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皇琥の肩の上で、優里が足をバタつかせていた。にも関わらず、皇琥はすたすたと歩いていく。
古墳が意外と広いことに優里は驚いた。それに内部を熟知しているかのように、皇琥がどんどんと奥へと進んで行く。
「ちょっと皇琥、降ろせって!」
いきなり体が宙を舞い、どさっと降ろされた。柔らかなクッションの上に降ろされたお陰で、体は痛くない。
(布? なんで? あいつ、こんなの持ってきたのか?)
あたりを見渡すと、壁には松明が2、3本燃えていた。パチッパチッと火が燃える音がする。
部屋の中は、先ほどいた空間よりも少しだけ明るい。すぐ脇に座っている皇琥の姿もよく見える。
皇琥の名前を呼びながら背中に手を伸ばした。服に手が届く直前、皇琥が振り向き、手を掴まれ押し倒された。優里の上にのしかかり、胸元に顔をうずめた。
「皇琥?」
名前を呼ぶと、皇琥が顔をあげた。瞳は相変わらず虚ろな眼差しだ。生気がないように見えたが、それは部屋が薄暗いからだと優里は思った。
「ユーリ……会いたかった」
皇琥の苦しそうな絞り出すような声に、優里はドキッとした。
(こんな時、どうすりゃいいんだ……)
とりあえず話題を変えようと「ここって、古墳の中……なんだよな? なんで火がついて 」と言ったところで、また唇を奪われた。
さっきの欲望が再燃する。
キスだけなのに体中が熱い。内側からムラムラした感情が湧き上がってくる。
いつの間にか皇琥の手が着ていたTシャツの下にあり、胸に触れた。
右の乳首や乳輪をクニクニといじられ、体がビクンとはねる。全身から汗が吹き出してきそうだ。
「あっああ!」
思わず放った嬌声に優里自身が驚いた。なにこの感覚。
唇から解放されたが、今度は首元に吸い付かれた。気づいた時には、着ていたはずの上衣を脱がされていた。
皇琥の愛撫は首筋から胸元へと移動し、左の乳首を舌で転がし始めた。右手も乳首をまだ触っている。
「…んんああっあ…!」
愛撫が右の乳首へと移動すると、皇琥の手が優里の股間を触りはじめた。ズボンの上から何度も揉まれた。強く握ったり、擦ったりした。
「そこ…やっ…だめ……んっ…あっあ…!っ」
すでに下着の中で大きくなった下半身の逃げ場はなく、痛いとさえ感じはじめた時、カチャカチャとベルトを外している音に気づいた。片手で器用に外していく。
「まっ…て…皇琥!」
言葉を放つと同時に、勢いよくズボンを引きずり脱がされ、下着一枚になった。優里が首をもたげ、下半身を見ると、こんもりと盛り上がっていた。
「ユーリ……」
さっきと同じように苦しそうに名前を呼ぶ。
「皇琥……」
覆いかぶさられ、体を密着させてきた。なぜかとても切ない気持ちになり、優里は皇琥を抱きしめた。
優里の盛り上がった下半身に硬い物が当たった。皇琥が体を上下に動かしはじめる。
内側からぞわぞわと波が押し寄せてくる感覚。優里の理性はすでに機能していない。本能が快楽を欲している。
最後の一糸を脱がされ、束縛から解放された男根は、さらに硬く伸びやかになった。皇琥が先端を舌でもてあそぶ。その度に優里の体は反り上がり、嬌声を発した。
優里の竿を優しく口に含み、丁寧に付け根から裏筋をゆっくりと舌で何度も上下する。優里の艶かしい声はとまらない。それどころか、どんどんと声が上がり、その度に壁に声が反響する。
初めての快楽に優里の頭の中は真っ白だ。皇琥の口の中で絶頂へと達し、体をぐったりとさせた。
間髪入れず、先ほどから皇琥の指で解された後孔へ、硬く反り上がった皇琥の男根があてがわれた。そっと触れただけなのに、優里の体は反応し、何度もそり返る。
「……挿れるぞ」
皇琥の低音な艶声に、優里はコクンと頷くことしか出来なくなっていた。
双丘を持ち上げられ、菊門に皇琥の熱を帯びた先端を、何度も押し付けられる。その度に甘ったるい声が出てしまった。
クポっと先端が菊門を押し開け、中へと侵入してきた。太くて熱い質量がゆっくりと中へ侵入してくる。
「…ん…あっんっ」
松明の火のパチパチという音だけ聞こえた。
「痛かったら言え」
「……はぁ、はぁ、だい……じょうぶ。それ…より 」
言い終わらないうちに、皇琥の全てが優里の中へ収まった。
初めてにも関わらず、中がきゅうきゅうと皇琥の竿を包み込む。そして徐々に形が馴染んでくるようだった。
体中の血が沸騰するくらい、密着している箇所が熱い。
皇琥は優里の上に体重をかけた。再び上体が触れ合い、腹の辺りからじんわりと熱が広がってくる。
「優里? 大丈夫か?」
皇琥の荒い息づかいが聞こえるほどの距離で、顔を見つめた。先ほどと違い瞳に光が宿っている。
「それより、これは一体……」
目をパチリ、パチリと瞬きし、優里の顔を見つめてきた。その真剣な眼差しに釘付けされ、顔を背けることが出来ない。自然と顔が火照ってきた。
しかし、次に皇琥が放った一言で、優里の理性が本能を押し戻した。
「優里……俺たちは、一体何をしているんだ?」
「えっ…?!」
壁に目をやると、二人の繋がった影が映っていた。
古墳が意外と広いことに優里は驚いた。それに内部を熟知しているかのように、皇琥がどんどんと奥へと進んで行く。
「ちょっと皇琥、降ろせって!」
いきなり体が宙を舞い、どさっと降ろされた。柔らかなクッションの上に降ろされたお陰で、体は痛くない。
(布? なんで? あいつ、こんなの持ってきたのか?)
