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オマケ ①
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場面の切り替わりが多いです。
その際には、✾✾✾で区切らせて頂きます。
ご了承ください(*ᴗˬᴗ)⁾
主に、「王家」「伯爵家」「公爵家」「元婚約者」です。
─────
レオンとリシアが結婚式を上げる少し前…
ディルグバーグ領を有する王家では、スタリオン伯爵についての詳細な情報が記された書類が山の様に届けられていた。
それは、レオン両親…主に母ラミアが部下を使って調べあげた物だった。
「これを……今から余が全て見ねばならぬのか?」
悲愴感漂う国王は、誰か手伝って貰えないか辺りを見渡しが……王妃も、王太子も宰相さえも自分たちの仕事で手一杯で誰も手を貸そうとはしなかった。
「それも、あと数日で?」
他の仕事もあるのに?と国王は続けた。
それは、王妃達も同じ事が言えた…
国王は、スタリオン伯爵についてだったが…王妃は伯爵夫人とナターシャ、王太子は公爵家、そして宰相は伯爵領と一応は分担していたのだ。
ただ……他の者達よりも、スタリオン伯爵は色々やらかしているそうで、国王の執務机は書類の山になっており、さらに床にも置かれている始末。
「あなた、文句を言っても書類は減りませんよ……手を動かして下さい」
王妃が、眉間に皺を寄せて答える。
「はぁ、仕方あるまい……」
そうして、書かれた内容の真意を確かめつつ、伯爵家の不正の数々が明らかとなった。
主に、国からの援助金の横領、虚偽の申告、密告しようとした使用人の殺害及びその家族も皆殺し。
伯爵夫人とナターシャによる浪費の数々、借金に買収。
更に、リシアの元婚約者であるアギエルと手を組みリシアに大怪我を負わせ……
「なんと言う事じゃ……」
「父上?」
「あなた?」
書類には
〖元々、リシアに大怪我を負わせる予定では無かった。
ただ、馬を驚かせて自身が転び「擦り傷程度の」怪我をする予定だった。
証言者 馬番 マイク、ナターシャのメイド ヘイミ、たまたま現場に居合わせた庭師 クルモ
全員、元スタリオン伯爵家の使用人で、現在地方の村に家族と共に暮らしている。リシアに大怪我を負わせた責任という形で追放処分となっている〗
とあった。
「これは……よく生かしてましたね…伯爵ならば、殺してる可能性があったのに……」
「リシア嬢のおかげだそうだ…」
書類には続きがあった。
〖なお、彼らは最後にこう発言した。
リシア様が目覚め、私たちの処分が決定したあと……今もこうして生きていられるのは、リシア様が私達を逃がして下さったからです。リシア様は自分が信頼出来る人物に、私達を託してくれたんです…伯爵様に知られないように……死んだように見せかけて……私達は、リシア様に死んでも返せない大恩があるんです!私達の証言が必要なら、喜んで王都にも彼らの前にも行きます!!と。〗
「全く、とんでもない事だな……」
「ですが……リシアさんのおかげで、重要な証言と証拠は得られました」
そう彼らは、自分達を捨て駒にした伯爵家に一矢報いようと、いくつかの書類を持ち出していた。
それは、王家に虚偽の申告をした際の本来の書類や借用書、自身で手を下さず殺人の依頼をした依頼書などだった。
そうして、伯爵家はリシアたちの結婚式の前に取り潰される事となった。
✾✾✾
そして、取り潰されることが決定した伯爵家では……
「な、なんだと?!」
「なんですってぇ?!」
スタリオン伯爵夫妻は数人の使用人に囲まれ、頭から湯気が出る勢いで怒鳴っていた。
「私を告発するだと?!どういう事だ!」
「……ずっと、我慢して来ました……私達が何かする度に、リシアお嬢様に危害を加える旦那様を見てからずっと……。お嬢様がディルグバーグ様の元に行かれた今、旦那様に従う理由はもう何もありません!」
「貴様らの家族全員殺してもいいんだぞ!?」
「みな、覚悟の上ですっ!もう、あなたの元で働くのは限界だ!」
そう言って、使用人は部屋を出ていこうとドアの取っ手に手をかける。……が、後ろからナイフが飛んできて、ドアに突き刺さった。
「俺をここで殺しても、俺の家族が国に訴えますよ?」
「その前に、殺せばいい」
使用人は、殺されるかも知れない状況でも毅然と伯爵に立ち向かった。伯爵は、机の脇に置いてあった鞭を手に取ると、嫌な笑みを浮かべながら使用人達の前に立った。
