25 / 38
本編
閑話④ 水と風の報復
しおりを挟む
「ねぇ、フィー」
「なに?ディー」
深い青い髪を靡かせて、水の最高位ディーネが振り返る。羽の様な新緑の髪をピコピコと動かし小さな精霊が答える。
「わたし、リアの元に早く行きたい」
「それは、同感」
ディーネが生み出した水を、風を操り形を変えて遊ぶフィール。
空高く、空気も少ないこの場所は、ボクの住処……だった所。
もう出てくから、住処は消したけど……
「だからね!さっさと報復してリアの所に行こぅ!」
「う~ん、早過ぎない?あんまり早いと、精霊界への影響が強くなるよ」
ボクだって、早くリアの元に行きたいよ?
でもさ、実際問題、精霊界が持たないんだよね。ちょっと、フラウゼル王国に手を出しただけで、精霊界は負の瘴気が吹き出し始めた。
「うー、分かってるわよ!でもさぁ」
『構わぬ』
「「王様!!」」
『好きにやれば良い。精霊界は、我が支えておる。報復した後、たまに手を貸して貰うがの』
「やった!王様の許しを得たわ!勿論、精霊界を守る為の力は貸すわよ!精霊界に何かあったら、リアにも影響出ちゃうもんね!」
「あーぁ、許しちゃった。ボク、どうなっても知らないよ?」
ちょっボクの忠告無視して帰っちゃうし、もう!本当に知らないかんね。
精霊王が許可しちゃった事で、ディーネが暴走をしても、ボクは止められないかんね!
ボクとディーネは、王都の上空で本来の姿に戻った。
ディーネは、深い海色の髪に下半身は魚という姿をしている。
水の最高位 ディーネ・アクア
ぼくフィールは、新緑の髪に、背中には同じ色の体を覆うほどの大きさの羽がある。
風の最高位 フィール・ラファーガ
ボクらと王の愛し子を、傷つけた愚か者たちに裁きを……
「さっ、フィールやるわよっ!!」
「おっけー♪」
水のディーネ、風のフィールが、フラウゼル王国 王都上空で手を取り合い、頷き力を集中させだした。
すると、そこに雨雲が発生し、風が渦を巻き始めた。忽ち雨が降り、嵐に変わる。
精霊達は、王国にいた無関係な平民を、善良な冒険者達に頼み隣国に全員避難させた。
但し、平民と言えど、リアを苛め貶めたものには、手を差し伸べる事はしなかった。
彼らは、隣国の王に接触し、平民を保護するよう頼み込んだ。王を説得したのは自分たちではなく、聖のヴァルであったが…。
故に、今現在王国に、王都にいるのは、リアを傷つけた者達だけ……
「だから、遠慮する必要は無いわよね!」
「そうだけどぉ、良いのかなぁ?」
良いのかなぁ?とか言いながらも、フィールは手を抜く事はしない。
程なくして、嵐は更に酷くなり、至る所で竜巻が発生しだした。
ディーネとフィールは、もう何も力を使っていない……後は自然の力で、どんどん悪化するだけだ。
「まっ!7日7晩で収まるわよ」
「そうだね、じゃないと逃げれなくなるしねぇ」
「まだ、ファルとノーブの報復も待ってるしねっ!」
「キースとルークもだよねぇ」
2人はクスクス笑いながら、セラフィム帝国に向けて出発する事にした。
いつまでも、こんな国にいたくなかったからだ。
「ねぇ、ファル達はきっと、噴火やら地震やらだよね!」
「うん。ルーク達は……太陽を隠し月をも隠すかなぁ?そうしたら、国は真っ暗だねぇ」
「ヴァルの力も無くしてるから、魔物もうじゃうじゃよっ!」
何が楽しいのか分からないが、2人は楽しそうにお喋りに花を咲かせていた。話してる内容は、とても物騒だけれど……。
精霊の報復は始まったばかりである。
「なに?ディー」
深い青い髪を靡かせて、水の最高位ディーネが振り返る。羽の様な新緑の髪をピコピコと動かし小さな精霊が答える。
「わたし、リアの元に早く行きたい」
「それは、同感」
ディーネが生み出した水を、風を操り形を変えて遊ぶフィール。
空高く、空気も少ないこの場所は、ボクの住処……だった所。
もう出てくから、住処は消したけど……
「だからね!さっさと報復してリアの所に行こぅ!」
「う~ん、早過ぎない?あんまり早いと、精霊界への影響が強くなるよ」
ボクだって、早くリアの元に行きたいよ?
でもさ、実際問題、精霊界が持たないんだよね。ちょっと、フラウゼル王国に手を出しただけで、精霊界は負の瘴気が吹き出し始めた。
「うー、分かってるわよ!でもさぁ」
『構わぬ』
「「王様!!」」
『好きにやれば良い。精霊界は、我が支えておる。報復した後、たまに手を貸して貰うがの』
「やった!王様の許しを得たわ!勿論、精霊界を守る為の力は貸すわよ!精霊界に何かあったら、リアにも影響出ちゃうもんね!」
「あーぁ、許しちゃった。ボク、どうなっても知らないよ?」
ちょっボクの忠告無視して帰っちゃうし、もう!本当に知らないかんね。
精霊王が許可しちゃった事で、ディーネが暴走をしても、ボクは止められないかんね!
ボクとディーネは、王都の上空で本来の姿に戻った。
ディーネは、深い海色の髪に下半身は魚という姿をしている。
水の最高位 ディーネ・アクア
ぼくフィールは、新緑の髪に、背中には同じ色の体を覆うほどの大きさの羽がある。
風の最高位 フィール・ラファーガ
ボクらと王の愛し子を、傷つけた愚か者たちに裁きを……
「さっ、フィールやるわよっ!!」
「おっけー♪」
水のディーネ、風のフィールが、フラウゼル王国 王都上空で手を取り合い、頷き力を集中させだした。
すると、そこに雨雲が発生し、風が渦を巻き始めた。忽ち雨が降り、嵐に変わる。
精霊達は、王国にいた無関係な平民を、善良な冒険者達に頼み隣国に全員避難させた。
但し、平民と言えど、リアを苛め貶めたものには、手を差し伸べる事はしなかった。
彼らは、隣国の王に接触し、平民を保護するよう頼み込んだ。王を説得したのは自分たちではなく、聖のヴァルであったが…。
故に、今現在王国に、王都にいるのは、リアを傷つけた者達だけ……
「だから、遠慮する必要は無いわよね!」
「そうだけどぉ、良いのかなぁ?」
良いのかなぁ?とか言いながらも、フィールは手を抜く事はしない。
程なくして、嵐は更に酷くなり、至る所で竜巻が発生しだした。
ディーネとフィールは、もう何も力を使っていない……後は自然の力で、どんどん悪化するだけだ。
「まっ!7日7晩で収まるわよ」
「そうだね、じゃないと逃げれなくなるしねぇ」
「まだ、ファルとノーブの報復も待ってるしねっ!」
「キースとルークもだよねぇ」
2人はクスクス笑いながら、セラフィム帝国に向けて出発する事にした。
いつまでも、こんな国にいたくなかったからだ。
「ねぇ、ファル達はきっと、噴火やら地震やらだよね!」
「うん。ルーク達は……太陽を隠し月をも隠すかなぁ?そうしたら、国は真っ暗だねぇ」
「ヴァルの力も無くしてるから、魔物もうじゃうじゃよっ!」
何が楽しいのか分からないが、2人は楽しそうにお喋りに花を咲かせていた。話してる内容は、とても物騒だけれど……。
精霊の報復は始まったばかりである。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
4,550
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる