20 / 20
本編
*19* 弟の執愛 ※R18
しおりを挟む
じゅぷ、じゅぷ……
まとわりつくような水音に合わせ、あっ、あっと媚びた猫のような声が、くぐもってきこえる。
荒い息遣いがおのれのものであること、おおいかぶさる影のせいで息苦しいことを、覚醒のさなかに理解する。
「ん……起きた? 姉さま」
「あ、葵葉? ここは?」
「俺の部屋。姉さまがベタベタさわられてたまんないから、連れてきた。まぁ、『典薬寮』のやつらに無理やり押し込められて癪ではあるけど、あいつ当分帰ってこないし、大丈夫だろ」
たしかに、見慣れない天井だ。ここが、『神梛高等専門学校』の学生寮、ふたり一部屋の寮室なのだろうか。
詳細を確認しようにも、葵葉にのしかかられているせいで、身動きがとれない。
そしてなぜじぶんがベッドへ押し倒されていたのか、鼓御前はわからなかった。
「これはどういう……んっ……」
すぐさまわけを問おうとするも、鼓御前の桃色の唇からこぼれるのは、熱い吐息だけ。
「だぁめ。まだ上書きが終わってないんだから、じっとして?」
くすくすと意地悪く常磐の双眸を細めた葵葉が、のぞかせた赤い舌を右耳へねじ込んでくる。
たっぷりと唾液をまとったそれが、じゅぷ、じゅぷりと軟骨のかたちに沿って這いまわる。
「ひゃっ……まって、葵葉……」
「やめてほしいの? 姉さまのからだはこんなに反応してるのに? 腰がビクビクしてるよ。焦れったいんでしょ」
「わ、かりませ……葵葉が、へんに、ふれるから……」
「姉さまがかわいいからだ。セーラー服、似合ってる。かわいくて……興奮する」
葵葉の、鼓御前よりも大きくて硬い手が、セーラー服をすそからたくし上げる。
その拍子にふるん、とまろい乳房がこぼれ、冷たい外気に素肌をさらされた鼓御前は、身をこわばらせた。
けれども、両手でからだを隠す間もなく、ほのかに色づいた双丘の先端を、ぴんっと指ではじかれてしまう。
「んやぁっ!」
「イイ声。姉さま、胸を苛められるの好きだもんな?」
「そ、そんなことは……やぁっ、んっ!」
「気持ちよさそうな声出して、うそばっか。ほーら、硬くなってきたじゃん」
親指の腹で円を描くように乳輪をなぞっていた葵葉が、つんと尖った乳嘴を、くに、と押しつぶした。
「やぁあっ!」
悲鳴にも似た嬌声を上げ、鼓御前が背をしならせる。
「っひ……やだ、なんか、へんです……葵葉、やめて」
「やめない。だって姉さま、あの野郎──莇とかいうやつにしこたま霊力注がれたの、気づいてないだろ?」
「霊力……?」
「そうだよ。あいつ、発狂して霊力暴走させてやがんの。品行方正で成績優秀な新入生代表サマがきいて呆れるぜ」
──なんで、おれじゃないの。
──おれをみて! つづみごぜんさまぁっ……!
思い出されるのは、幼子のように泣きじゃくりながら、すがりついてきた莇のすがた。
「まって……莇さんは、どうなされたの? 大丈夫なの?」
「……あいつのことなんかどうでもいいだろ」
「よくありません! 大怪我をしていたのに、その上霊力が暴走しただなんて……!」
「あのさわぎなら、あるじが……立花センセがおさめてくれてるだろ。気にするまでもない。姉さまは、俺のことだけ考えていればいい」
「んッ……!」
口早にまくし立てた葵葉が、鼓御前の白い胸をわし掴む。すこし乱暴な力加減で、苛立ちが感じ取れた。
莇を案じる鼓御前のことが、葵葉は気に入らないのだ。
「姉さまと『契約』したのは俺だ。俺の霊力をたっぷり注いで、その憎たらしい霊力、消してやるよ」
ギラギラと、底知れない『なにか』を燻らせている常磐の双眸。それは、いくさへ向かうときの高揚感と似て非なるもの。
『それ』を向けられている対象がおのれなのだと悟った鼓御前は、つかの間、ひるんでしまう。
「俺にまかせてよ、気持ちいいことしかしないから」
くっとのどの奥で笑った葵葉が、にやりと口の端を持ち上げたかと思えば、凝った少女の乳嘴へ口づける。
「あ、葵葉、やめ、はなれ……んんっ!」
「強情だな。もしかして、煽ってる?」
「いっている意味が、わかりませ……ひゃあっ!」
「ん、わかった。姉さまは『ちょっと乱暴なほうが好き』ね」
「う……んっ、ん、んんっ……!」
胸の蕾を舌先で転がされ、吸われ、もう片方の乳房はすこし痛いくらいに揉みしだかれ、指の腹で中心をこねくり回されるのだ。
ひとりでに口からこぼれるかん高い声がじぶんのものではないようで、鼓御前は必死に、右手で声を押し殺す。
「こーら。がまんなんてしなくていいのに。姉さまのかわいい声、もっときかせてよ」
「あっ……」
