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森の獣 外伝"森の獣外伝 メープル司祭の奮闘記。ああっ、早く帰りたい"
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メープルらが召喚の間に到着したとき、
既に召喚の儀が完了した後であった。
どうやら召喚者は、尋問室に
連れて行かれたようだった。
「みなさん、尋問室に向かいます。急ぎましょう」
と伝え、足早に向かった。
「導師、これは失敗ですね」
上流階級と一目でわかる男が魔術師風の老人に答えた。
「そうじゃのぅ。何の異能も持っておらぬ、
人畜無害な男だのぉ。ん、目覚めたかな」
とその老人は答えた。
二人の会話によって、目覚めた若い男は、
事態が把握できていないのか、
きょろきょろと周囲を見渡し、石牢から
「なっ何なんだここは、お前らは一体?」
と叫んだ。
「ふむ、どうやら精神は崩壊しておらぬようだな。
まあ、役に立ちそうにないな。少し歳を取っているが、
儂が可愛がってやるかのぉ」
と舌をなめずりながら、
ねっとりとした視線を若い男に送った。
若い男は、手を床で冷たくなった
お尻に当てて、「ひぃ」と悲鳴を上げた。
「全く役に立ちそうになければ、
導師のお屋敷に送ります。
ここでのお戯れはそこまで。
めんどくさい奴らが到着しそうです」
遠くから、複数の足音が聞こえてきた。
「助けてくれー。ここに閉じ込められている」
と若い男は、あらん限り声で求めた。
「うるさい奴だ。サーボル、黙らせろ」
一言、上流階級ぽい男が命じると、
無言で、軽装の男が剣の柄で若い男に一撃を加えた。
「ぐえっ」
と言葉を残し、若い男は、床に倒れ込んだ。
メープルはこの場に到着すると、
開口一番、「アルベリク侯爵、此度の件、
看過しかねます。そして、ザハル導師、
召喚の儀は我らの立会で行うのが常かと。
召喚者様は、アルカシオン教で保護させて頂きます」
「ふん、小娘が!調子に乗るなよ。
獣を討伐できたとて、貴様は、他国に
組した裏切り者よ。
他国の召喚者に諂い、媚びた者が
我が国の召喚者の扱いに
どうこう言うとは笑止」
とアルベリク侯爵がほえた。
メープルの周りの神官戦士が
その言葉を聞き、剣を構えた。
「獣を前に逃亡した腰抜けよりはましかと。
彼は我々が連れて行きます。
また、此度のことは、現帝王に伝えます」
「ふおぉふおぉ、メープル司祭や。
そのようにいきり立つでない。
これは、帝王からの指示である。
故にここは引きなされ」
メープルをいやらしい目で
ねっとりと眺め、近づいて来る。
そして、「ふぅむ、そのふくよか肢体は
どうやら無事であったようだの」
と言うと導師は、にやにやしながら、
何かを唱えている。
周りの神官戦士たちが、バタバタと倒れ、
メープル一人になった。
メープルをいやらしく見つめながら、
近づく導師を不快に感じ、
「それ以上、近づくとただではすみませんよ」
とメープルは、伝えた。
「ふん、片腕を失った貴様に
なにができる。導師が目を付けた以上、
諦めるんだな」
心底楽しそうにアルベリク侯爵が言った。
「いけません、近づいては」
懸命に忠告するメープル。
「くくっくぅー興奮するのう。
もっと抵抗してみせるがよい。
儂を興奮させろ」
口から涎を垂らしながら、何かを唱えている。
魔術による束縛のためであろう。
メープルは身体が動かず、導師の接近50㎝位まで、
許してしまった。
メープルが瞳を閉じ、祈ったその瞬間、
右腕が導師の股間を突然、殴りつけた。
そして、導師は悶絶し、その場に倒れて、蠢いている。
メープルの右腕が別の意思を
宿しているかのようにその場で動いていた。
「貴様、何をした!従属の魔術に
抵抗できたのか!サーボル、やれ!」
突然のことに混乱したアルベリク侯爵が
命じるとサーボルは無言でメープルに斬りつけた。
メープルは、剣を防ぐことを祈り、
右腕を動かそうとした。
その祈りが通じたのか、本来の人の
稼働する腕の動きを超越した動作で、
一撃、二撃と剣を防いだ。
「なんだ、その右腕の動きは!気持ち悪い」
と伯爵。
「さあ、何でしょうね。わたしも知りたいです。
ルナリオン様から授かった神具でしょうか?」
メープルはにっこりと笑って、アルベリク侯爵に言った。
「ぐっ、いちいち、貴様らは、じゃまをしおって。
サーボル、導師を担いでまいれ。
そのカスはくれてやる。
だが、そやつが担った血の業は生涯、消せぬ」
サーボルが導師を担ぎ、
侯爵を守りつつ、彼らは、撤収した。
「それはあなた方が負うものでしょう」
メープルは逃げ出した彼らに言い放った。
彼らが去ると、「ううっ、あんなところを
殴るつもりはなかったのに」
と身体の自由が回復したメープルはひとり呟き、
必死に右の拳を布で拭いていた。
既に召喚の儀が完了した後であった。
どうやら召喚者は、尋問室に
連れて行かれたようだった。
「みなさん、尋問室に向かいます。急ぎましょう」
と伝え、足早に向かった。
「導師、これは失敗ですね」
上流階級と一目でわかる男が魔術師風の老人に答えた。
「そうじゃのぅ。何の異能も持っておらぬ、
人畜無害な男だのぉ。ん、目覚めたかな」
とその老人は答えた。
二人の会話によって、目覚めた若い男は、
事態が把握できていないのか、
きょろきょろと周囲を見渡し、石牢から
「なっ何なんだここは、お前らは一体?」
と叫んだ。
「ふむ、どうやら精神は崩壊しておらぬようだな。
まあ、役に立ちそうにないな。少し歳を取っているが、
儂が可愛がってやるかのぉ」
と舌をなめずりながら、
ねっとりとした視線を若い男に送った。
若い男は、手を床で冷たくなった
お尻に当てて、「ひぃ」と悲鳴を上げた。
「全く役に立ちそうになければ、
導師のお屋敷に送ります。
ここでのお戯れはそこまで。
めんどくさい奴らが到着しそうです」
遠くから、複数の足音が聞こえてきた。
「助けてくれー。ここに閉じ込められている」
と若い男は、あらん限り声で求めた。
「うるさい奴だ。サーボル、黙らせろ」
一言、上流階級ぽい男が命じると、
無言で、軽装の男が剣の柄で若い男に一撃を加えた。
「ぐえっ」
と言葉を残し、若い男は、床に倒れ込んだ。
メープルはこの場に到着すると、
開口一番、「アルベリク侯爵、此度の件、
看過しかねます。そして、ザハル導師、
召喚の儀は我らの立会で行うのが常かと。
召喚者様は、アルカシオン教で保護させて頂きます」
「ふん、小娘が!調子に乗るなよ。
獣を討伐できたとて、貴様は、他国に
組した裏切り者よ。
他国の召喚者に諂い、媚びた者が
我が国の召喚者の扱いに
どうこう言うとは笑止」
とアルベリク侯爵がほえた。
メープルの周りの神官戦士が
その言葉を聞き、剣を構えた。
「獣を前に逃亡した腰抜けよりはましかと。
彼は我々が連れて行きます。
また、此度のことは、現帝王に伝えます」
「ふおぉふおぉ、メープル司祭や。
そのようにいきり立つでない。
これは、帝王からの指示である。
故にここは引きなされ」
メープルをいやらしい目で
ねっとりと眺め、近づいて来る。
そして、「ふぅむ、そのふくよか肢体は
どうやら無事であったようだの」
と言うと導師は、にやにやしながら、
何かを唱えている。
周りの神官戦士たちが、バタバタと倒れ、
メープル一人になった。
メープルをいやらしく見つめながら、
近づく導師を不快に感じ、
「それ以上、近づくとただではすみませんよ」
とメープルは、伝えた。
「ふん、片腕を失った貴様に
なにができる。導師が目を付けた以上、
諦めるんだな」
心底楽しそうにアルベリク侯爵が言った。
「いけません、近づいては」
懸命に忠告するメープル。
「くくっくぅー興奮するのう。
もっと抵抗してみせるがよい。
儂を興奮させろ」
口から涎を垂らしながら、何かを唱えている。
魔術による束縛のためであろう。
メープルは身体が動かず、導師の接近50㎝位まで、
許してしまった。
メープルが瞳を閉じ、祈ったその瞬間、
右腕が導師の股間を突然、殴りつけた。
そして、導師は悶絶し、その場に倒れて、蠢いている。
メープルの右腕が別の意思を
宿しているかのようにその場で動いていた。
「貴様、何をした!従属の魔術に
抵抗できたのか!サーボル、やれ!」
突然のことに混乱したアルベリク侯爵が
命じるとサーボルは無言でメープルに斬りつけた。
メープルは、剣を防ぐことを祈り、
右腕を動かそうとした。
その祈りが通じたのか、本来の人の
稼働する腕の動きを超越した動作で、
一撃、二撃と剣を防いだ。
「なんだ、その右腕の動きは!気持ち悪い」
と伯爵。
「さあ、何でしょうね。わたしも知りたいです。
ルナリオン様から授かった神具でしょうか?」
メープルはにっこりと笑って、アルベリク侯爵に言った。
「ぐっ、いちいち、貴様らは、じゃまをしおって。
サーボル、導師を担いでまいれ。
そのカスはくれてやる。
だが、そやつが担った血の業は生涯、消せぬ」
サーボルが導師を担ぎ、
侯爵を守りつつ、彼らは、撤収した。
「それはあなた方が負うものでしょう」
メープルは逃げ出した彼らに言い放った。
彼らが去ると、「ううっ、あんなところを
殴るつもりはなかったのに」
と身体の自由が回復したメープルはひとり呟き、
必死に右の拳を布で拭いていた。
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