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第143話
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◆神坂春華 視点◆
フユと美波ちゃんが特別教室で登校する様になって1ヶ月が過ぎた。仲村先輩や芳川さんを含め取り立てた問題も起きておらず今のところ安心している。
フユとの関係も徐々にだけど修復できていると思うし、すーちゃんとよっちゃんやクラスのみんなとの距離感も戻りつつある様に思う。クラスの方はあたしが生徒会役員選挙で会長に立候補したことも大きいみたいで、話すきっかけになっている。お姉はここまで見通してあたしを推薦したのかと思って聞いてみたけど、お姉当人は『偶然だよ』と言って笑うだけで真相はわからないものの、美波ちゃんとあたしはそこまでわかっていたのだと思っている。
そんな状況で迎えた生徒会役員選挙もあたしを含め候補者は全員定数と同じで全員が信任投票になった。生徒会役員と言ってもマンガやラノベでよくある権限みたいなものは全然ない雑用係なので人気がなく、事前に執行部が根回ししてなんとか候補を立てているのが通例になっているそうで、顧問の先生方が仰るには過去3年は信任投票しか行われていないらしいし、その前は目立ちたがりの生徒が通例を破って執行部の擁立以外から立候補して演説で無茶苦茶なことを言って惨敗したくらいらしい。
うちの高校の生徒会役員は会長が1名、副会長と書記と会計の各2名が選挙で選ばれ、それ以外に生徒会会則上は庶務を会長の権限で任命できることになっているけど、実際には顧問の先生方の承認も必要という暗黙のルールになっていて、会長独断での任命はしていないらしい。お姉は入学当初から生徒会執行部に庶務で参加し貢献していたから顧問の先生方の信頼が厚く『神坂さんが言うなら』で通っていたらしく、あたしや五十嵐先輩が今学期から手伝いで生徒会執行部に出るようになった際にもお姉が一言言っただけで承認を得ていたけど、あたしはそうはいかないと思っていないとダメだろうとお姉から言われている。
選挙の結果は全員信任で当選。ちなみに信任への賛成票が一番少なかったのがあたしなので凹むけどそれでも7割の生徒は賛成してくれているし、残りの生徒にも悪くなかったと言ってもらえるように頑張ろうと思う。
生徒会の新執行部は、副会長の新谷君と書記の三沢さんと会計の大河内君があたしと同じ2年でまた前期からの2期目でそれぞれお姉を尊敬しているのもありあたしに対しても好意的で安心している。また、新谷君は本来副会長だった自分が会長に立つべきだったのにお姉の後継が重荷に感じてあたしに押し付けたと思っているようで選挙の前から気遣ってくれている。
残りの副会長の笹山君と書記の木谷さんと会計の東山さんが1年で新任になるけど一学期から庶務として参加していたので執行部の他のメンバーとの関係はできていて、むしろあたしが一番の新顔になる。
生徒会役員選挙も終わり、学校全体としては大きなイベントが終わった時期だけれど2年生だけは修学旅行が目前に迫ってきている。
修学旅行も文化祭や体育祭と同じく中止を検討されたようだけれど、これもお姉が学校側へ働きかけてくれていて修学旅行だけは中止にならずに済んだ。お姉が言うには、文化祭や体育祭と違い外から見た学校の様子はほとんど変わらないので世間から批判されにくいことと、既にキャンセルに料金がかかってしまう時期だったので学校側の一存でキャンセルした際の負担を学校がしないと保護者からの批判が出てくるだろうという点を挙げて訴えたら、任意での不参加を選択肢にすることで全体での中止は取り止めになり決行されることになった。
しかし、あたしからすればフユと美波ちゃんが参加しない修学旅行は気が抜けた炭酸水みたいなもので、まったく楽しめる気がしないというのが率直なところだ・・・もっと言えば、行きたくないまであるけど、さすがに生徒会長が行かないのは外聞が良くないと言うのはわかるので、渋々だけど参加することにしている。
◆神坂冬樹 視点◆
特別教室で再び学校へ通うようになって1ヶ月が過ぎ、日常として違和感がなくなってきている。変わってきたことと言えば、ハルと姉さんが生徒会役員選挙で忙しくなり一緒に帰っていた美波があぶれてしまっていて、僕が駅まで一緒に帰ることが日常なったことくらいだろう。
日によっては仲村先輩や芳川さんが同行することもあり特別教室のメンバーでの繋がりが強くなりつつあるようにも思う。
とは言え、学年が違うし特に芳川さんは強い男性恐怖症になっているので僕とふたりきりにはなろうとしないし、それがわかっているので僕からは極力声を掛けたりはしていない。それでも、その距離感が良いのかそれなりに美波や仲村先輩と一緒の時には話しかけてくれているから克服しつつあるのかと思うし、僕にできることがあるなら協力したいと思っている。
学校が中心ではあるけど、美波やハルや姉さんとの関係も多少は良化していると思う・・・残念なことに気持ちとしては以前の様にすごく大事という想いが湧いてこないは実情だ。
学校については概ね問題がないけど、美晴さんとの関係は問題が生じている。先月から発症している勃起障害がまだ治っていない。そのせいで美晴さんとの夜の営みに滞りが出てしまっていて、その影響で全てにおいて微妙にギクシャクしてしまっている。
美晴さんは気遣ってくれるし気にしないとも言ってくれているけれども、たまによそよそしくなっているし、帰りがすごく遅くなる日が何回かあった。そして、雰囲気が変わっている。化粧の仕方やヘアアレンジが前よりも男ウケするものに変わっている・・・嫌な予感がするものの、面と向かって話せば以前と変わらない笑顔と雰囲気で対してくれるので、この美晴さんを信じたい気持ちでいる。
今日は学校が午後から修学旅行のための特別編成で実際に旅行へ行く2年だけでなく学校全体で午後の授業は取り止めになっているため、いつもよりもかなり早い時間に帰宅することになった。
家へ戻ると美晴さんは先に戻っていたようで靴がある。
美晴さんに声をかけようと思ったら美晴さんの部屋の方から艶めかしい息遣いが聞こえて来たので声を掛けずに部屋の方へ行くと、ドアがちゃんと閉まっておらずそこから中からの声が聞こえてきていることが理解できた。
内心は穏やかではない。美晴さんが漏らしている声はセッ●スをする時の息遣いで、その本来の相手である僕は部屋の中にはいない・・・これが意味することは・・・
フユと美波ちゃんが特別教室で登校する様になって1ヶ月が過ぎた。仲村先輩や芳川さんを含め取り立てた問題も起きておらず今のところ安心している。
フユとの関係も徐々にだけど修復できていると思うし、すーちゃんとよっちゃんやクラスのみんなとの距離感も戻りつつある様に思う。クラスの方はあたしが生徒会役員選挙で会長に立候補したことも大きいみたいで、話すきっかけになっている。お姉はここまで見通してあたしを推薦したのかと思って聞いてみたけど、お姉当人は『偶然だよ』と言って笑うだけで真相はわからないものの、美波ちゃんとあたしはそこまでわかっていたのだと思っている。
そんな状況で迎えた生徒会役員選挙もあたしを含め候補者は全員定数と同じで全員が信任投票になった。生徒会役員と言ってもマンガやラノベでよくある権限みたいなものは全然ない雑用係なので人気がなく、事前に執行部が根回ししてなんとか候補を立てているのが通例になっているそうで、顧問の先生方が仰るには過去3年は信任投票しか行われていないらしいし、その前は目立ちたがりの生徒が通例を破って執行部の擁立以外から立候補して演説で無茶苦茶なことを言って惨敗したくらいらしい。
うちの高校の生徒会役員は会長が1名、副会長と書記と会計の各2名が選挙で選ばれ、それ以外に生徒会会則上は庶務を会長の権限で任命できることになっているけど、実際には顧問の先生方の承認も必要という暗黙のルールになっていて、会長独断での任命はしていないらしい。お姉は入学当初から生徒会執行部に庶務で参加し貢献していたから顧問の先生方の信頼が厚く『神坂さんが言うなら』で通っていたらしく、あたしや五十嵐先輩が今学期から手伝いで生徒会執行部に出るようになった際にもお姉が一言言っただけで承認を得ていたけど、あたしはそうはいかないと思っていないとダメだろうとお姉から言われている。
選挙の結果は全員信任で当選。ちなみに信任への賛成票が一番少なかったのがあたしなので凹むけどそれでも7割の生徒は賛成してくれているし、残りの生徒にも悪くなかったと言ってもらえるように頑張ろうと思う。
生徒会の新執行部は、副会長の新谷君と書記の三沢さんと会計の大河内君があたしと同じ2年でまた前期からの2期目でそれぞれお姉を尊敬しているのもありあたしに対しても好意的で安心している。また、新谷君は本来副会長だった自分が会長に立つべきだったのにお姉の後継が重荷に感じてあたしに押し付けたと思っているようで選挙の前から気遣ってくれている。
残りの副会長の笹山君と書記の木谷さんと会計の東山さんが1年で新任になるけど一学期から庶務として参加していたので執行部の他のメンバーとの関係はできていて、むしろあたしが一番の新顔になる。
生徒会役員選挙も終わり、学校全体としては大きなイベントが終わった時期だけれど2年生だけは修学旅行が目前に迫ってきている。
修学旅行も文化祭や体育祭と同じく中止を検討されたようだけれど、これもお姉が学校側へ働きかけてくれていて修学旅行だけは中止にならずに済んだ。お姉が言うには、文化祭や体育祭と違い外から見た学校の様子はほとんど変わらないので世間から批判されにくいことと、既にキャンセルに料金がかかってしまう時期だったので学校側の一存でキャンセルした際の負担を学校がしないと保護者からの批判が出てくるだろうという点を挙げて訴えたら、任意での不参加を選択肢にすることで全体での中止は取り止めになり決行されることになった。
しかし、あたしからすればフユと美波ちゃんが参加しない修学旅行は気が抜けた炭酸水みたいなもので、まったく楽しめる気がしないというのが率直なところだ・・・もっと言えば、行きたくないまであるけど、さすがに生徒会長が行かないのは外聞が良くないと言うのはわかるので、渋々だけど参加することにしている。
◆神坂冬樹 視点◆
特別教室で再び学校へ通うようになって1ヶ月が過ぎ、日常として違和感がなくなってきている。変わってきたことと言えば、ハルと姉さんが生徒会役員選挙で忙しくなり一緒に帰っていた美波があぶれてしまっていて、僕が駅まで一緒に帰ることが日常なったことくらいだろう。
日によっては仲村先輩や芳川さんが同行することもあり特別教室のメンバーでの繋がりが強くなりつつあるようにも思う。
とは言え、学年が違うし特に芳川さんは強い男性恐怖症になっているので僕とふたりきりにはなろうとしないし、それがわかっているので僕からは極力声を掛けたりはしていない。それでも、その距離感が良いのかそれなりに美波や仲村先輩と一緒の時には話しかけてくれているから克服しつつあるのかと思うし、僕にできることがあるなら協力したいと思っている。
学校が中心ではあるけど、美波やハルや姉さんとの関係も多少は良化していると思う・・・残念なことに気持ちとしては以前の様にすごく大事という想いが湧いてこないは実情だ。
学校については概ね問題がないけど、美晴さんとの関係は問題が生じている。先月から発症している勃起障害がまだ治っていない。そのせいで美晴さんとの夜の営みに滞りが出てしまっていて、その影響で全てにおいて微妙にギクシャクしてしまっている。
美晴さんは気遣ってくれるし気にしないとも言ってくれているけれども、たまによそよそしくなっているし、帰りがすごく遅くなる日が何回かあった。そして、雰囲気が変わっている。化粧の仕方やヘアアレンジが前よりも男ウケするものに変わっている・・・嫌な予感がするものの、面と向かって話せば以前と変わらない笑顔と雰囲気で対してくれるので、この美晴さんを信じたい気持ちでいる。
今日は学校が午後から修学旅行のための特別編成で実際に旅行へ行く2年だけでなく学校全体で午後の授業は取り止めになっているため、いつもよりもかなり早い時間に帰宅することになった。
家へ戻ると美晴さんは先に戻っていたようで靴がある。
美晴さんに声をかけようと思ったら美晴さんの部屋の方から艶めかしい息遣いが聞こえて来たので声を掛けずに部屋の方へ行くと、ドアがちゃんと閉まっておらずそこから中からの声が聞こえてきていることが理解できた。
内心は穏やかではない。美晴さんが漏らしている声はセッ●スをする時の息遣いで、その本来の相手である僕は部屋の中にはいない・・・これが意味することは・・・
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