起きるとそこは、森の中。可愛いトラさんが涎を垂らして、こっちをチラ見!もふもふ生活開始の気配(原題.真説・森の獣

ゆうた

文字の大きさ
上 下
126 / 266
森の獣 2章 召喚されたけど、獣が討伐されていたので、やることないから、気ままに異世界を楽しんでみる

訓練開始

しおりを挟む
シリア卿は、まず、改めて挨拶をした。
「まともに話すのは、
はじめてになりますね、九之池さん。
ワリド大公の下で魔術の研究をしている
シリア・ド・シャントゥールという者です」

「ええっと、九之池と言います。
ぼっ僕は、どうなるんですか?」
10歳以上は年下の人物に対して、
挙動不審な九之池であった。

「くっくくっ、いい年したおっさんが、これかっ。
かの高名な老公は、10代で召喚されたにも関わらず、
その立ち振る舞いは、長者の風格があったというがな。
あなたには、戦場で活躍してもらうか、
画期的な発明をするとか、何か活躍してもらわないと、
召喚者とはいえ、悲惨な末路が待っていますよ」
とにこやかに恐ろしいことを答えるシリア卿。

「そっそんな。無理です。戦争なんて無理です。
人なんて殺せません。それに何かを開発とか、
そんなことやったことないです」
と九之池は暗い表情で答えた。

「先ほど、発現した力があれば、
戦場で活躍することはできそうだな。
囚人をあてがうから、毎日、殺してもらおう。
無論、老若男女問わずな」
40歳を超える男の悲嘆を聞くことにいい加減、
不快に感じ、ぞんざいにシリア卿は答えた。

シリア卿は早速、執事を呼び、
九之池の予定を伝え、差配するように伝えた。

最後にシリア卿は、「あまりに役に立たないようでしたら、
それ相応の対応を取らして貰う。
例えば、私の研究に利用するとかね」
と言った。

その理不尽な物言いに九之池は
もごもごと何かを言ったが、うまく言葉にならず、
執事に別の部屋に連れていかれた。

九之池は、執事と数人の使用人と共に
馬車で3日ほど旅をして、目的地に到着した。
シリア卿の邸宅ほどの大きさの
くすんだ石作りの強固な城の前に九之池はいた。

「ここに収容されている囚人たちは、
死ぬよりもひどい扱いを受けている者たちです。
ここで毎日、シリア卿の計画を実施します」
と有無を言わさずに執事は言った。

「無理です、勘弁してください。
そんなことできるわけありません。
何か他の方法を考えてください」
と哀願した。

「はあぁぁ、あの20歳近く年下の女性に
よくもまあ、そんなことを言えますね。
自分で考えなさい」
とピシリと言って、使用人に
いくつかの依頼を伝えて、執事は会話を切り上げた。
九之池は、使用人と城の管理メンバーらしき人物に
円形の闘技場らしきところに連れていかれた。

「お好みの武器を選んでください。
向こうの扉から、囚人が出てきますので、
そしたら、開始です。
私にも別の仕事がありますので、時間をかけることは
避けてください」
と説明を九之池は受けた。
刺殺、撲殺、絞殺、殴殺、捕殺、
銃殺、焼殺、毒殺と殺し方は色々あれど、
九之池には全く縁のないことであり、
武器を選ぶことにすら、途方に暮れていた。
しばらくすると、後ろにいた二人が黙って、
九之池を闘技場に押し出した。
武器も持たず、九之池は、囚人と対峙した。
囚人も武器を持っておらず、目は絶望に
覆われており、生気を感じさせなかった。
目の焦点がふらついており、
九之池が視界に入っていないようであったが、
囚人はふらふらと九之池に近づいてきた。

日常、九之池がみることのない
その囚人の雰囲気と動きに恐怖して、悲鳴を上げた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

処理中です...