【完結】嫌われている...母様の命を奪った私を

紫宛

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第3話 サーシャ視点(R15指定)

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★暴力、暴言、女性に対する人権侵害等の発言が多数出てきます。
な方は、ご遠慮下さい。
★自己の判断で、この話を読むかご判断下さい。自分の責任で読むと判断したならば、どうかお願いです(ᴗ͈ˬᴗ͈⸝⸝)
作者を否定するような感想は、ご遠慮下さるよう、よろしくお願いいたします。

─────

……なぜ、私がこんな目にあわなくてはいけないの……?
私は、ただ、あの方に愛されたかっただけなのに……

あの女が、あの方の隣に立った事が許せなかっただけなのに……

死んだあの女の代わりに、ガキに復讐をしただけなのに……なぜ!?



私は、目の前の光景に目を疑った。何度も何度も、これは夢だと目を瞑ったのに……どんなに目を瞑っても、変わることのない光景が広がっている。

「アギャァアアアァァァ!!」
「グゥア……ガがギガァァァ!」

ある者は、舌を引きちぎられ…
またある者は、両足をノコギリで切られた。

みな、あの屋敷の使用人達だ。

「いぁ……いだああぁぁぁ!」
「ゆるじでぇ!……ゆるじでぇ!」 

また、違う叫びが場を支配する。

1人は私の娘でサリア…、サリアは先程から、フードを被った男に蹴り飛ばされては転がっていた。

もう1人は、あの屋敷のメイド長…、彼女は、正座の姿勢で固定され膝の上に重い石を何個も乗せられていた。

私は……、私は何をされるの……?

何度助けを乞うても、私と目を合わせてくれない。

なんで……なんで…?
わたしが……こんな目に……



※※※※※

私があのお方と初めて出会ったのは、ヴェルグ様の家のお茶会だった。その時に私サーシャとヴェルグ様、そして憎きケイナの3人は出会い仲良くなったわ。幼なじみと言える程に……。

あの時はまだ、こんなに憎く思わなかった。良くイタズラしては怒られて、3人で沢山遊んだわ。王立学園でもそう、私たち3人は、よく一緒にいたわね。気が付いたら、ヴェルグ様の婚約者にケイナが選ばれていて…
学園を卒業し、花嫁修業をして数年後に結婚したわね。

許せなかったわ……憎かった……なんど、何度呪い殺してやろうかと思ったか!

それを何とか思い留まれたのは、私にも婚約者が出来たから……

愛していた訳じゃない……でも、を愛してるって言ってくれたから…

でも、あの人……いつもいつもケイナを見つめていたわ!!! 
お酒に酔った時に問い詰めたら『本当はケイナを愛してた』ですってぇ!!!

許せない……許せなかった……

だから、殺したの……あの人を…酒に毒を仕込んで…。子供だって作ったのに、私だけを見てくれない人なんて……

い ら な い

あの女も……さえしなければ……

1人目の時は、死ななかったわ……
でも2人目で、やっと死んでくれた……

私からのお菓子をー何の疑いもなく食べるなんて不用心なのよ……お陰で私は貴方を殺せたのだけれど

そして、ヴェルグ様に近づいたのにっ!!

なのに!!

私と再婚する気は無いって言ったのよ?!
それどころか、私に子育てを頼んで来たの!!

子育てをした事があって、幼なじみだからって!馬鹿じゃないの?!!嫌よ!



そう思ったけれど、ヴェルグ様に恩を売れば、後々何かの役に立つと思ったから……。

娘を連れて、屋敷に行ったのよ!

そして、屋敷の使用人の話を聞けば、ガキが生まれた事で、ケイナは亡くなったと言うじゃない?!!

使えると思ったわよね!
本当は私が毒で殺したのだけど……ガキのせいだって思ってるなら、それを利用してガキをいたぶって復讐しようと思ったのよ。

使用人達も、ガキを嫌っていたようだから、参加させてあげたの。

あの方も、ご子息様も、帰って来なかったからやりやすかったわ!


「お前がケイナの命を奪ったのよ。お前が生まれたから、ケイナは死んだの」
「お前の存在そのものが罪なのです!ケイナ様が死んだのは、お前のせいだ!」


殴って蹴って、鞭や棒を使って……
生爪を剥がし、骨を折ってやり、焼きごてを使って、焼印を作る。

言葉と暴力でズタズタに痛め付けてやると、私の中のモヤモヤした何かが晴れていくの。

13年……

これからも、復讐の毎日が続いて行くと思っていたのに……

あの方達が急に帰ってきたの……何の知らせもなく。



私達のした事がバレて、使用人共々どこかに連れて行かれて……拷問の数々よっ!!

娘や使用人共は、私に恨み言をいうしっ



なぜわたしがこんなめにあわないといけないのよ……

もう


し な せ て 

「死ねませんよ……13年は」
「え?」
「あなた方は、13年、お嬢様と同じだけの苦しみを、痛みを味わうのですから」

悪魔のような言葉が、私の頭に響く……

「あぁ、その服も必要ありませんでしたね。脱がせなさい」

フードを被った男が、近くに居た男達に命令すると、そいつらは無表情で近付き、私達の服を脱がし始めた。

下着姿にされ、……そして、下着すらも剥ぎ取られた。

「何するのよ!」
「では、コレを身に付けなさい」

渡されたのは、穴のあいた布……見覚えがある……

「まさか……」
「そうですよ……お嬢様が何年も身に付けていた物です。言ったでしょう?お嬢様と同じ目に合わせる……と」

布を渡された男達が乱暴に、私達の首に布を通す……こんな格好で冬を越すなんて無理よっ!!

「お願い……助けて、何でもするから……ね?」

娘が上目遣いで男に媚びるも、顔面を殴られて失神した。

「失礼。あなた方の相手を任されました、責任者のバニッシュと申します。よろしくお願いしますね」

フードを取った男は、

……!!!!



「兄を殺した貴方を、僕は許しません。ヴェルグ様には、感謝しかありませんよ。貴方の相手に、僕を指名して下さったんですから……あぁ、それから貴方がケイナ様を殺した事も、伝えておきましたよ。兄と同じ毒を使うなんて……貴方は馬鹿ですね」

そんな……そんな……そんな!!

元旦那の弟……!!

なんで?!行方不明って聞いたのにっ!!

「僕が、旦那様や坊っちゃま、ネリスお嬢様の代わりに、痛めつけて差し上げます。死なせてと懇願しても許しません。13年、付き合って頂きますよ」

ほの暗い輝きを宿した瞳で見つめられ、私は絶望した。


~完~



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