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森の獣 2章 召喚されたけど、獣が討伐されていたので、やることないから、気ままに異世界を楽しんでみる

激辛料理

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 九之池とルージェナは、教団本部より宿に戻ると、
メープルがより持たされた魚料理を
ヘーグマンとエドゥアールに振舞いながら、
デリアの依頼の話をした。

「こっこの馬鹿がぁ。勝手に約束事をするな。
目的があって、旅路についているんだぞ」
エドゥアールが眉間に皺を寄せて、九之池を罵った。
眉間に皺は、恐らく料理の辛さからであろう。
ルージェナに差し出された水を一息に飲み、
ふぅふぅと荒い息をしているエドゥアールだった。
そして、更に続けようとすると、ヘーグマンが
「エドゥアール、まあ、そのくらいにして、
落ち着なさい」
と言い、続けた。

「九之池さん、あなたが積極的に
行動することはうれしいことです。
しかし、他国のそれなりの立場の方々との
約束事をする際には、我々にも相談して頂きたい。
一応、われわれは、ベルトゥル公国の使者としての
立場がありますので。
内容如何によっては非常に公国にとって
不利益になる恐れがございます」

「はあ、すみませんでした」
神妙な面持ちで答える九之池だった。

「事の内容は、さほどのことでは
ございませんので、協力はいたしましょう。
この件は以上でよろしいかと。
それにしてもこの郷土料理は、
なかなか辛いですな」
と額に汗を垂らしながら、
料理を食べるヘーグマンだった。

「ぐっ、言いたいことはまだまだあるが、
まあ、良しとしよう。ルージェナ、
こいつがまた、同じことしそうになったら、
必ず止めろよ、いいな!
それと、これは辛すぎだ。
これ以上は、無理だぞ。
九之池、ルージェナ、おまえらも食べろ」

「すみませんでした、今後、気を付けます。
私も九之池さんも既にお昼に食べましたが、
ちょっと、無理がありました」
とルージェナが答えた。

「はっ?食べたのか、ならわかるだろう、
我が国の者には無理なことが!嫌がらせか!」
と料理を睨みつけて、エドゥアールが言うと、
「いやいやいや、メープル司祭が是非とも
お二人にというものですから。
持ち帰らざるをえなかったのですよ」
にやにやしながら、九之池が答えた。

「おまえら、余計なことを
メープル司祭に言うなよ。
私は無理だ、もう残す」
エドゥアールはスプーンを置いた。

一方、ヘーグマンは皿に盛られた料理を
全て食べ終えていたが、先ほどの発言から
終始無言であった。

「あのヘーグマンさん、大丈夫ですか?」
ルージェナが恐る恐る話しかけると、

「はっ、いえ、大丈夫です。
食べ終えてから更に辛味が
口の中で増しますな」
とこめかみをぴくつかせながら、言った。

そんな様子を見た九之池は無言で、
ヘーグマンに空になったコップへ水を注ぎ足した。

翌朝、どのメンバーもお通じの後、
お尻の痛みと格闘していた。

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