とろりと笑みを深めた葵葉によって、いともたやすく右手をさらわれてしまう。
「それとも、がまんできないくらい気持ちよくしてあげようか?」
「な……なにを……いって」
ぞわり、と背筋が戦慄したのは、気のせいではないだろう。
見下ろす葵葉は捕食者の目。
いまこのとき、おのれは、その獲物なのだ。
「そうだなぁ……とりあえず、こっちでイくの、覚えようか?」
手のひらで鼓御前の腿をなで上げた葵葉が、緋色のプリーツスカートに秘められた場所へと指先をのばす。
「って、もう濡れてるじゃん。姉さまのえっち。っはは、これもう脱いだほうがいいんじゃない?」
葵葉が可笑しげに声をふるわせると、軽く爪を立てる。ピ……と繊維を裂かれた黒タイツだったものを、葵葉はしかし、あえて脱がせることはしない。
「さわるよ……姉さま」
首すじへ顔をうずめてきた葵葉が、耳朶へ吐息を吹き込みながら、ささやく。
直後、ぐぷぷ……と異物感に見舞われ。
「なにっ……やっ……!」
「大丈夫……大丈夫だから、ね?」
「うっ……ふ、ぁ、あ……!」
葵葉の指が、挿り込んでくる。
ときに押し返しながらも、ぐぷぐぷとむかえ入れるのは、ほかでもないじぶん。
「ほら、ぜんぶ挿った」
は、は……と不規則な呼吸をくり返しながら、ぼんやりとしたまなざしで葵葉を見やる鼓御前。
すると、プリーツスカートをめくり上げ、裂かれた黒タイツのすきまから侵入した長い中指が、根もとまで埋め込まれている様子を見て取れる。
「やっぱ、ちょっとキツいな。でもすぐにヨくなるから」
「はっ……あぁ、あ……」
くちくちと、粘着質な水音がする。
ひどく緩慢な仕草で、葵葉が指の抜き挿しをはじめたのだ。
「やっ……あっ、んんっ、あんっ」
やめてほしいという懇願は声にはならず、意味のない母音ばかりが口からこぼれる。
ちゅ、ちゅと鼓御前の白い喉に吸いつきながら、葵葉はわらった。
「今日はいっぱいイかせてあげるからな、姉さま?」
まとわりつくような水音に合わせ、あっ、あっと媚びた猫のような声が、くぐもってきこえる。
荒い息遣いがおのれのものであること、おおいかぶさる影のせいで息苦しいことを、覚醒のさなかに理解する。
「ん……起きた? 姉さま」
「あ、葵葉? ここは?」
「俺の部屋。姉さまがベタベタさわられてたまんないから、連れてきた。まぁ、『典薬寮』のやつらに無理やり押し込められて癪ではあるけど、あいつ当分帰ってこないし、大丈夫だろ」
たしかに、見慣れない天井だ。ここが、『神梛高等専門学校』の学生寮、ふたり一部屋の寮室なのだろうか。
詳細を確認しようにも、葵葉にのしかかられているせいで、身動きがとれない。
そしてなぜじぶんがベッドへ押し倒されていたのか、鼓御前はわからなかった。
「これはどういう……んっ……」
すぐさまわけを問おうとするも、鼓御前の桃色の唇からこぼれるのは、熱い吐息だけ。
「だぁめ。まだ上書きが終わってないんだから、じっとして?」
くすくすと意地悪く常磐の双眸を細めた葵葉が、のぞかせた赤い舌を右耳へねじ込んでくる。
たっぷりと唾液をまとったそれが、じゅぷ、じゅぷりと軟骨のかたちに沿って這いまわる。
「ひゃっ……まって、葵葉……」
「やめてほしいの? 姉さまのからだはこんなに反応してるのに? 腰がビクビクしてるよ。焦れったいんでしょ」
「わ、かりませ……葵葉が、へんに、ふれるから……」
「姉さまがかわいいからだ。セーラー服、似合ってる。かわいくて……興奮する」
葵葉の、鼓御前よりも大きくて硬い手が、セーラー服をすそからたくし上げる。
その拍子にふるん、とまろい乳房がこぼれ、冷たい外気に素肌をさらされた鼓御前は、身をこわばらせた。
けれども、両手でからだを隠す間もなく、ほのかに色づいた双丘の先端を、ぴんっと指ではじかれてしまう。
「んやぁっ!」
「イイ声。姉さま、胸を苛められるの好きだもんな?」
「そ、そんなことは……やぁっ、んっ!」
「気持ちよさそうな声出して、うそばっか。ほーら、硬くなってきたじゃん」
親指の腹で円を描くように乳輪をなぞっていた葵葉が、つんと尖った乳嘴を、くに、と押しつぶした。
「やぁあっ!」
悲鳴にも似た嬌声を上げ、鼓御前が背をしならせる。
「っひ……やだ、なんか、へんです……葵葉、やめて」
「やめない。だって姉さま、あの野郎──莇とかいうやつにしこたま霊力注がれたの、気づいてないだろ?」
「霊力……?」
「そうだよ。あいつ、発狂して霊力暴走させてやがんの。品行方正で成績優秀な新入生代表サマがきいて呆れるぜ」
──なんで、おれじゃないの。
──おれをみて! つづみごぜんさまぁっ……!
