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神聖王国と砂漠の国
第48話 見守り隊
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2人の思いが成就した時、
物陰に、草むらに、空に、多くの人が集まっていた。
声は聞こえないが、2人の姿が見える位置にグレッド様が立ち、傍にはいつの間にかヴィムクとルーカスが居た。
ガゼボ付近の草むらには、様子を見ていたアルベルトと途中から合流したレンフォード、ジェラルドがコソコソ隠れながら見守り。
反対の草むらに、ローザ姫とライラ夫人が微笑みながら潜んでいた。
そして、空には駆けつけた精霊が今にも飛び込む寸前で最高位の精霊に止められていた。
もちろん、国王のファルークは気が付いていたが、テンパっているシルフィアには、周りを気にする余裕がなかった。
グレッドは、安堵の笑みを浮かべ。
ルーカスとヴィムクも一安心といった感じでため息を一つ吐いた。
「良かったですね、シルフィア様」
「はぁ、一時はどうなる事かと……」
「これから忙しくなるな」
「構いませんよ。ですが、シルフィア嬢の警護は強化する必要がありそうですね」
「ああ。グレッド、より一層引き締めてくれよ」
「はい、分かっています」
草むらに潜んでいた、アルベルトは拳を握り締め、レンフォードやジェラルドも険しい顔をして2人をみていた。
「あっ、あんなにくっついて!そりゃ、シアには応援すると言ったけど……!」
「アルが余計な事言うから…」
「いくら陛下と言えども、キス以上は許さんぞ……ぐぐぐ」
「仕方ないだろ!シアが幸せになるなら、良いかな?って思ったんだ!」
「そこは、同意するが…だからって……」
「シアは辛い目に合ってきたのだ、王太子様よりは陛下の方がマシだろうが……むぅ」
コソコソと、小声で言い合いながらも。
ブツブツと、文句を言いながらも、誰よりもシルフィアの幸せを望む家族達だった。
アルベルト達が、ブツブツ言っていた反対の草むらには、ローザ姫とライラ夫人が居た。
小声で、ライラ夫人と盛り上がっていた。
「まぁ~、素敵ですわ!陛下とでしたら、お姉様も幸せになられますわね」
「ああ、あのクズ王太子には煮え湯を飲まされたが、シア様の幸せそうな笑顔が見れたのは僥倖だな」
「そうですわね!ですが、ここまでの過程を考えますと、お兄様やその他がした事は許されることではありませんわ!」
「魅了なんかに負けるなんて……私、とーっても怒ってますのよ?」
「分かっているよ、私もキレそうだったからな」
「復讐……、お姉様は嫌がるかしら?」
「シア様が、反対したら、ちょっとした報復で我慢しようかローザ」
「ですわね」
「お姉様は、お優しいですから。きっと、お兄様の事も、お許しになるわ」
「そうだな」
「勿論、私は、暫くは許してあげませんけれど」
「はは、そうだな」
そして、空には……
セレスティナから、駆けつけた中位精霊のミィと下位精霊達、それを止める最高位精霊ラウラがいた。
『ちょっと!離しなさいよ!主さま~』
『落ち着いてよ、今良いところなんだから』
『ミィ、おちついて』
『ラウラさま、こまる』
『だって、だって!やっと、会えたのに~』
そう言って、わんわん泣き始めるミィと、宥めながらも温かな視線で2人を見守るラウラ。
あちらこちらで騒ぎ出す声に、シルフィアも流石に気づき、顔を真っ赤に染めて俯く。
「~~~っ」
--------------------
次の更新は、来週の月曜日です。
間に合えば……(><)
よろしくお願いします( ..)"
物陰に、草むらに、空に、多くの人が集まっていた。
声は聞こえないが、2人の姿が見える位置にグレッド様が立ち、傍にはいつの間にかヴィムクとルーカスが居た。
ガゼボ付近の草むらには、様子を見ていたアルベルトと途中から合流したレンフォード、ジェラルドがコソコソ隠れながら見守り。
反対の草むらに、ローザ姫とライラ夫人が微笑みながら潜んでいた。
そして、空には駆けつけた精霊が今にも飛び込む寸前で最高位の精霊に止められていた。
もちろん、国王のファルークは気が付いていたが、テンパっているシルフィアには、周りを気にする余裕がなかった。
グレッドは、安堵の笑みを浮かべ。
ルーカスとヴィムクも一安心といった感じでため息を一つ吐いた。
「良かったですね、シルフィア様」
「はぁ、一時はどうなる事かと……」
「これから忙しくなるな」
「構いませんよ。ですが、シルフィア嬢の警護は強化する必要がありそうですね」
「ああ。グレッド、より一層引き締めてくれよ」
「はい、分かっています」
草むらに潜んでいた、アルベルトは拳を握り締め、レンフォードやジェラルドも険しい顔をして2人をみていた。
「あっ、あんなにくっついて!そりゃ、シアには応援すると言ったけど……!」
「アルが余計な事言うから…」
「いくら陛下と言えども、キス以上は許さんぞ……ぐぐぐ」
「仕方ないだろ!シアが幸せになるなら、良いかな?って思ったんだ!」
「そこは、同意するが…だからって……」
「シアは辛い目に合ってきたのだ、王太子様よりは陛下の方がマシだろうが……むぅ」
コソコソと、小声で言い合いながらも。
ブツブツと、文句を言いながらも、誰よりもシルフィアの幸せを望む家族達だった。
アルベルト達が、ブツブツ言っていた反対の草むらには、ローザ姫とライラ夫人が居た。
小声で、ライラ夫人と盛り上がっていた。
「まぁ~、素敵ですわ!陛下とでしたら、お姉様も幸せになられますわね」
「ああ、あのクズ王太子には煮え湯を飲まされたが、シア様の幸せそうな笑顔が見れたのは僥倖だな」
「そうですわね!ですが、ここまでの過程を考えますと、お兄様やその他がした事は許されることではありませんわ!」
「魅了なんかに負けるなんて……私、とーっても怒ってますのよ?」
「分かっているよ、私もキレそうだったからな」
「復讐……、お姉様は嫌がるかしら?」
「シア様が、反対したら、ちょっとした報復で我慢しようかローザ」
「ですわね」
「お姉様は、お優しいですから。きっと、お兄様の事も、お許しになるわ」
「そうだな」
「勿論、私は、暫くは許してあげませんけれど」
「はは、そうだな」
そして、空には……
セレスティナから、駆けつけた中位精霊のミィと下位精霊達、それを止める最高位精霊ラウラがいた。
『ちょっと!離しなさいよ!主さま~』
『落ち着いてよ、今良いところなんだから』
『ミィ、おちついて』
『ラウラさま、こまる』
『だって、だって!やっと、会えたのに~』
そう言って、わんわん泣き始めるミィと、宥めながらも温かな視線で2人を見守るラウラ。
あちらこちらで騒ぎ出す声に、シルフィアも流石に気づき、顔を真っ赤に染めて俯く。
「~~~っ」
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間に合えば……(><)
よろしくお願いします( ..)"
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