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森の獣 3章 諸国動乱の刻。暗躍する者たち編

任務拝命(九ノ池)

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「黒豚。討伐メンバーを集めて、廃村の件を解決しろ」
とシリア卿が二人を前に宣言した。

九之池は、黒豚が何を指してしるか分からず、
ポカンとしていた。
ルージェナは何となく察したが、
出しゃばるのを控えて、シリア卿の次の発言を待った。

「おい、貴様、何を呆けているんだ?
貴様の冒険者ギルドでの通称だろうが!」
といらいらが募るシリア卿。

九之池は理解が追い付いたのか、反応した。
「はっ?チーム名は決めましたが、違う名前ですよ。
漆黒の翼を持つ猛き猪というのがチーム名ですけど?
そもそも黒豚なんて、自分でつける訳ないでしょ」
九之池に論破され、混乱するシリア卿。

「はっ?確かにそうだな。
おい、貴様、なめているのか?なぜ、ギルドで否定しない?」

「えーめんどくさいじゃん。
そこそこに有名だし、まあ、いいかなって感じで」
と飄々と答える九之池。

なぜか九ノ池は、シリア卿をいらいらさせることに
長けている。
シリア卿は、九之池を見つめ、何かを唱えだした。

「ギャアアーぎゃぁぁーぎゃあぎゃお」
と叫び、その場で床をのたうち回る九之池。

その姿を見て、シリア卿は、陰険な笑いを
浮かべて、言った。
「ふん、床を転がり回る貴様には、黒豚が似合いだな。
俺は間違っていなかった。おい、金はやる。
さっさと廃村の件を終わらせてこい。
いいか、ヘーグマンを付ける。
失敗したら、貴様の苦しみは、こんなもんじゃないからな。
さっさと、行け」

九之池に肩を貸すルージェナは無言でシリア卿を
睨みつけて、九之池を助ながら、執務室を出た。

「九之池さん、絶対にあれ、わざと言いましたよね?
こうなることが分かっていて、どうして?」
と苦しそうに荒い息をする九之池に訴えた。

「ふうふう、だってあいつ、やな奴だし。
ぜふぅ、あいつのあの顔、笑えるよね」
と九之池は言って、無理に笑った。

「確かにそれは否定できませんが、
それで九之池さんが傷ついては、本末転倒ですよ」
と心配そうに訴えるルージェナだった。

「それより仲間集めかー憂鬱名だよね」
九之池はこれからのことを考えて、暗澹たる気分になった。
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