「貴様らの態度には、私も思う所があったのだ……ただ殺すよりも、苦しみながら殺してくれるわ」
「あなた、私も参加するわ。恨むなら、リシアを恨みながら死になさい?」
「私達が、リシアお嬢様を恨むなど、死んでもありえませんね」
「生意気な……っ」
伯爵が、鞭を振り上げ1歩近付いた時……屋敷内が急に騒がしくなった。そして、ドカドカと大きな足音をたてて屋敷内を走る誰か…
そして、伯爵のいる部屋がノックも無しに開かれ……
「何事だ?!」
「ジュード・スタリオン伯爵で間違いないな」
入ってきたのは、騎士だった。
1番前に立っているのは、国王が強い信頼を寄せているという噂の騎士団長だ。
騎士団長は、伯爵が持つ鞭に目をとめ隣の夫人に目を移した。
「ジュリア・スタリオン伯爵夫人だな」
騎士団長は、手に持っていた手配書で顔を確認し部下の騎士に拘束を命じた。
「な、何をする?!私を誰だと……っ!」
「ちょっと!離しなさいよっ!!」
次に騎士団長は、使用人に目を向けた。
「無事かな?」
「ええ、何とか……助かりました。ありがとうございます」
「全く、無茶をする……」
老齢の執事が、騎士団長に頭を下げた。
老齢の執事も、他の使用人も誰一人伯爵夫妻に恐怖している者はいなかった。
先程、使用人の1人が言ったように……みんな死ぬ覚悟の元、伯爵に会いに行ったのだ。
なぜ、わざわざ伯爵の元に向かったのかは…、王家から老齢の執事の元に内密で指示があったから。
騎士団が行くまで、伯爵夫妻に気取られることなく逃げられることなく、監視していて欲しい……と。
だから、リシアを大事に思う使用人達で、伯爵の元に行き告発すると言い出したのだ。
そうすれば、時間を稼げると……誰かは亡くなるかも知れない。けれど、これで確実に伯爵を追い詰められる……と。
こうして、スタリオン伯爵は多くの人を死に追いやったとして処刑が言い渡された。夫人は、幽閉地の地下にて、一生死ぬまで幽閉の身となった……。
────
ちょっと、5000文字を超えそうでしたので、2話に分けましたm(_ _)m
元婚約者のその後は、最後になります:( ;´꒳`;):
その際には、✾✾✾で区切らせて頂きます。
ご了承ください(*ᴗˬᴗ)⁾
主に、「王家」「伯爵家」「公爵家」「元婚約者」です。
─────
レオンとリシアが結婚式を上げる少し前…
ディルグバーグ領を有する王家では、スタリオン伯爵についての詳細な情報が記された書類が山の様に届けられていた。
それは、レオン両親…主に母ラミアが部下を使って調べあげた物だった。
「これを……今から余が全て見ねばならぬのか?」
悲愴感漂う国王は、誰か手伝って貰えないか辺りを見渡しが……王妃も、王太子も宰相さえも自分たちの仕事で手一杯で誰も手を貸そうとはしなかった。
「それも、あと数日で?」
他の仕事もあるのに?と国王は続けた。
それは、王妃達も同じ事が言えた…
国王は、スタリオン伯爵についてだったが…王妃は伯爵夫人とナターシャ、王太子は公爵家、そして宰相は伯爵領と一応は分担していたのだ。
ただ……他の者達よりも、スタリオン伯爵は色々やらかしているそうで、国王の執務机は書類の山になっており、さらに床にも置かれている始末。
「あなた、文句を言っても書類は減りませんよ……手を動かして下さい」
王妃が、眉間に皺を寄せて答える。
「はぁ、仕方あるまい……」
そうして、書かれた内容の真意を確かめつつ、伯爵家の不正の数々が明らかとなった。
主に、国からの援助金の横領、虚偽の申告、密告しようとした使用人の殺害及びその家族も皆殺し。
伯爵夫人とナターシャによる浪費の数々、借金に買収。
更に、リシアの元婚約者であるアギエルと手を組みリシアに大怪我を負わせ……
「なんと言う事じゃ……」
「父上?」
「あなた?」
書類には
〖元々、リシアに大怪我を負わせる予定では無かった。
ただ、馬を驚かせて自身が転び「擦り傷程度の」怪我をする予定だった。
証言者 馬番 マイク、ナターシャのメイド ヘイミ、たまたま現場に居合わせた庭師 クルモ
全員、元スタリオン伯爵家の使用人で、現在地方の村に家族と共に暮らしている。リシアに大怪我を負わせた責任という形で追放処分となっている〗
とあった。
「これは……よく生かしてましたね…伯爵ならば、殺してる可能性があったのに……」
「リシア嬢のおかげだそうだ…」
書類には続きがあった。
