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第2話
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少し長くなりました。
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「どうした?何の騒ぎだ?」
その声に顔を上げる。
ようやく来て下さいましたか、国王陛下。
「エリーシュ殿?どうしたのだ?」
この場に現れた救世主は、国王陛下と王妃、私の婚約者であるカルディオ様、そして、王太子殿下である。
宰相様は一緒ではないらしい。
「それが、陛下……困った事になりましたの。話が通じなくて……」
頬に手を添えて、小首をコテンと傾げる。
カルディオ様が近付いてきて、肩を抱き寄せ『大丈夫か?』と耳元で声がする。カルディオの胸に額を付け短く返事をする。
それを見た、バカンド様が、また喚き散らします。
「貴様!やはり、浮気か!!許せん!国外追放だ!!!!」
「なんだと?」
「ヒッ」
声を荒げて宣言した言葉を聞いたカルディオ様が、戦場で放つオーラを纏い相手を睨み付けた。
「無礼な男だな、我が妻となる女性に浮気だと?!」
底冷えするような、地の底から響くような声音に私ですらもビクッと肩を揺らしてしまう。
「……と、大丈夫か?すまぬ、そなたを怖がらせるつもりは無いのだ」
先程とは打って変わって、優しい声音で語りかけるカルディオ様に顔を上げて『大丈夫ですわ』と笑いかける。
そこに、場違いな黄色い声が響く。
「きゃぁ、カルディオさまぁ!素敵ですわぁ~」
「「え?」」
「そんな女放って、私と行きましょうよぉ」
「ね?」
「断る」
「え~?どぉしてですかぁ?そんな女より、私の方がいい女ですわよ?」
と言って胸元を強調しながら、カルディオ様に撓垂れ掛かる。
カルディオ様の腕に抱き着き、胸を押し付け『うふふ』と笑っている。
その顔には、『勝った!』と書いてあった。
ですが、カルディオ様が女の色香に騙されるほど馬鹿ではありません。先程『断る』と言ったのがきこえなかったのでしょうか?さっさと、その手を話した方が身のためだと思いますのに……
「離せ、汚らわしい!」
腕を振り払い、後ろに突き飛ばされたマモレイナ様は、バカンド様に抱き止められていた。そして、大袈裟に叫び出した。
「きゃあ!」
「だ、大丈夫か?」
「女性を突飛ばすとは、最低な行いだと思いますよ辺境伯殿」
「どいて、僕が懲らしめてあげる」
臨戦態勢に入ったバカンド様と、マモレイナ様を慕う男性達だが、喧嘩を売る相手、間違ってませんか?
相手は英雄ですのよ?
「全く、お前達は何をしている?このパーティーにお前達を招待した覚えはないぞ?」
王太子が眉間を揉みほぐし、アホを見る目でバカンド様を見やった。
王妃は、私を馬鹿にした彼らに冷たい眼差しを送っていて、国王は、近くにいた騎士に宰相を呼ぶよう指示している。
「何を言っているのですか、レイナは春の聖女、参加するのは当然ではありませんか?」
「エリーシュは良くて、レイナがダメだなんて…卑怯ではありませんか」
私が参加するのは当然です。
今回の戦いには、私も参戦していたのですから……
「エリーシュ殿が参加するのは当然だ。彼女は、そこの桜の姫巫女の代わりに戦場に出向いてくれたのだからな」
そうです。
今回の戦いに於いて、桜の姫巫女は出陣を厳命されていた。
……にも関わらず、いざ戦場を前にして敵前逃亡を測ったのです。
お陰で、多くの騎士達が死線をさ迷うことになったのです。
梨の姫巫女、日華の姫巫女は、今回の戦いに出向出来ない確かな理由があり、私に白羽の矢がたちました。
急いで、戦場に赴けば沢山の騎士が死にかけていて……癒すのが、後一歩遅れていたら皆死んでいたでしょう。
「なに?人気取りでもしたかったの?氷の」
「違います」
「それとも、カルディオ様に取り入りたくて?」
「違います!」
「私がモテるのが気に入らなかったんでしょう?」
「違います!!」
「貴方に、カルディオ様は相応しくありませんわ、だって私を階段から突き落とすような女なんですから」
「カルディオさまぁ、この女は本当に最低な女なんですよぉ、私の元にいらしてくださいな」
「お前は、バカ…バカンド殿が好きなんだろう、私はお前が嫌いだ」
「バカンド様も、勿論好きですが、1番はカルディオ様ですのよ」
「それ以上近付けば殺す」
「ヒッ……」
なんて言うか、図太いですよね。
突き飛ばされても尚、向かってくるんですもの。
「何をやっているんだ?!」
あら?来ましたわね宰相
「陛下!これは一体……?」
王妃と王太子が、二人がかりで状況を説明している。
すると、見る見るうちに顔から表情と色をなくしていく宰相。