思い出されるのは、幼子のように泣きじゃくりながら、すがりついてきた莇のすがた。
「まって……莇さんは、どうなされたの? 大丈夫なの?」
「……あいつのことなんかどうでもいいだろ」
「よくありません! 大怪我をしていたのに、その上霊力が暴走しただなんて……!」
「あのさわぎなら、あるじが……立花センセがおさめてくれてるだろ。気にするまでもない。姉さまは、俺のことだけ考えていればいい」
「んッ……!」
口早にまくし立てた葵葉が、鼓御前の白い胸をわし掴む。すこし乱暴な力加減で、苛立ちが感じ取れた。
莇を案じる鼓御前のことが、葵葉は気に入らないのだ。
「姉さまと『契約』したのは俺だ。俺の霊力をたっぷり注いで、その憎たらしい霊力、消してやるよ」
ギラギラと、底知れない『なにか』を燻らせている常磐の双眸。それは、いくさへ向かうときの高揚感と似て非なるもの。
『それ』を向けられている対象がおのれなのだと悟った鼓御前は、つかの間、ひるんでしまう。
「俺にまかせてよ、気持ちいいことしかしないから」
くっとのどの奥で笑った葵葉が、にやりと口の端を持ち上げたかと思えば、凝った少女の乳嘴へ口づける。
「あ、葵葉、やめ、はなれ……んんっ!」
「強情だな。もしかして、煽ってる?」
「いっている意味が、わかりませ……ひゃあっ!」
「ん、わかった。姉さまは『ちょっと乱暴なほうが好き』ね」
「う……んっ、ん、んんっ……!」
胸の蕾を舌先で転がされ、吸われ、もう片方の乳房はすこし痛いくらいに揉みしだかれ、指の腹で中心をこねくり回されるのだ。
ひとりでに口からこぼれるかん高い声がじぶんのものではないようで、鼓御前は必死に、右手で声を押し殺す。
「こーら。がまんなんてしなくていいのに。姉さまのかわいい声、もっときかせてよ」
「あっ……」
とろりと笑みを深めた葵葉によって、いともたやすく右手をさらわれてしまう。
「それとも、がまんできないくらい気持ちよくしてあげようか?」
「な……なにを……いって」
ぞわり、と背筋が戦慄したのは、気のせいではないだろう。
見下ろす葵葉は捕食者の目。
いまこのとき、おのれは、その獲物なのだ。
「そうだなぁ……とりあえず、こっちでイくの、覚えようか?」
手のひらで鼓御前の腿をなで上げた葵葉が、緋色のプリーツスカートに秘められた場所へと指先をのばす。
「って、もう濡れてるじゃん。姉さまのえっち。っはは、これもう脱いだほうがいいんじゃない?」
葵葉が可笑しげに声をふるわせると、軽く爪を立てる。ピ……と繊維を裂かれた黒タイツだったものを、葵葉はしかし、あえて脱がせることはしない。
「さわるよ……姉さま」
首すじへ顔をうずめてきた葵葉が、耳朶へ吐息を吹き込みながら、ささやく。
直後、ぐぷぷ……と異物感に見舞われ。
「なにっ……やっ……!」
「大丈夫……大丈夫だから、ね?」
「うっ……ふ、ぁ、あ……!」
葵葉の指が、挿り込んでくる。
ときに押し返しながらも、ぐぷぐぷとむかえ入れるのは、ほかでもないじぶん。
「ほら、ぜんぶ挿った」
は、は……と不規則な呼吸をくり返しながら、ぼんやりとしたまなざしで葵葉を見やる鼓御前。
すると、プリーツスカートをめくり上げ、裂かれた黒タイツのすきまから侵入した長い中指が、根もとまで埋め込まれている様子を見て取れる。
「やっぱ、ちょっとキツいな。でもすぐにヨくなるから」
「はっ……あぁ、あ……」
くちくちと、粘着質な水音がする。
ひどく緩慢な仕草で、葵葉が指の抜き挿しをはじめたのだ。
「やっ……あっ、んんっ、あんっ」
やめてほしいという懇願は声にはならず、意味のない母音ばかりが口からこぼれる。
ちゅ、ちゅと鼓御前の白い喉に吸いつきながら、葵葉はわらった。
「今日はいっぱいイかせてあげるからな、姉さま?」
0
お気に入りに追加
23
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる