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森の獣 1章 稲生編
ドキドキ、美人さんとの会話
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「うろうろ、していないで、入ってきたらいかがですか?」
美しきエルフに声をかけられて、鼓動が高鳴る稲生だった。
入店すると、「ではお言葉に甘えて、失礼します、私、稲生と言います」
きりっと決め顔で稲生は、あいさつした。
「はっはあ、何かお店に御用ですか?お店の前で
ぼやーっとされるのは困ります」
エルフは、この手の客に慣れているのか、稲生に冷徹に対応した。
軽くあしらわれた稲生は、さもありなんと思い、
己のナンパ能力のなさを嘆いた。
そして、当初の目的を円滑にすすめるために、
改めて、挨拶をした。
「すみません、ノルドさんのご紹介で、
こちらのお店にお邪魔させていただきました」
「ほぅ、ノルドからの紹介か。
なら、まともか、でなければ、マニアックな薬が
希望の客だな。
禁に触れないものなら、大概は、準備できるかと。
で?どいうったものが入用かな?」
エルフは、最初の表情を崩さずに、話した。
「巨大な二本角の大猫を狩りたいのですが、
動きを鈍らせるとか、集中力を乱すような
即効性のある香薬が希望です。
できれば、大森林のいたるところで焚きたいので、
大量に準備できれば。
それと、一時的に身体能力や集中力が向上する飲み薬。
幾種類か掛け合わせで倍々の効果がでるなら、
リスクは負います。あと、難しいかもしれませんが、
鏃に塗布できる致死性の毒。
期日は、明日の午後でお願いします」
一気呵成に話すと、稲生は、エルフの反応を伺った。
「くっくっくっ、ヤバイ客のほうだったか。
里では、批判の的になるような薬ばかりじゃねーかよ。
まあ、致死性の毒の扱いは無理だが、
それに類するものは面白そうだな。
まず、強化の薬だが、金貨1枚で3錠、
効果は飲んで5分後の10分間だ。
薬の掛け合わせはできないが、連続で使用は可能だ。
それと、魔術的な強化との掛け合わせならできる。
まあ、効果が切れた時の身体へのダメージはひどいものだがね。
つぎに香だが、おまえ、あの化け物を
狩る気なんだろうな、
まあ、どっちに転ぶか分からないが、
準備しよう。銀貨40枚だ。
最後の毒だが、これは無理だ。禁に触れる。
まあ、化け猫にさされば、奴の神経に過剰に
反応するような劇物を作ってみるかな。
金貨5枚程度は覚悟してくれ。
我が調合の薬がどこまで、通じるか楽しみではあるが、
稲生と言ったな、なぜ、あの化け物に挑戦する?
町に響いた咆哮を聞いただろう、死ぬぞ。」
エルフは、心底楽しそうに薬の話をし、
最後に不思議そうに尋ねた。
稲生は、笑いながら
「さあ?また、明日に伺います。」
と言い、前金替わりに金貨2枚を渡した。
エルフは無言で受け取ると、閉店の看板を店に掲げ、
店の奥に消えていった。
稲生は、懐に十分に余裕があることを確認すると、
軽い食事と荷役作業者を探すことにした。
執務室にて。
「ドリアム、何かいい策はないか?
明日か、明後日には、奴らが到着してしまう」
ドリアムが入室するなり、リンは、叫んだ。
「リン様、落ち着いてください。
獣と二度も対峙したリン様の経験を将軍は重要視されますが、
策はまでは、頼らないかと。
それよりも兵員の輜重の整備を進めておくべきでは」
きわめて冷静に答えるドリアム。
「まっまあ、そうだな。頼む。
だが、何とか一策でも考えないと。
まったく、どうしこんな目に」
懊悩するリンに一礼して、ドリアムは無言で退室した。
執務室では、リンが
「うーんうーん、何も思い浮かばないよー」
とうわごとのように呟いていた。
美しきエルフに声をかけられて、鼓動が高鳴る稲生だった。
入店すると、「ではお言葉に甘えて、失礼します、私、稲生と言います」
きりっと決め顔で稲生は、あいさつした。
「はっはあ、何かお店に御用ですか?お店の前で
ぼやーっとされるのは困ります」
エルフは、この手の客に慣れているのか、稲生に冷徹に対応した。
軽くあしらわれた稲生は、さもありなんと思い、
己のナンパ能力のなさを嘆いた。
そして、当初の目的を円滑にすすめるために、
改めて、挨拶をした。
「すみません、ノルドさんのご紹介で、
こちらのお店にお邪魔させていただきました」
「ほぅ、ノルドからの紹介か。
なら、まともか、でなければ、マニアックな薬が
希望の客だな。
禁に触れないものなら、大概は、準備できるかと。
で?どいうったものが入用かな?」
エルフは、最初の表情を崩さずに、話した。
「巨大な二本角の大猫を狩りたいのですが、
動きを鈍らせるとか、集中力を乱すような
即効性のある香薬が希望です。
できれば、大森林のいたるところで焚きたいので、
大量に準備できれば。
それと、一時的に身体能力や集中力が向上する飲み薬。
幾種類か掛け合わせで倍々の効果がでるなら、
リスクは負います。あと、難しいかもしれませんが、
鏃に塗布できる致死性の毒。
期日は、明日の午後でお願いします」
一気呵成に話すと、稲生は、エルフの反応を伺った。
「くっくっくっ、ヤバイ客のほうだったか。
里では、批判の的になるような薬ばかりじゃねーかよ。
まあ、致死性の毒の扱いは無理だが、
それに類するものは面白そうだな。
まず、強化の薬だが、金貨1枚で3錠、
効果は飲んで5分後の10分間だ。
薬の掛け合わせはできないが、連続で使用は可能だ。
それと、魔術的な強化との掛け合わせならできる。
まあ、効果が切れた時の身体へのダメージはひどいものだがね。
つぎに香だが、おまえ、あの化け物を
狩る気なんだろうな、
まあ、どっちに転ぶか分からないが、
準備しよう。銀貨40枚だ。
最後の毒だが、これは無理だ。禁に触れる。
まあ、化け猫にさされば、奴の神経に過剰に
反応するような劇物を作ってみるかな。
金貨5枚程度は覚悟してくれ。
我が調合の薬がどこまで、通じるか楽しみではあるが、
稲生と言ったな、なぜ、あの化け物に挑戦する?
町に響いた咆哮を聞いただろう、死ぬぞ。」
エルフは、心底楽しそうに薬の話をし、
最後に不思議そうに尋ねた。
稲生は、笑いながら
「さあ?また、明日に伺います。」
と言い、前金替わりに金貨2枚を渡した。
エルフは無言で受け取ると、閉店の看板を店に掲げ、
店の奥に消えていった。
稲生は、懐に十分に余裕があることを確認すると、
軽い食事と荷役作業者を探すことにした。
執務室にて。
「ドリアム、何かいい策はないか?
明日か、明後日には、奴らが到着してしまう」
ドリアムが入室するなり、リンは、叫んだ。
「リン様、落ち着いてください。
獣と二度も対峙したリン様の経験を将軍は重要視されますが、
策はまでは、頼らないかと。
それよりも兵員の輜重の整備を進めておくべきでは」
きわめて冷静に答えるドリアム。
「まっまあ、そうだな。頼む。
だが、何とか一策でも考えないと。
まったく、どうしこんな目に」
懊悩するリンに一礼して、ドリアムは無言で退室した。
執務室では、リンが
「うーんうーん、何も思い浮かばないよー」
とうわごとのように呟いていた。
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