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力説
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通路で睨み合う加賀見とロベリオ。
「かがみぃー何か勘違いしてない?
かがみぃーは、喜んで協力するか、
屈して協力するか、
まー無いと思うけど、死ぬ?
これらのいずれかだよ」
通路は物音一つせず、沈黙が支配した。
いつまで続くのかと織多さんは、ハラハラしながら、
事の成り行きを見守っていたが、
ロベリオがまた、話を始めた。
「管理者も副船長だけだし、
かがみぃーの利用価値ってすごく落ちているよ。
尾賀でも代用が出来るし。
まーおりたのような専門性の
高い人間は別だけどね、わかっているでしょ?
でもね、以前に提示した条件を
下げるつもりはないからね、かがみぃーとの仲だし」
先ほどの冷酷な表情とは裏腹に
普段のにまにまとした表情で語るロベリオだった。
しかし、加賀見の表情は優れなかった。
管理者どもの上辺だけの口約束よりは、
信頼できると判断していた。
しかし、異なる地区の軍属の彼女を
どこまで信用していいのか判断つかなかなかった。
彼女の所属する地区の不利益になると判断したら、
約束の反故程度でなく、平然と殺されるではないかと
加賀見は、不安に感じていた。
そして、彼女の今までの行動、言動が
どうも加賀見の脳裏に警鐘を鳴らしていた。
この話をカーリンが持ちかけていたら、
また、別の印象を受けていたと考えていた。
結局のところ、彼女の人柄に信を
置けないでいることが躊躇している理由であった。
「ロベリオ、一先ず、無事に地球に
戻るまではその契約を待つことはできない?」
と織多さんが提案すると、
「無理無理、ってか今だからこそ、
この契約を強く推せるんだよ。
命の保障を盾にとってね。
地球に近づくにつれて、
かがみぃーに有利になるよね?
それにかがみぃーが楽しむ時間も短くなるし」
加賀見に近づくと、ロベリオは、喉元を
右手で締め上げ、左手で鼠径部を刺激した。
「かがみぃー。よーく考えてね。
右手と左手、どっちをあなたが選ぶかね。
管理センターに5時間後に来てね。
少し仮眠を取ったら、思考もまともに働くでしょうし」
ロベリオは加賀見を離すと、棒立ちになっている二人を
気にも止めずに歩き出していた。
加賀見と織多さんは、その姿が見えなくなるまで
見つめていた。
部屋に戻った加賀見と織多さんは、
一先ず、睡眠を取ることにした。
4時間ほど寝てから、先ほどの件を話し合うことにした。
結論を先延ばしにしているようにも感じたが、
襲いかかる眠気にはどうにも耐えられそうになかった。
寝る前に加賀見は、本日の就業時間と日報を書いていた。
それを見た織多さんは、半分呆れていた。
織多さんの表情にそれが表れていたのだろう。
加賀見は、笑いながら、言った。
「これは、社畜にならないためです。
請求すべきものはきっちり請求しないと。
サビ残が美しい会社への貢献とか忠誠とか
思いませんので。
それにどんなに頑張っても契約社員ですので、
ボーナスの査定や退職金がある訳でもありませんから。
労働時間、知識、経験に対する対価は、
きっちりと払って貰いませんとね」
拳を強く握り、熱く語る加賀見だった。
そんな加賀見に織多さんは、ぷっと吹き出してしまった。
無論、内容でなく、加賀見の挙動に対しだった。
「はいはい、それも大事ですけど、
睡眠時間を削ってまで、その作業をしていますと、
身体を壊しますよ。
お先に失礼します、おやすみなさい、加賀見さん」
そう言って、眠り始める織多さんだった。
加賀見も睡魔には、どうも抗いかねたのか、
適当に作業内容を記載して、PCを閉じて、眠りについた。
「かがみぃー何か勘違いしてない?
かがみぃーは、喜んで協力するか、
屈して協力するか、
まー無いと思うけど、死ぬ?
これらのいずれかだよ」
通路は物音一つせず、沈黙が支配した。
いつまで続くのかと織多さんは、ハラハラしながら、
事の成り行きを見守っていたが、
ロベリオがまた、話を始めた。
「管理者も副船長だけだし、
かがみぃーの利用価値ってすごく落ちているよ。
尾賀でも代用が出来るし。
まーおりたのような専門性の
高い人間は別だけどね、わかっているでしょ?
でもね、以前に提示した条件を
下げるつもりはないからね、かがみぃーとの仲だし」
先ほどの冷酷な表情とは裏腹に
普段のにまにまとした表情で語るロベリオだった。
しかし、加賀見の表情は優れなかった。
管理者どもの上辺だけの口約束よりは、
信頼できると判断していた。
しかし、異なる地区の軍属の彼女を
どこまで信用していいのか判断つかなかなかった。
彼女の所属する地区の不利益になると判断したら、
約束の反故程度でなく、平然と殺されるではないかと
加賀見は、不安に感じていた。
そして、彼女の今までの行動、言動が
どうも加賀見の脳裏に警鐘を鳴らしていた。
この話をカーリンが持ちかけていたら、
また、別の印象を受けていたと考えていた。
結局のところ、彼女の人柄に信を
置けないでいることが躊躇している理由であった。
「ロベリオ、一先ず、無事に地球に
戻るまではその契約を待つことはできない?」
と織多さんが提案すると、
「無理無理、ってか今だからこそ、
この契約を強く推せるんだよ。
命の保障を盾にとってね。
地球に近づくにつれて、
かがみぃーに有利になるよね?
それにかがみぃーが楽しむ時間も短くなるし」
加賀見に近づくと、ロベリオは、喉元を
右手で締め上げ、左手で鼠径部を刺激した。
「かがみぃー。よーく考えてね。
右手と左手、どっちをあなたが選ぶかね。
管理センターに5時間後に来てね。
少し仮眠を取ったら、思考もまともに働くでしょうし」
ロベリオは加賀見を離すと、棒立ちになっている二人を
気にも止めずに歩き出していた。
加賀見と織多さんは、その姿が見えなくなるまで
見つめていた。
部屋に戻った加賀見と織多さんは、
一先ず、睡眠を取ることにした。
4時間ほど寝てから、先ほどの件を話し合うことにした。
結論を先延ばしにしているようにも感じたが、
襲いかかる眠気にはどうにも耐えられそうになかった。
寝る前に加賀見は、本日の就業時間と日報を書いていた。
それを見た織多さんは、半分呆れていた。
織多さんの表情にそれが表れていたのだろう。
加賀見は、笑いながら、言った。
「これは、社畜にならないためです。
請求すべきものはきっちり請求しないと。
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思いませんので。
それにどんなに頑張っても契約社員ですので、
ボーナスの査定や退職金がある訳でもありませんから。
労働時間、知識、経験に対する対価は、
きっちりと払って貰いませんとね」
拳を強く握り、熱く語る加賀見だった。
そんな加賀見に織多さんは、ぷっと吹き出してしまった。
無論、内容でなく、加賀見の挙動に対しだった。
「はいはい、それも大事ですけど、
睡眠時間を削ってまで、その作業をしていますと、
身体を壊しますよ。
お先に失礼します、おやすみなさい、加賀見さん」
そう言って、眠り始める織多さんだった。
加賀見も睡魔には、どうも抗いかねたのか、
適当に作業内容を記載して、PCを閉じて、眠りについた。
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