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本編
*22* おや? わらびの様子が……
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「ううんっ、こちらこそありがとう! 上手にはできないかもだけど、よろしくお願いします!」
「上手も下手もないさ。必死に頑張ろうとする子たちはみんな一等賞だよ」
「イザナくんいい人だねぇえ!」
千切れるくらいハンドシェイクしているときでさえも、「セリちゃんは元気だねぇ」と朗らかに笑い声をあげているイザナくん、さては褒めて伸ばすタイプだな?
ありがとう、おかげで何でもできるような気がしてきたよ。野球チームだって作れるかもしれない。
「わらびもありがとね! 預かっててくれて!」
星凛さんもばかではないので、いくら興奮してても、「うっかり放り投げちゃいました~!」なんて失態はおかさない。
右の手のひらにあった大事な大事なものは、イザナくんに飛びつく直前でわらびに渡していたのだ。
変幻自在の透明な身体をミトンみたいにしてみよーんと伸ばし、大事に大事に抱え込んでくれていた黒い玉を受け取る。そこまではよかった。
「ビィ……」
「あれ……わらび?」
だけど何かがおかしい。いつも「ビヨンッ!」とぽむぽむあちこちを跳ね回っているわらびの元気がないんだ。
そういえば今朝はお寝坊さんだったし、これまでもずっとあたしの肩に乗ったままで、大人しかったような。
「どうしたの? 具合悪い?」
「ンムム……」
一度肩から手のひらに乗せ、卓上に移動させてみる。
つやつやした小豆の瞳は閉じられていて、なにやらモゾモゾとお口が動いている。
「変なもの食べたとか……いやでも、わらびの食事って水だもんなぁ。ウィンローズの綺麗な水でお腹壊したとは考えにく、」
「ムムッ……ンアーッ!」
「わらびー!?」
ぽろん。
なんか出た! ぱっかー! って開いたわらびのお口から、なんか出たぁ!
「ケプ…………ビヨン!」
思いっきり吐き出した後、すっきりしたようなわらびのお膝元(?)へ、恐る恐る視線をやる。
どんな大惨事が展開されているのかと思いきや、白いテーブルクロス上に横たわっていたのは、金属光沢のある長方形のフォルム。
目にするのが久しぶりすぎて、一瞬何だかわからなかった。
「これって……あたしのスマホ!」
バッグに入れっぱなしで忘れてた。オーナメントをティーカップのソーサーへ置き、気を取り直して右手を伸ばす。
「すまほ?」
「また不可思議なものが出てきたねぇ」
同じ日本出身でも、明治生まれの薔子さんがスマートフォンを知っているわけもなく、きょとんと首を傾げながらあたしが拾い上げたそれを覗き込んでいる。
イザナくんは持ち前の好奇心で、早くも興味深そうに観察を始めていた。
「セリちゃんの世界のものだよね。金属の薄い板みたいだけど、何に使うものなんだい?」
「そうだなぁ……エデンでいうパピヨン・メサージュみたいなものかな。声を届けてくれて、遠く離れた人と会話できるんだ」
「会話ができるのかい? どこにいても?」
「そう。どこにいても、すぐそばで話してるみたいな感覚になれるの。ほかにも色んなことができるよ。メール……お手紙を一瞬で送れたり、映像を記録できたり」
「それはすごいな。どれも高度な魔法だよ。この絡繰の中にどんな術式が組み込まれているんだろう」
「いやぁ……あたしの世界に魔力を持った人はいないから、魔法とは違う、かな」
「えぇ、魔法のない世界なのかい? 驚いたな……それなら、どうやってその、すまほというものを使うの?」
「えっと、充電をして、電気の力で」
「ジュウデン? デンキ?」
「そうなるよねぇ!」
魔法があるから火を起こすのも夜の明かりにも困らなくて、そう不便に感じないだけで、エデンの文明は中世欧州風の昔ながらのものだ。そうだ、そうなんだった。
そもそも存在しない『電気』という概念を、どう伝えたらいいものか。これは難題だ……
「なんて言ったらいいんだろ……電気は光ったりバチバチするやつで……そうだ、雷! 雷の弱いやつが、この金属の中を走ってる感じ!」
「ふぅん……?」
「ぐっ……これ以上は無理です!」
高校で化学と物理を放棄した文系には荷が重すぎます。
てか、仮に説明できたところでどうにもならないでしょ!
「ごめんね、長いこと放置してたから、たぶん動かないや……」
試しに端末横のボタンを長押しするけど、一瞬だけ白くなった画面が、プツンとブラックアウトする。
何度かトライするも、それからは電源が入る様子は一切ない。
やっぱり、今のでバッテリーが切れたか……となれば、もう動かしようがない。
「雷に似た力によって、動く絡繰……」
落胆するあたしとは裏腹に、スマホを見つめたまま、イザナくんは何やら考え込んでいるようで。
「わらびに不調が見られたのは、そのすまほという絡繰が原因に間違いないだろうね」
「ずっと預かってもらってたけど、これまでは何ともなかったよ。なんで今になって……?」
「予期せぬ力の放出があったためだろう。故障するときには、得てして異常動作が起こるものだからね」
スマホの動力である電気は、エデンには存在しないもの。
言わば性質の異なる魔力同士がぶつかり合うのと同じ状態だと、イザナくんは言う。
「つまりわらびの体内で、水のマナと拒絶反応が起きたのさ」
それこそ、わらびが預けていた荷物の中からスマホだけを吐き出した理由で、たしかに故障したという証明でもある。
「なるほどね、よし、そういうことなら」
やがてイザナくんは、何かを思いついたように口元をほころばせ、純白のローブの袂へ細い指先を忍ばせたのだった。
「上手も下手もないさ。必死に頑張ろうとする子たちはみんな一等賞だよ」
「イザナくんいい人だねぇえ!」
千切れるくらいハンドシェイクしているときでさえも、「セリちゃんは元気だねぇ」と朗らかに笑い声をあげているイザナくん、さては褒めて伸ばすタイプだな?
