137 / 251
森の獣 2章 召喚されたけど、獣が討伐されていたので、やることないから、気ままに異世界を楽しんでみる
お調子者
しおりを挟む
翌朝、九之池は、村長と事の次第を話した。
「子供ですか、そのくらいなら、
私たちでも何とかなりそうですかな。
依頼は完了ということでお願います」
と村長は言った。
「子供とはいえ、魔獣ですから、
あまり欲をかかずしたほうがいいでしょう。
奴らの牙や爪で引き裂かれるのは
苦しいでしょうね」
とエドゥアールが言った。
村長は強張った顔で、なんとか微笑みながら、
報酬を渡し、改めて依頼の完了を伝えた。
「さてと、帰ろう。公都に戻って、
剥ぎ取った物を売りましょう、
ささっエドゥアールさん、
早く馬車を出してください」
九之池はゲームや小説に近し状況のためか、
元気よく言った。
「馬鹿が!素材としては子供の方が価値は高いんだぞ。
まあ、いいか、早く戻れるし」
とぶつぶつと独り言をエドゥアールは言った。
冒険者ギルドで依頼の完了を伝えるとともに
魔獣の素材を買い取ってもらった。
それから九之池は、ルージェナとエドゥアールと
何度か魔獣の討伐の依頼をこなしながら、
野営や旅路に慣れていった。
九之池はルージェナの一族の件が
気になっていたが、毎日のように
依頼をこなしているために思い悩むことが少なった。
そんな生活を続けて、40日ほどが過ぎていた。
九之池はこの世界で生活をしていくことに
少し自信が持てたような気がした。
そんなとき、シリア卿が面談を希望してきた。
執務室で、久々にシリア卿に九之池は会った。
「おひさしぶりです、シリア卿」
「これは、なかなか。まあ、市中の噂になっていますよ。
討伐の依頼があれば、すぐに向かう
高名な冒険者が現れたと」
シリア卿は、体型自体は変わらないが、
精悍そうな顔つき、がっちりした体格の九之池に
少し驚いていた。
「ん?どうしましたか?」
と不思議そうに尋ねる九之池。
「いえいえ、まあ、かなりこちらの生活にも
慣れたようでなにより。そこでです。
そろそろ、キリア王朝を訪問してみてはどうでしょうか?」
とシリア卿は提案してきた。
「うーん、公国の街を巡って、特殊な素材を
集めたいのですが、無理でしょうか」
と九之池は主張してみた。
ゲームはやりこみ派であった九之池は、
この国の魔獣や魔物の素材をコンプリートしたい野望が
芽生えていた。
「いえ、だめです。キリアに行って、
なんらかの成果を持ち帰ってきてください。
あなたのわがままは、それからです」
とにべもない返事を返された。
「ふーん、そうなんだ。まっいいけどね。
道中でも珍しい素材は集められそうだしね」
と討伐の回数をこなして自信がついたのか、
少しぞんざいな口ぶりで九之池は言った。
「おい、あんまり調子にのるなよ」
とシリア卿が言って、なにやら真剣につぶやきだした。
なにこの人、ぶつぶつ、つぶやいてると
九之池は、突然の行動を気味悪がったが、
その直後、「ぎゃぁぁぁあっつ」と悲鳴をあげた。
「おい、人や魔獣を殺したくらいで、
調子に乗るなよ。くだらないことを考えないで、
さっさと大公に会って、キリアに行ってこい。
そして、お前が生み出せないような技術を盗んで来い。
その痛みを忘れるなよ、逆らうなら、
死ぬまでその苦痛をくれてやるよ」
貴族とは思えぬその言葉使いと身体中を
巡る苦痛に九ノ池は苦しみ、恐怖した。
「すみません、大公にすぐ、向かうことを伝えますので、
取り計らってもらえないですか?よろしくお願いします」
と九之池は懇願した。
「子供ですか、そのくらいなら、
私たちでも何とかなりそうですかな。
依頼は完了ということでお願います」
と村長は言った。
「子供とはいえ、魔獣ですから、
あまり欲をかかずしたほうがいいでしょう。
奴らの牙や爪で引き裂かれるのは
苦しいでしょうね」
とエドゥアールが言った。
村長は強張った顔で、なんとか微笑みながら、
報酬を渡し、改めて依頼の完了を伝えた。
「さてと、帰ろう。公都に戻って、
剥ぎ取った物を売りましょう、
ささっエドゥアールさん、
早く馬車を出してください」
九之池はゲームや小説に近し状況のためか、
元気よく言った。
「馬鹿が!素材としては子供の方が価値は高いんだぞ。
まあ、いいか、早く戻れるし」
とぶつぶつと独り言をエドゥアールは言った。
冒険者ギルドで依頼の完了を伝えるとともに
魔獣の素材を買い取ってもらった。
それから九之池は、ルージェナとエドゥアールと
何度か魔獣の討伐の依頼をこなしながら、
野営や旅路に慣れていった。
九之池はルージェナの一族の件が
気になっていたが、毎日のように
依頼をこなしているために思い悩むことが少なった。
そんな生活を続けて、40日ほどが過ぎていた。
九之池はこの世界で生活をしていくことに
少し自信が持てたような気がした。
そんなとき、シリア卿が面談を希望してきた。
執務室で、久々にシリア卿に九之池は会った。
「おひさしぶりです、シリア卿」
「これは、なかなか。まあ、市中の噂になっていますよ。
討伐の依頼があれば、すぐに向かう
高名な冒険者が現れたと」
シリア卿は、体型自体は変わらないが、
精悍そうな顔つき、がっちりした体格の九之池に
少し驚いていた。
「ん?どうしましたか?」
と不思議そうに尋ねる九之池。
「いえいえ、まあ、かなりこちらの生活にも
慣れたようでなにより。そこでです。
そろそろ、キリア王朝を訪問してみてはどうでしょうか?」
とシリア卿は提案してきた。
「うーん、公国の街を巡って、特殊な素材を
集めたいのですが、無理でしょうか」
と九之池は主張してみた。
ゲームはやりこみ派であった九之池は、
この国の魔獣や魔物の素材をコンプリートしたい野望が
芽生えていた。
「いえ、だめです。キリアに行って、
なんらかの成果を持ち帰ってきてください。
あなたのわがままは、それからです」
とにべもない返事を返された。
「ふーん、そうなんだ。まっいいけどね。
道中でも珍しい素材は集められそうだしね」
と討伐の回数をこなして自信がついたのか、
少しぞんざいな口ぶりで九之池は言った。
「おい、あんまり調子にのるなよ」
とシリア卿が言って、なにやら真剣につぶやきだした。
なにこの人、ぶつぶつ、つぶやいてると
九之池は、突然の行動を気味悪がったが、
その直後、「ぎゃぁぁぁあっつ」と悲鳴をあげた。
「おい、人や魔獣を殺したくらいで、
調子に乗るなよ。くだらないことを考えないで、
さっさと大公に会って、キリアに行ってこい。
そして、お前が生み出せないような技術を盗んで来い。
その痛みを忘れるなよ、逆らうなら、
死ぬまでその苦痛をくれてやるよ」
貴族とは思えぬその言葉使いと身体中を
巡る苦痛に九ノ池は苦しみ、恐怖した。
「すみません、大公にすぐ、向かうことを伝えますので、
取り計らってもらえないですか?よろしくお願いします」
と九之池は懇願した。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる