(仮)さぁ。異世界へいらっしゃい。

【20】私にとっての。

合格通知の合否が書かれている
封筒を開けて
「やっぱりか。」
文字は不合格とこの学校には
行けないことを伝えてくる。
今の私なら分かる
「運命はかえれない。」と。
私はずっと美術関係の学校へ行きたかった。思い思いに筆を走らせるのが大好きだった。この学校に行けたらよかったのになんて今でさえ後悔がある。
私はあの時無言で家から飛び出した。

現実を認めたくなかった。
だんだんと暗くなっていく雲
だんだんと息が切れてきて
少し呼吸がしずらい。


ザー


と雨が私を濡らす。でも私の事なんて誰も気にしちゃいない。
世界が私ひとり…そんな気もした。
雨の中私は泣きじゃくった。

慌てた様子で母が追いかけてきた
私の足はもう棒のように動かず
ただただ泣いた。
悔しかった。悲しかった。
なによりも他をする自分なんて分からなかった。涙は雨と混じり地面へと落ちる。
傘を差し出した母は一緒に泣きそうなくらい不安な顔をして少し笑うと
私を抱きしめて
「大丈夫だから。貴方がいきたいようにいきなさい。」
と一言言って私の涙を拭い
手を取り
「さぁ。かえろう。我が家へ」
あぁそっか私の正義はきっと…