〖なお、彼らは最後にこう発言した。
リシア様が目覚め、私たちの処分が決定したあと……今もこうして生きていられるのは、リシア様が私達を逃がして下さったからです。リシア様は自分が信頼出来る人物に、私達を託してくれたんです…伯爵様に知られないように……死んだように見せかけて……私達は、リシア様に死んでも返せない大恩があるんです!私達の証言が必要なら、喜んで王都にも彼らの前にも行きます!!と。〗
「全く、とんでもない事だな……」
「ですが……リシアさんのおかげで、重要な証言と証拠は得られました」
そう彼らは、自分達を捨て駒にした伯爵家に一矢報いようと、いくつかの書類を持ち出していた。
それは、王家に虚偽の申告をした際の本来の書類や借用書、自身で手を下さず殺人の依頼をした依頼書などだった。
そうして、伯爵家はリシアたちの結婚式の前に取り潰される事となった。
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そして、取り潰されることが決定した伯爵家では……
「な、なんだと?!」
「なんですってぇ?!」
スタリオン伯爵夫妻は数人の使用人に囲まれ、頭から湯気が出る勢いで怒鳴っていた。
「私を告発するだと?!どういう事だ!」
「……ずっと、我慢して来ました……私達が何かする度に、リシアお嬢様に危害を加える旦那様を見てからずっと……。お嬢様がディルグバーグ様の元に行かれた今、旦那様に従う理由はもう何もありません!」
「貴様らの家族全員殺してもいいんだぞ!?」
「みな、覚悟の上ですっ!もう、あなたの元で働くのは限界だ!」
そう言って、使用人は部屋を出ていこうとドアの取っ手に手をかける。……が、後ろからナイフが飛んできて、ドアに突き刺さった。
「俺をここで殺しても、俺の家族が国に訴えますよ?」
「その前に、殺せばいい」
使用人は、殺されるかも知れない状況でも毅然と伯爵に立ち向かった。伯爵は、机の脇に置いてあった鞭を手に取ると、嫌な笑みを浮かべながら使用人達の前に立った。
「貴様らの態度には、私も思う所があったのだ……ただ殺すよりも、苦しみながら殺してくれるわ」
「あなた、私も参加するわ。恨むなら、リシアを恨みながら死になさい?」
「私達が、リシアお嬢様を恨むなど、死んでもありえませんね」
「生意気な……っ」
伯爵が、鞭を振り上げ1歩近付いた時……屋敷内が急に騒がしくなった。そして、ドカドカと大きな足音をたてて屋敷内を走る誰か…
そして、伯爵のいる部屋がノックも無しに開かれ……
「何事だ?!」
「ジュード・スタリオン伯爵で間違いないな」
入ってきたのは、騎士だった。
1番前に立っているのは、国王が強い信頼を寄せているという噂の騎士団長だ。
騎士団長は、伯爵が持つ鞭に目をとめ隣の夫人に目を移した。
「ジュリア・スタリオン伯爵夫人だな」
騎士団長は、手に持っていた手配書で顔を確認し部下の騎士に拘束を命じた。
「な、何をする?!私を誰だと……っ!」
「ちょっと!離しなさいよっ!!」
次に騎士団長は、使用人に目を向けた。
「無事かな?」
「ええ、何とか……助かりました。ありがとうございます」
「全く、無茶をする……」
老齢の執事が、騎士団長に頭を下げた。
老齢の執事も、他の使用人も誰一人伯爵夫妻に恐怖している者はいなかった。
先程、使用人の1人が言ったように……みんな死ぬ覚悟の元、伯爵に会いに行ったのだ。
なぜ、わざわざ伯爵の元に向かったのかは…、王家から老齢の執事の元に内密で指示があったから。
騎士団が行くまで、伯爵夫妻に気取られることなく逃げられることなく、監視していて欲しい……と。
だから、リシアを大事に思う使用人達で、伯爵の元に行き告発すると言い出したのだ。
そうすれば、時間を稼げると……誰かは亡くなるかも知れない。けれど、これで確実に伯爵を追い詰められる……と。
こうして、スタリオン伯爵は多くの人を死に追いやったとして処刑が言い渡された。夫人は、幽閉地の地下にて、一生死ぬまで幽閉の身となった……。
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ちょっと、5000文字を超えそうでしたので、2話に分けましたm(_ _)m
元婚約者のその後は、最後になります:( ;´꒳`;):
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