ありがとう、おかげで何でもできるような気がしてきたよ。野球チームだって作れるかもしれない。
「わらびもありがとね! 預かっててくれて!」
星凛さんもばかではないので、いくら興奮してても、「うっかり放り投げちゃいました~!」なんて失態はおかさない。
右の手のひらにあった大事な大事なものは、イザナくんに飛びつく直前でわらびに渡していたのだ。
変幻自在の透明な身体をミトンみたいにしてみよーんと伸ばし、大事に大事に抱え込んでくれていた黒い玉を受け取る。そこまではよかった。
「ビィ……」
「あれ……わらび?」
だけど何かがおかしい。いつも「ビヨンッ!」とぽむぽむあちこちを跳ね回っているわらびの元気がないんだ。
そういえば今朝はお寝坊さんだったし、これまでもずっとあたしの肩に乗ったままで、大人しかったような。
「どうしたの? 具合悪い?」
「ンムム……」
一度肩から手のひらに乗せ、卓上に移動させてみる。
つやつやした小豆の瞳は閉じられていて、なにやらモゾモゾとお口が動いている。
「変なもの食べたとか……いやでも、わらびの食事って水だもんなぁ。ウィンローズの綺麗な水でお腹壊したとは考えにく、」
「ムムッ……ンアーッ!」
「わらびー!?」
ぽろん。
なんか出た! ぱっかー! って開いたわらびのお口から、なんか出たぁ!
「ケプ…………ビヨン!」
思いっきり吐き出した後、すっきりしたようなわらびのお膝元(?)へ、恐る恐る視線をやる。
どんな大惨事が展開されているのかと思いきや、白いテーブルクロス上に横たわっていたのは、金属光沢のある長方形のフォルム。
目にするのが久しぶりすぎて、一瞬何だかわからなかった。
「これって……あたしのスマホ!」
バッグに入れっぱなしで忘れてた。オーナメントをティーカップのソーサーへ置き、気を取り直して右手を伸ばす。
「すまほ?」
「また不可思議なものが出てきたねぇ」
同じ日本出身でも、明治生まれの薔子さんがスマートフォンを知っているわけもなく、きょとんと首を傾げながらあたしが拾い上げたそれを覗き込んでいる。
イザナくんは持ち前の好奇心で、早くも興味深そうに観察を始めていた。
「セリちゃんの世界のものだよね。金属の薄い板みたいだけど、何に使うものなんだい?」
「そうだなぁ……エデンでいうパピヨン・メサージュみたいなものかな。声を届けてくれて、遠く離れた人と会話できるんだ」
「会話ができるのかい? どこにいても?」
「そう。どこにいても、すぐそばで話してるみたいな感覚になれるの。ほかにも色んなことができるよ。メール……お手紙を一瞬で送れたり、映像を記録できたり」
「それはすごいな。どれも高度な魔法だよ。この絡繰の中にどんな術式が組み込まれているんだろう」
「いやぁ……あたしの世界に魔力を持った人はいないから、魔法とは違う、かな」
「えぇ、魔法のない世界なのかい? 驚いたな……それなら、どうやってその、すまほというものを使うの?」
「えっと、充電をして、電気の力で」
「ジュウデン? デンキ?」
「そうなるよねぇ!」
魔法があるから火を起こすのも夜の明かりにも困らなくて、そう不便に感じないだけで、エデンの文明は中世欧州風の昔ながらのものだ。そうだ、そうなんだった。
そもそも存在しない『電気』という概念を、どう伝えたらいいものか。これは難題だ……
「なんて言ったらいいんだろ……電気は光ったりバチバチするやつで……そうだ、雷! 雷の弱いやつが、この金属の中を走ってる感じ!」
「ふぅん……?」
「ぐっ……これ以上は無理です!」
高校で化学と物理を放棄した文系には荷が重すぎます。
てか、仮に説明できたところでどうにもならないでしょ!
「ごめんね、長いこと放置してたから、たぶん動かないや……」
試しに端末横のボタンを長押しするけど、一瞬だけ白くなった画面が、プツンとブラックアウトする。
何度かトライするも、それからは電源が入る様子は一切ない。
やっぱり、今のでバッテリーが切れたか……となれば、もう動かしようがない。
「雷に似た力によって、動く絡繰……」
落胆するあたしとは裏腹に、スマホを見つめたまま、イザナくんは何やら考え込んでいるようで。
「わらびに不調が見られたのは、そのすまほという絡繰が原因に間違いないだろうね」
「ずっと預かってもらってたけど、これまでは何ともなかったよ。なんで今になって……?」
「予期せぬ力の放出があったためだろう。故障するときには、得てして異常動作が起こるものだからね」
スマホの動力である電気は、エデンには存在しないもの。
言わば性質の異なる魔力同士がぶつかり合うのと同じ状態だと、イザナくんは言う。
「つまりわらびの体内で、水のマナと拒絶反応が起きたのさ」
それこそ、わらびが預けていた荷物の中からスマホだけを吐き出した理由で、たしかに故障したという証明でもある。
「なるほどね、よし、そういうことなら」
やがてイザナくんは、何かを思いついたように口元をほころばせ、純白のローブの袂へ細い指先を忍ばせたのだった。
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