チラッと私を見て、息子に目線をやる。
カルディオ様に誘惑の視線を絶え間なく送るマモレイナ様とそんな彼女を愛しげに見つめるバカンド様。
そこに侯爵夫人も駆けつけ、顔を真っ青に染め私に頭を下げる。
「申し訳ありませんわ!エリーシュ様」
バタバタと足音がして、騎士団長、魔法局長も駆け付けてきた。
2人は自分の子らの頭を押さえ付け、私に謝罪をさせようとしているが……
「何をするのですか!父上!」
「父様?痛いです…!」
2人は全然反省していません。
これでは、謝罪を受け入れるのは無理ですわね。ふいっと、顔を背け謝罪を拒否する姿勢をとると『申し訳ない!』と言い、2人をどこかに連れていった。
そうして、残ったのはバカンド様とマモレイナ様だけとなった。
「な、によ!あんた、邪魔なのよ!」
一陣の風が吹き、桜の花びらが舞う。
攻撃の意志を持って、私の体を引き裂く。
同時に、氷が周囲に張り巡らされ、会場に来ていた同盟諸国の要人や貴族を守る盾を作る。
「……っ!」
「エリーシュ!?」
「エリーシュ様……!」
「馬鹿な……!」
「奴らはアホなのか!?」
会場に悲鳴が響き渡る。
床に膝をついて、息を整える。
「大丈夫か!?エリーシュ!」
「大丈……夫、ですわ」
こんな所で、聖女の力を使うなんて……
何を考えているのかしら…
「あっは、あっはははは!」
「よっわ!そんな弱くて、よく聖女なんて言えたわね!!あははは」
「き……さま!」
「騎士達よ!捕らえよ!」
「きゃあ!何すんのよ!?」
「おい、止めろ!」
「もぉ!私に手を出すなら、あんた達もアイツと同じ目に遭わせてやるんだから!」
だが、何も起きない。
「な……なんでよ!?」
「どうしたんだ?早く奴らを切り刻め!」
「分かってるわよ!でも、出来ないの!!なんで?!」
「貴方の力を、私が抑えているからよ」
「この場で力を使うなんて、何を考えているの?国に反旗を翻しているものよ?」
国王は、頭を抱え唸る。王妃は、立っているのもやっとらしく、王太子に支えられている。
「氷の姫巫女は、先の戦いで力を使い切ったのだぞ。まだ、回復しきってはおらんのに」
「大丈夫ですわ、陛下。これぐらいならば、今の私の力でも可能ですから」
床に座り込み、カルディオ様に支えられながらも答える。
「宰相、2人は牢で構わんな?」
「はい、それが妥当でしょう」
「な!?、父上?!」
「連れて行け!」
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「どうした?何の騒ぎだ?」
その声に顔を上げる。
ようやく来て下さいましたか、国王陛下。
「エリーシュ殿?どうしたのだ?」
この場に現れた救世主は、国王陛下と王妃、私の婚約者であるカルディオ様、そして、王太子殿下である。
宰相様は一緒ではないらしい。
「それが、陛下……困った事になりましたの。話が通じなくて……」
頬に手を添えて、小首をコテンと傾げる。
カルディオ様が近付いてきて、肩を抱き寄せ『大丈夫か?』と耳元で声がする。カルディオの胸に額を付け短く返事をする。
それを見た、バカンド様が、また喚き散らします。
「貴様!やはり、浮気か!!許せん!国外追放だ!!!!」
「なんだと?」
「ヒッ」
声を荒げて宣言した言葉を聞いたカルディオ様が、戦場で放つオーラを纏い相手を睨み付けた。
「無礼な男だな、我が妻となる女性に浮気だと?!」
底冷えするような、地の底から響くような声音に私ですらもビクッと肩を揺らしてしまう。
「……と、大丈夫か?すまぬ、そなたを怖がらせるつもりは無いのだ」
先程とは打って変わって、優しい声音で語りかけるカルディオ様に顔を上げて『大丈夫ですわ』と笑いかける。
そこに、場違いな黄色い声が響く。
「きゃぁ、カルディオさまぁ!素敵ですわぁ~」
「「え?」」
「そんな女放って、私と行きましょうよぉ」
「ね?」
「断る」
「え~?どぉしてですかぁ?そんな女より、私の方がいい女ですわよ?」
と言って胸元を強調しながら、カルディオ様に撓垂れ掛かる。
カルディオ様の腕に抱き着き、胸を押し付け『うふふ』と笑っている。
その顔には、『勝った!』と書いてあった。
ですが、カルディオ様が女の色香に騙されるほど馬鹿ではありません。先程『断る』と言ったのがきこえなかったのでしょうか?さっさと、その手を話した方が身のためだと思いますのに……
「離せ、汚らわしい!」
腕を振り払い、後ろに突き飛ばされたマモレイナ様は、バカンド様に抱き止められていた。そして、大袈裟に叫び出した。
「きゃあ!」
「だ、大丈夫か?」
「女性を突飛ばすとは、最低な行いだと思いますよ辺境伯殿」
「どいて、僕が懲らしめてあげる」
臨戦態勢に入ったバカンド様と、マモレイナ様を慕う男性達だが、喧嘩を売る相手、間違ってませんか?