あたりを見渡すと、壁には松明が2、3本燃えていた。パチッパチッと火が燃える音がする。
部屋の中は、先ほどいた空間よりも少しだけ明るい。すぐ脇に座っている皇琥の姿もよく見える。
皇琥の名前を呼びながら背中に手を伸ばした。服に手が届く直前、皇琥が振り向き、手を掴まれ押し倒された。優里の上にのしかかり、胸元に顔をうずめた。
「皇琥?」
名前を呼ぶと、皇琥が顔をあげた。瞳は相変わらず虚ろな眼差しだ。生気がないように見えたが、それは部屋が薄暗いからだと優里は思った。
「ユーリ……会いたかった」
皇琥の苦しそうな絞り出すような声に、優里はドキッとした。
(こんな時、どうすりゃいいんだ……)
とりあえず話題を変えようと「ここって、古墳の中……なんだよな? なんで火がついて 」と言ったところで、また唇を奪われた。
さっきの欲望が再燃する。
キスだけなのに体中が熱い。内側からムラムラした感情が湧き上がってくる。
いつの間にか皇琥の手が着ていたTシャツの下にあり、胸に触れた。
右の乳首や乳輪をクニクニといじられ、体がビクンとはねる。全身から汗が吹き出してきそうだ。
「あっああ!」
思わず放った嬌声に優里自身が驚いた。なにこの感覚。
唇から解放されたが、今度は首元に吸い付かれた。気づいた時には、着ていたはずの上衣を脱がされていた。
皇琥の愛撫は首筋から胸元へと移動し、左の乳首を舌で転がし始めた。右手も乳首をまだ触っている。
「…んんああっあ…!」
愛撫が右の乳首へと移動すると、皇琥の手が優里の股間を触りはじめた。ズボンの上から何度も揉まれた。強く握ったり、擦ったりした。
「そこ…やっ…だめ……んっ…あっあ…!っ」
すでに下着の中で大きくなった下半身の逃げ場はなく、痛いとさえ感じはじめた時、カチャカチャとベルトを外している音に気づいた。片手で器用に外していく。
「まっ…て…皇琥!」
言葉を放つと同時に、勢いよくズボンを引きずり脱がされ、下着一枚になった。優里が首をもたげ、下半身を見ると、こんもりと盛り上がっていた。
「ユーリ……」
さっきと同じように苦しそうに名前を呼ぶ。
「皇琥……」
覆いかぶさられ、体を密着させてきた。なぜかとても切ない気持ちになり、優里は皇琥を抱きしめた。
優里の盛り上がった下半身に硬い物が当たった。皇琥が体を上下に動かしはじめる。
内側からぞわぞわと波が押し寄せてくる感覚。優里の理性はすでに機能していない。本能が快楽を欲している。
最後の一糸を脱がされ、束縛から解放された男根は、さらに硬く伸びやかになった。皇琥が先端を舌でもてあそぶ。その度に優里の体は反り上がり、嬌声を発した。
優里の竿を優しく口に含み、丁寧に付け根から裏筋をゆっくりと舌で何度も上下する。優里の艶かしい声はとまらない。それどころか、どんどんと声が上がり、その度に壁に声が反響する。
初めての快楽に優里の頭の中は真っ白だ。皇琥の口の中で絶頂へと達し、体をぐったりとさせた。
間髪入れず、先ほどから皇琥の指で解された後孔へ、硬く反り上がった皇琥の男根があてがわれた。そっと触れただけなのに、優里の体は反応し、何度もそり返る。
「……挿れるぞ」
皇琥の低音な艶声に、優里はコクンと頷くことしか出来なくなっていた。
双丘を持ち上げられ、菊門に皇琥の熱を帯びた先端を、何度も押し付けられる。その度に甘ったるい声が出てしまった。
クポっと先端が菊門を押し開け、中へと侵入してきた。太くて熱い質量がゆっくりと中へ侵入してくる。
「…ん…あっんっ」
松明の火のパチパチという音だけ聞こえた。
「痛かったら言え」
「……はぁ、はぁ、だい……じょうぶ。それ…より 」
言い終わらないうちに、皇琥の全てが優里の中へ収まった。
初めてにも関わらず、中がきゅうきゅうと皇琥の竿を包み込む。そして徐々に形が馴染んでくるようだった。
体中の血が沸騰するくらい、密着している箇所が熱い。
皇琥は優里の上に体重をかけた。再び上体が触れ合い、腹の辺りからじんわりと熱が広がってくる。
「優里? 大丈夫か?」
皇琥の荒い息づかいが聞こえるほどの距離で、顔を見つめた。先ほどと違い瞳に光が宿っている。
「それより、これは一体……」
目をパチリ、パチリと瞬きし、優里の顔を見つめてきた。その真剣な眼差しに釘付けされ、顔を背けることが出来ない。自然と顔が火照ってきた。
しかし、次に皇琥が放った一言で、優里の理性が本能を押し戻した。
「優里……俺たちは、一体何をしているんだ?」
「えっ…?!」
壁に目をやると、二人の繋がった影が映っていた。
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