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大量のスキル
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「はあはあ……終わったのか?」
最初のレッドサンドラゴンが一番強く、後のドラゴンは全てそれほど強くはなかった。
天業竜ではなく、オーラの子孫から更に分岐した、プライドの高い天業竜が言う所謂【野良竜】だ。
気付けば俺の魔力は底を着き、辺りにはおびただしい数のドラゴンが倒れていた。
やった。ついに終わったんだ。
「マリー! これでいいんだろう? 結局俺に何をさせたかったんだ!」
どこかで見ているマリーに向かって叫ぶ。
もう俺には体を動かす気力もなかった。
地面に寝転がると、汗と日差しが気持ち良い。
ドラゴンの血が臭うのは最悪だが。
「お疲れ様、これでも飲んで一息つきなさい。何をやらせたかったかは……きっと、ステータスを見れば分かるわ」
寝転がる俺の側に立っていたマリーから水筒の水を貰う。
例えドラゴンでも生命維持に水は不可欠なのだ。多分。
一息ついた後、言われた通りにステータス画面を開いてみる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ヒトゥリ
種族:メタ・イヴィルドラゴン
称号:孤独な者 群れの主 勇者喰い
ユニークスキル:天業合成 異界之瞳 飛躍推理
スキル:竜魔術 爪牙技 剣技 魔工熟練 棒技 はめ込み 消音 欲望の繭 腐食魔法 静電気 湿潤魔術 土耐性 半竜化 魔力操作 属性魔法・火水風土 魔力返還 魔力吸収 無詠唱
―――――――――――――――――――――――――――――――――
何か色々増えてる……。
マリーが言っていた『魔力操作』が追加されてるし、これを取得させたかったんだよな。
どういう原理で習得できたのか分からないけど。
「どういう事……?」
確認するためマリーの方を見ると、マリーも驚いていた。
手に持った瓶から察するに、例の他人のステータスを見れる薬を服用したのだろう。
「なんで驚いてるんだよ。俺がスキルを習得するのは、予測していた事じゃないのか?」
「私の予想では、魔力が尽きた状態で習得できるのは『魔力操作』だけのはず……。それが何でこんなに多くのスキルを?」
尋ねると、マリーは俺の隣に座りこんで考え始めた。
しばらくの間空を見つめて待っていると、ようやくマリーが手を叩いた。
「うん、納得したわ。あのね。普通はこんな短期間で大量のスキルを習得する事はないの。私の予想では『魔力操作』と、あっても『属性魔法』のどれか1つくらいだと思っていたのよ」
「確かに俺も驚いてるけど、こんなに長い間必死に戦ったのは初めてだからな。そういう物だと思ったぞ」
「ええ、本当ならこんな大量のスキル習得はあり得ないの。だから仮説を立てたわ。『魔力操作』を習得した事によって、体内に貯蓄されていた魔力がスキルの習得に使われるようになった、って感じね。スキルの習得も消失と同じ様に、長い時間を掛けて世界から送られた魔力がスキルに変化するのだけれど、その工程を余剰魔力が綺麗にカットしてくれたと考えられるわ」
合成によって消費されたスキルが魔力になって、その魔力がまたスキルになるのか……?
効率が良いのか悪いのか、分からないな。
少なくとも聞いた感じだとルルドピーンの『天業創造』の下位互換の気がする。
いやまあ、あいつのスキルと比べれば大抵の天業竜のスキルは下位互換になるらしいけど。
「あまり凄さが分かっていないようだから言うけど、スキル習得の大元は世界そのものからの供給よ。貴方はそれを魔力として貯蓄できる。そしてその魔力を使って更に世界からスキルを持ってきて合成して、余剰分を魔力にできる。理論上ほぼ無限に魔力を貯蓄できるのよ、貴方は」
俺の微妙な表情に気付いたのか、マリーが説明を付け足す。
理論上ね。
大抵の場合では理論上というのは、何か重要な要素を見落としている物だ。
そんな考えを悟られないように、冗談めかして言葉を返す。
「それは凄い。俺は永久機関だったのか?」
「そうよ。まあそんな事したら、飽和した魔力で体が保つか分からないけど」
やっぱりな。
しばらくするとドラゴン達が目を覚ましたので、俺は彼らの縄張りを荒らした事を謝り、マリーを乗せて王都に帰還した。
あのドラゴン達、マリーが鱗だの折れた牙だの色々採取していたのに気付いて怒ってないといいけど。
ちなみに習得したスキルの効果は『魔力操作』と『属性魔法』は知っての通りで、『魔力返還』は使った魔力の内の幾分かが戻ってくるスキルで、『魔力吸収』は周囲の魔力や攻撃に含まれている魔力を吸収して自分の魔力にするスキルで、『無詠唱』はスキルを持っていなくても魔法を詠唱無しで使えるスキルだった。
これってもしかして、既に魔力不足に困る様な事態にはならないんじゃないか?
結局、余剰魔力を使う事はなさそうだな……。
最初のレッドサンドラゴンが一番強く、後のドラゴンは全てそれほど強くはなかった。
天業竜ではなく、オーラの子孫から更に分岐した、プライドの高い天業竜が言う所謂【野良竜】だ。
気付けば俺の魔力は底を着き、辺りにはおびただしい数のドラゴンが倒れていた。
やった。ついに終わったんだ。
「マリー! これでいいんだろう? 結局俺に何をさせたかったんだ!」
どこかで見ているマリーに向かって叫ぶ。
もう俺には体を動かす気力もなかった。
地面に寝転がると、汗と日差しが気持ち良い。
ドラゴンの血が臭うのは最悪だが。
「お疲れ様、これでも飲んで一息つきなさい。何をやらせたかったかは……きっと、ステータスを見れば分かるわ」
寝転がる俺の側に立っていたマリーから水筒の水を貰う。
例えドラゴンでも生命維持に水は不可欠なのだ。多分。
一息ついた後、言われた通りにステータス画面を開いてみる。
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ヒトゥリ
種族:メタ・イヴィルドラゴン
称号:孤独な者 群れの主 勇者喰い
ユニークスキル:天業合成 異界之瞳 飛躍推理
スキル:竜魔術 爪牙技 剣技 魔工熟練 棒技 はめ込み 消音 欲望の繭 腐食魔法 静電気 湿潤魔術 土耐性 半竜化 魔力操作 属性魔法・火水風土 魔力返還 魔力吸収 無詠唱
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何か色々増えてる……。
マリーが言っていた『魔力操作』が追加されてるし、これを取得させたかったんだよな。
どういう原理で習得できたのか分からないけど。
「どういう事……?」
確認するためマリーの方を見ると、マリーも驚いていた。
手に持った瓶から察するに、例の他人のステータスを見れる薬を服用したのだろう。
「なんで驚いてるんだよ。俺がスキルを習得するのは、予測していた事じゃないのか?」
「私の予想では、魔力が尽きた状態で習得できるのは『魔力操作』だけのはず……。それが何でこんなに多くのスキルを?」
尋ねると、マリーは俺の隣に座りこんで考え始めた。
しばらくの間空を見つめて待っていると、ようやくマリーが手を叩いた。
「うん、納得したわ。あのね。普通はこんな短期間で大量のスキルを習得する事はないの。私の予想では『魔力操作』と、あっても『属性魔法』のどれか1つくらいだと思っていたのよ」
「確かに俺も驚いてるけど、こんなに長い間必死に戦ったのは初めてだからな。そういう物だと思ったぞ」
「ええ、本当ならこんな大量のスキル習得はあり得ないの。だから仮説を立てたわ。『魔力操作』を習得した事によって、体内に貯蓄されていた魔力がスキルの習得に使われるようになった、って感じね。スキルの習得も消失と同じ様に、長い時間を掛けて世界から送られた魔力がスキルに変化するのだけれど、その工程を余剰魔力が綺麗にカットしてくれたと考えられるわ」
合成によって消費されたスキルが魔力になって、その魔力がまたスキルになるのか……?
効率が良いのか悪いのか、分からないな。
少なくとも聞いた感じだとルルドピーンの『天業創造』の下位互換の気がする。
いやまあ、あいつのスキルと比べれば大抵の天業竜のスキルは下位互換になるらしいけど。
「あまり凄さが分かっていないようだから言うけど、スキル習得の大元は世界そのものからの供給よ。貴方はそれを魔力として貯蓄できる。そしてその魔力を使って更に世界からスキルを持ってきて合成して、余剰分を魔力にできる。理論上ほぼ無限に魔力を貯蓄できるのよ、貴方は」
俺の微妙な表情に気付いたのか、マリーが説明を付け足す。
理論上ね。
大抵の場合では理論上というのは、何か重要な要素を見落としている物だ。
そんな考えを悟られないように、冗談めかして言葉を返す。
「それは凄い。俺は永久機関だったのか?」
「そうよ。まあそんな事したら、飽和した魔力で体が保つか分からないけど」
やっぱりな。
しばらくするとドラゴン達が目を覚ましたので、俺は彼らの縄張りを荒らした事を謝り、マリーを乗せて王都に帰還した。
あのドラゴン達、マリーが鱗だの折れた牙だの色々採取していたのに気付いて怒ってないといいけど。
ちなみに習得したスキルの効果は『魔力操作』と『属性魔法』は知っての通りで、『魔力返還』は使った魔力の内の幾分かが戻ってくるスキルで、『魔力吸収』は周囲の魔力や攻撃に含まれている魔力を吸収して自分の魔力にするスキルで、『無詠唱』はスキルを持っていなくても魔法を詠唱無しで使えるスキルだった。
これってもしかして、既に魔力不足に困る様な事態にはならないんじゃないか?
結局、余剰魔力を使う事はなさそうだな……。
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