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本編
鑑定魔法②
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昨日とは違って、謁見室には数人の貴族の方と宰相様とアインス皇帝陛下、皇太后陛下がいた。
そして、上段の前には石版があって、横に若い男性の方が立っていた。
ローブに身を包み、黒く長い髪を一括りに縛った男性だった。
「来たか、セシリア」
「セシリア、大丈夫ですか?」
アインス陛下と皇太后様が、心配そうに尋ねてきたので、「大丈夫です」と答えた。
「大丈夫そうなら、鑑定魔法を受けてもらいたいのだが、構わないな」
「はい」
「だが!途中で具合が悪くなったり、違和感を感じたら必ず言うように、よいな?」
「は、はい」
凄く心配させたみたいです。念を押されました…
「では、鑑定魔法については私から説明させて頂きますね」
石版の隣にいた男性が、私の前に進み出て鑑定魔法について説明をしてくれた。
「私が貴方に鑑定の魔法をかけますと、この石版に鑑定の結果が浮き出てきます。痛い事はありませんので、安心して下さいね。鑑定が終わったら石版が光りますので、そしたら、セシリア様には確認をお願いしたいのです」
「確認?ですか?」
「そうです。見られたくない項目があれば、文字をなぞる事で消すことが出来ます。ですが、もし良ければ、消した項目だけでも教えて頂けますか?」
「??」
「答えは聞きません。消した項目だけ、教えて頂きたいのです。例えば、歳を知られたくなければ年齢と答えて頂ければ良いのです」
「答えは言わなくていいが、消した項目だけでも教えて貰えると、今後何かあった時に対処が出来るんだ」
「分かりました」
鑑定魔法士の方が説明してくれて、陛下も丁寧に教えてくれたお陰で、何となく分かってきました。
「ではセシリア様、こちらの椅子におかけ下さいますか?」
「は、はい」
少し緊張してしまう。
痛い事はないって、鑑定士の方が言ってたから大丈夫だと思うけど、やっぱり少し不安かな。
「では、始めます。
我が瞳は、真を写し出す鏡
我はその力を持って、彼の者の真を石版に書き記す。……鑑定!!」
鑑定士の方が呪文を唱えると、石版が淡く光りだした。見えないペンが、石版に文字を刻んでいく。
周りの皆が、その光景を固唾を飲んで見守っていた。
見えないペンが最後の文字を書き上げると、石版の光が収まった。
光が収まったのを確認すると、鑑定士の方が私に向き直り、どうぞと石版を示した。
私は、ゆっくりと石版の元に歩み寄り覗き込む。そこに書かれていたのは……
セシリア
旧シルヴィアス家三女 年齢13歳 女性
バルディオス・シルヴィアスとセリナ・ディオーネとの間に生まれた。
体力=25(MAX 2000)
魔力=10(MAX ∞)
能力 精霊眼、精霊石作成、精霊付加
契約 精霊王 ランティス
加護 精霊王の愛し子、最高位精霊の愛し子
状態 虚弱の呪い、成長妨害、心的外傷、打撲、衰弱etc
と記されていた。
「凄い……」
「消す項目はありますか?」
鑑定士の方に聞かれ、急いで全てを呼んでみた。すると、契約の所で…「俺の名は、お前だけが知っておれば良い」と言う彼の言葉を思い出し、ゆっくりと撫でた。
彼女が石版に指を走らせたのを、みなが見ていた。
「あの、契約の本当の名前、消しました。内緒だから……と」
「ああ、契約した者の真名か…納得した。それ以外で消すところは?」
「ありません」
「なら、俺たちが見ても問題ないか?」
「大丈夫です」
セシリアの言葉を聞いたリヒテル宰相が、石版の元に向かい手に取ると、アインス皇帝に手渡した。
アインス陛下が石版に目を通すと、驚いた顔になって私を見た。
「なっ!!」
そして、上段の前には石版があって、横に若い男性の方が立っていた。
ローブに身を包み、黒く長い髪を一括りに縛った男性だった。
「来たか、セシリア」
「セシリア、大丈夫ですか?」
アインス陛下と皇太后様が、心配そうに尋ねてきたので、「大丈夫です」と答えた。
「大丈夫そうなら、鑑定魔法を受けてもらいたいのだが、構わないな」
「はい」
「だが!途中で具合が悪くなったり、違和感を感じたら必ず言うように、よいな?」
「は、はい」
凄く心配させたみたいです。念を押されました…
「では、鑑定魔法については私から説明させて頂きますね」
石版の隣にいた男性が、私の前に進み出て鑑定魔法について説明をしてくれた。
「私が貴方に鑑定の魔法をかけますと、この石版に鑑定の結果が浮き出てきます。痛い事はありませんので、安心して下さいね。鑑定が終わったら石版が光りますので、そしたら、セシリア様には確認をお願いしたいのです」
「確認?ですか?」
「そうです。見られたくない項目があれば、文字をなぞる事で消すことが出来ます。ですが、もし良ければ、消した項目だけでも教えて頂けますか?」
「??」
「答えは聞きません。消した項目だけ、教えて頂きたいのです。例えば、歳を知られたくなければ年齢と答えて頂ければ良いのです」
「答えは言わなくていいが、消した項目だけでも教えて貰えると、今後何かあった時に対処が出来るんだ」
「分かりました」
鑑定魔法士の方が説明してくれて、陛下も丁寧に教えてくれたお陰で、何となく分かってきました。
「ではセシリア様、こちらの椅子におかけ下さいますか?」
「は、はい」
少し緊張してしまう。
痛い事はないって、鑑定士の方が言ってたから大丈夫だと思うけど、やっぱり少し不安かな。
「では、始めます。
我が瞳は、真を写し出す鏡
我はその力を持って、彼の者の真を石版に書き記す。……鑑定!!」
鑑定士の方が呪文を唱えると、石版が淡く光りだした。見えないペンが、石版に文字を刻んでいく。
周りの皆が、その光景を固唾を飲んで見守っていた。
見えないペンが最後の文字を書き上げると、石版の光が収まった。
光が収まったのを確認すると、鑑定士の方が私に向き直り、どうぞと石版を示した。
私は、ゆっくりと石版の元に歩み寄り覗き込む。そこに書かれていたのは……
セシリア
旧シルヴィアス家三女 年齢13歳 女性
バルディオス・シルヴィアスとセリナ・ディオーネとの間に生まれた。
体力=25(MAX 2000)
魔力=10(MAX ∞)
能力 精霊眼、精霊石作成、精霊付加
契約 精霊王 ランティス
加護 精霊王の愛し子、最高位精霊の愛し子
状態 虚弱の呪い、成長妨害、心的外傷、打撲、衰弱etc
と記されていた。
「凄い……」
「消す項目はありますか?」
鑑定士の方に聞かれ、急いで全てを呼んでみた。すると、契約の所で…「俺の名は、お前だけが知っておれば良い」と言う彼の言葉を思い出し、ゆっくりと撫でた。
彼女が石版に指を走らせたのを、みなが見ていた。
「あの、契約の本当の名前、消しました。内緒だから……と」
「ああ、契約した者の真名か…納得した。それ以外で消すところは?」
「ありません」
「なら、俺たちが見ても問題ないか?」
「大丈夫です」
セシリアの言葉を聞いたリヒテル宰相が、石版の元に向かい手に取ると、アインス皇帝に手渡した。
アインス陛下が石版に目を通すと、驚いた顔になって私を見た。
「なっ!!」
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