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森の獣 2章 召喚されたけど、獣が討伐されていたので、やることないから、気ままに異世界を楽しんでみる
嘆息
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メープルとルージェナが九之池に
回復の魔術をかけている間に
ヘーグマンとエドゥアールが魔人に
止めを刺すべく、近づいていった。
才籐は、どうも恐怖から回復しておらず、
その場に立ち尽くしていた。
「信じられん、背中が
下り曲がっているのまだ、生きています。
人なら即死でしょう」
と言って大剣を大きく振りかぶった。
エドゥアールは周囲を警戒しながら、剣を構えた。
「まあまあ、止めを刺すのは、
次回、出会ったときにしてもらえませんかね。
彼はまだ、調整を始めたばかりで
本調子ではないのですよ」
魔人の後方から、ふわふわと妖精のようなものが現れた。
ヘーグマンは、言葉を交わさず、
即座に無言で大剣を振り下ろした。
エドゥアールはその妖精が
助けに入れないように牽制をした。
魔人の頭がころりと落ち、荒い息が静まった。
「へえ、なかなかいい根性しているじゃんよぉ。
もし、僕が強かったら、君たち、皆殺しだよ。
良かったの?」
「ふん、試してみればいいでしょう」
とエドゥアールが挑発するように言った。
「どのみち、殺されるなら、
一匹でも多くの魔人を殺すが上策」
とヘーグマンが睨みつけて、言った。
「ふんふんー。二人の覚悟に周りの仲間を
巻き込んでいいのかなっ?」
と歌うように妖精が続けた。
「旅は道連れなので、覚悟はあるでしょう。
それに仲間ではないので」
と言うと同時に妖精に切りかかるエドゥアール。
妖精はふわりと高く浮き、歌うように言った。
「僕はエンジニアとかいう立場なんで、強くないから、
退散させてもらいますよーではではー。
新しい開発が上手くいったら、
また、会いましょうー」
「エンジニア?」
ヘーグマンとエドゥアールが
聞きなれない言葉に首を傾げるが、
妖精に短刀を投げつけた。
「こわっーではではー」
と歌うように言って、上空に消えていった。
「エンジニア?なんでそんな言葉が
普通に出てくるんだ」
と才籐は震えながらもヘーグマンたちと
違った思いに首を傾げた。
九之池は、数時間後、目を覚ました。
傍にルージェナが九之池の手を握り締めて、寝ていた。
「うーん、ゲームのようなこの展開、、、
どしたらいいんだろう」
と呟くと、
「おっさん、くだらないこと言ってんなよ。
ったく、起きれんなら、
その羽織っているマントくらいかけてやれよ。
ったく何者なんだよ」
とぐちぐち言う才籐。
「才籐さん、おはようございます。
アドバイスどもども」
と言って、マントをルージェナにかけてあげた。
「ってかあんた、何者なの?本当に地球の人間?
ありえないでしょ、あれは!
それともこっちの世界に召喚される途中で
神様に与えられたとか?」
捲し立てるように才籐が言った。
「才籐さんは、なんていうか民俗学とか
民間伝承に興味あるとか詳しい方?」
「はっ、興味ないし、何それ?」
「うーん、そうですか。そう言ったことを深く調べていくと、
九之池村って出てくるんですよね。そういった方が
何年かに一度、フィールドワークに来るような村出身」
「はっ?まさか、さっきの力がその村で代々、
受け継がれてるとか言うんじゃないだろうな?」
と才籐が突っかかった。
「まあ、そんなところですが、
この血を薄くするために外部から、
積極的に婿や嫁を受け入れていますよ。
僕は、久しぶりに血が濃く
発現してしまったみたいです」
「ってか九之池村、、、アニメの聖地巡礼の
有名どころだろ。嘘言ってんなよ。
9つの池に鬼がなんとかとか、
映画にもなって、お土産屋とかめっちゃあるじゃん」
「へっ?」と九之池。
「えっ?」と才籐。
「いや、そのそうなんですか?」
と九之池が尋ねた。
「そうだよ。詳しくはしらないけど、
実写版はこけたらしいけど、
アニメは、めっちゃ流行ってるじゃん。
俺も知ってたし」
と説明した。
「それはその、多分、召喚された時期の
違いなんでしょうね。
そうですか、あの村がねぇ。
そんなになるとはねぇ」
と嘆息する九之池だった。
回復の魔術をかけている間に
ヘーグマンとエドゥアールが魔人に
止めを刺すべく、近づいていった。
才籐は、どうも恐怖から回復しておらず、
その場に立ち尽くしていた。
「信じられん、背中が
下り曲がっているのまだ、生きています。
人なら即死でしょう」
と言って大剣を大きく振りかぶった。
エドゥアールは周囲を警戒しながら、剣を構えた。
「まあまあ、止めを刺すのは、
次回、出会ったときにしてもらえませんかね。
彼はまだ、調整を始めたばかりで
本調子ではないのですよ」
魔人の後方から、ふわふわと妖精のようなものが現れた。
ヘーグマンは、言葉を交わさず、
即座に無言で大剣を振り下ろした。
エドゥアールはその妖精が
助けに入れないように牽制をした。
魔人の頭がころりと落ち、荒い息が静まった。
「へえ、なかなかいい根性しているじゃんよぉ。
もし、僕が強かったら、君たち、皆殺しだよ。
良かったの?」
「ふん、試してみればいいでしょう」
とエドゥアールが挑発するように言った。
「どのみち、殺されるなら、
一匹でも多くの魔人を殺すが上策」
とヘーグマンが睨みつけて、言った。
「ふんふんー。二人の覚悟に周りの仲間を
巻き込んでいいのかなっ?」
と歌うように妖精が続けた。
「旅は道連れなので、覚悟はあるでしょう。
それに仲間ではないので」
と言うと同時に妖精に切りかかるエドゥアール。
妖精はふわりと高く浮き、歌うように言った。
「僕はエンジニアとかいう立場なんで、強くないから、
退散させてもらいますよーではではー。
新しい開発が上手くいったら、
また、会いましょうー」
「エンジニア?」
ヘーグマンとエドゥアールが
聞きなれない言葉に首を傾げるが、
妖精に短刀を投げつけた。
「こわっーではではー」
と歌うように言って、上空に消えていった。
「エンジニア?なんでそんな言葉が
普通に出てくるんだ」
と才籐は震えながらもヘーグマンたちと
違った思いに首を傾げた。
九之池は、数時間後、目を覚ました。
傍にルージェナが九之池の手を握り締めて、寝ていた。
「うーん、ゲームのようなこの展開、、、
どしたらいいんだろう」
と呟くと、
「おっさん、くだらないこと言ってんなよ。
ったく、起きれんなら、
その羽織っているマントくらいかけてやれよ。
ったく何者なんだよ」
とぐちぐち言う才籐。
「才籐さん、おはようございます。
アドバイスどもども」
と言って、マントをルージェナにかけてあげた。
「ってかあんた、何者なの?本当に地球の人間?
ありえないでしょ、あれは!
それともこっちの世界に召喚される途中で
神様に与えられたとか?」
捲し立てるように才籐が言った。
「才籐さんは、なんていうか民俗学とか
民間伝承に興味あるとか詳しい方?」
「はっ、興味ないし、何それ?」
「うーん、そうですか。そう言ったことを深く調べていくと、
九之池村って出てくるんですよね。そういった方が
何年かに一度、フィールドワークに来るような村出身」
「はっ?まさか、さっきの力がその村で代々、
受け継がれてるとか言うんじゃないだろうな?」
と才籐が突っかかった。
「まあ、そんなところですが、
この血を薄くするために外部から、
積極的に婿や嫁を受け入れていますよ。
僕は、久しぶりに血が濃く
発現してしまったみたいです」
「ってか九之池村、、、アニメの聖地巡礼の
有名どころだろ。嘘言ってんなよ。
9つの池に鬼がなんとかとか、
映画にもなって、お土産屋とかめっちゃあるじゃん」
「へっ?」と九之池。
「えっ?」と才籐。
「いや、そのそうなんですか?」
と九之池が尋ねた。
「そうだよ。詳しくはしらないけど、
実写版はこけたらしいけど、
アニメは、めっちゃ流行ってるじゃん。
俺も知ってたし」
と説明した。
「それはその、多分、召喚された時期の
違いなんでしょうね。
そうですか、あの村がねぇ。
そんなになるとはねぇ」
と嘆息する九之池だった。
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