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森の獣 2章 召喚されたけど、獣が討伐されていたので、やることないから、気ままに異世界を楽しんでみる
罵倒
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戻ると、憤怒の形相でエドゥアールが九之池を迎えた。
「この馬鹿がぁ、貴様は、今日、
言われたこともできないのか!」
「えっとあのあのあのあの」
「おまえは、ルージェナの世話を
しなければならないのだろう!
それともあれか、貴様は、自ら手を
下すのが嫌だから、化膿を悪化させて、
苦しませてコロスつもりなのか?
恩人に対して随分な態度だな」
聞く耳を持たぬとはこのことであろう。
九之池はぷるぷるしながら、怒声が終わるのを待った。
「ぐううっ、馬鹿らしい。
今日の分の化膿止めは私が塗っておいた。
明日からはしっかりやれ」
と言って、部屋に戻っていった。
九之池はとりあえず、ルージェナのいる
部屋に向かい、事の次第を話して、詫びた。
「これから、九之池さんがしてくれんですねぇ。
何からなにまで本当にすみません」
「恩人ですから、昨日は本当に助けられましたから」
と九之池は心から言った。
「ところで九之池さん、黒玉の皮で
料理でもするんですか?」
「いや、これは、そのぉ、あのぉ、ルーたんに
食べてほしくて、川で冷やしてきたんです」
「川で冷やす?皮の炒めるのに?なんで?」
とルージェナは予想外に言葉についつい、素で答えた。
「うーん、ちょっと中身の色は違うけど、
ちょっと待ってね」
と言って、おもむろに短刀で四分の1に切り、
塩を少し振りかけた。そして、がぶりと頬張る。
しゃくしゃくと食べて、種を出すことを繰り返し、
ルージェナにどうぞと言って、手渡した。
「えっ、えっと、ほえっ」
となぞの言葉を残して、九之池への信頼か、
同じように食べた。
そして、「えっ、ええっーーうまっあまっ」
と言って、九之池と同じ行動を無言で繰り返した。
「これは、冷たくするのと、
塩をかけるのがポイントなんですねぇ。
ちょっと種を口から出すのが
恥ずかしいですけど、美味しいです」
と言った。
「中身が黒いのにはびっくりしたけど、
まあ、これが僕のいた世界の食べ方だよ。
中身は赤や黄色だったけどね」
と説明した。
「九之池さん、これは、ナイスなアイディアですよ!」
余程、美味しかったのか、ルージェナはべた褒めした。
「まあ、冷やして、塩をかけるだけだから、
誰でもできるし、広まるといいね」
と九之池も嬉しそうに言った。
「えっ、この方法を秘匿して、
それ元にを売ったりしないんですか?」
「いやいや、こんなの食べたら、
すぐにみんな気づくって」
と九之池は照れくさそうに話した。
前世界では、九之池は毎日、
コンベアから流れてくる部品を箱詰めしたり、
装置に組付けたりするラインワークが主な仕事であった。
お金のためと割り切っていたため、
改善なんぞ考えることもなく、
時間が早く過ぎることだけを考えて働いていた。
そのため、ちょっとしたアイディアでこんなにも
称賛されることなどなかったため、
ルージェナの称賛が妙に気恥ずかしかった。
「この馬鹿がぁ、貴様は、今日、
言われたこともできないのか!」
「えっとあのあのあのあの」
「おまえは、ルージェナの世話を
しなければならないのだろう!
それともあれか、貴様は、自ら手を
下すのが嫌だから、化膿を悪化させて、
苦しませてコロスつもりなのか?
恩人に対して随分な態度だな」
聞く耳を持たぬとはこのことであろう。
九之池はぷるぷるしながら、怒声が終わるのを待った。
「ぐううっ、馬鹿らしい。
今日の分の化膿止めは私が塗っておいた。
明日からはしっかりやれ」
と言って、部屋に戻っていった。
九之池はとりあえず、ルージェナのいる
部屋に向かい、事の次第を話して、詫びた。
「これから、九之池さんがしてくれんですねぇ。
何からなにまで本当にすみません」
「恩人ですから、昨日は本当に助けられましたから」
と九之池は心から言った。
「ところで九之池さん、黒玉の皮で
料理でもするんですか?」
「いや、これは、そのぉ、あのぉ、ルーたんに
食べてほしくて、川で冷やしてきたんです」
「川で冷やす?皮の炒めるのに?なんで?」
とルージェナは予想外に言葉についつい、素で答えた。
「うーん、ちょっと中身の色は違うけど、
ちょっと待ってね」
と言って、おもむろに短刀で四分の1に切り、
塩を少し振りかけた。そして、がぶりと頬張る。
しゃくしゃくと食べて、種を出すことを繰り返し、
ルージェナにどうぞと言って、手渡した。
「えっ、えっと、ほえっ」
となぞの言葉を残して、九之池への信頼か、
同じように食べた。
そして、「えっ、ええっーーうまっあまっ」
と言って、九之池と同じ行動を無言で繰り返した。
「これは、冷たくするのと、
塩をかけるのがポイントなんですねぇ。
ちょっと種を口から出すのが
恥ずかしいですけど、美味しいです」
と言った。
「中身が黒いのにはびっくりしたけど、
まあ、これが僕のいた世界の食べ方だよ。
中身は赤や黄色だったけどね」
と説明した。
「九之池さん、これは、ナイスなアイディアですよ!」
余程、美味しかったのか、ルージェナはべた褒めした。
「まあ、冷やして、塩をかけるだけだから、
誰でもできるし、広まるといいね」
と九之池も嬉しそうに言った。
「えっ、この方法を秘匿して、
それ元にを売ったりしないんですか?」
「いやいや、こんなの食べたら、
すぐにみんな気づくって」
と九之池は照れくさそうに話した。
前世界では、九之池は毎日、
コンベアから流れてくる部品を箱詰めしたり、
装置に組付けたりするラインワークが主な仕事であった。
お金のためと割り切っていたため、
改善なんぞ考えることもなく、
時間が早く過ぎることだけを考えて働いていた。
そのため、ちょっとしたアイディアでこんなにも
称賛されることなどなかったため、
ルージェナの称賛が妙に気恥ずかしかった。
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