害した
君の最高傑作の獣を老公の知識と経験を
利用して、更に至上の獣を目指せばいいじゃん」
「ふむ、それも一興。一先ずは貴様に協力しよう」
ふらふらと坂を上る九之池の前に
蒼白い12槍の炎が迎えた。
「九之池さん、正気にもどってください。
それ以上、進むなら、放ちますよ」
とルージェナが言うが、歩みを止めない九之池だった。
ルージェナは顔を背けて、
「ごめんなさい」と言うと、
1槍を九之池の右腿に向けて放った。
九之池の右腿に火傷を負わす程度であった。
ルージェナは驚き、目を見開いた。
「ふぉふぉ、ルージェナ、下りなさい。
今の九之池殿には、炎の魔術は
効きにくいのでしょう」
と言って、ヘーグマンが大剣を構えていた。
いつもの綺麗な色の剣でなく、刃がどす黒、濁っていた。
「ヘーグマンさん、その剣は?」
「ふむ、この剣の元の持ち主は、魔人でした。
普段でも相当な切れ味ですが、血を吸うと
鉄でも紙のように切れる様になります。
ここの戦場で、久しぶりに十分な血を
啜ったのでしょうな。切れ味抜群ですよ」
と言って、笑った。
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