相手は英雄ですのよ?
「全く、お前達は何をしている?このパーティーにお前達を招待した覚えはないぞ?」
王太子が眉間を揉みほぐし、アホを見る目でバカンド様を見やった。
王妃は、私を馬鹿にした彼らに冷たい眼差しを送っていて、国王は、近くにいた騎士に宰相を呼ぶよう指示している。
「何を言っているのですか、レイナは春の聖女、参加するのは当然ではありませんか?」
「エリーシュは良くて、レイナがダメだなんて…卑怯ではありませんか」
私が参加するのは当然です。
今回の戦いには、私も参戦していたのですから……
「エリーシュ殿が参加するのは当然だ。彼女は、そこの桜の姫巫女の代わりに戦場に出向いてくれたのだからな」
そうです。
今回の戦いに於いて、桜の姫巫女は出陣を厳命されていた。
……にも関わらず、いざ戦場を前にして敵前逃亡を測ったのです。
お陰で、多くの騎士達が死線をさ迷うことになったのです。
梨の姫巫女、日華の姫巫女は、今回の戦いに出向出来ない確かな理由があり、私に白羽の矢がたちました。
急いで、戦場に赴けば沢山の騎士が死にかけていて……癒すのが、後一歩遅れていたら皆死んでいたでしょう。
「なに?人気取りでもしたかったの?氷の」
「違います」
「それとも、カルディオ様に取り入りたくて?」
「違います!」
「私がモテるのが気に入らなかったんでしょう?」
「違います!!」
「貴方に、カルディオ様は相応しくありませんわ、だって私を階段から突き落とすような女なんですから」
「カルディオさまぁ、この女は本当に最低な女なんですよぉ、私の元にいらしてくださいな」
「お前は、バカ…バカンド殿が好きなんだろう、私はお前が嫌いだ」
「バカンド様も、勿論好きですが、1番はカルディオ様ですのよ」
「それ以上近付けば殺す」
「ヒッ……」
なんて言うか、図太いですよね。
突き飛ばされても尚、向かってくるんですもの。
「何をやっているんだ?!」
あら?来ましたわね宰相
「陛下!これは一体……?」
王妃と王太子が、二人がかりで状況を説明している。
すると、見る見るうちに顔から表情と色をなくしていく宰相。
チラッと私を見て、息子に目線をやる。
カルディオ様に誘惑の視線を絶え間なく送るマモレイナ様とそんな彼女を愛しげに見つめるバカンド様。
そこに侯爵夫人も駆けつけ、顔を真っ青に染め私に頭を下げる。
「申し訳ありませんわ!エリーシュ様」
バタバタと足音がして、騎士団長、魔法局長も駆け付けてきた。
2人は自分の子らの頭を押さえ付け、私に謝罪をさせようとしているが……
「何をするのですか!父上!」
「父様?痛いです…!」
2人は全然反省していません。
これでは、謝罪を受け入れるのは無理ですわね。ふいっと、顔を背け謝罪を拒否する姿勢をとると『申し訳ない!』と言い、2人をどこかに連れていった。
そうして、残ったのはバカンド様とマモレイナ様だけとなった。
「な、によ!あんた、邪魔なのよ!」
一陣の風が吹き、桜の花びらが舞う。
攻撃の意志を持って、私の体を引き裂く。
同時に、氷が周囲に張り巡らされ、会場に来ていた同盟諸国の要人や貴族を守る盾を作る。
「……っ!」
「エリーシュ!?」
「エリーシュ様……!」
「馬鹿な……!」
「奴らはアホなのか!?」
会場に悲鳴が響き渡る。
床に膝をついて、息を整える。
「大丈夫か!?エリーシュ!」
「大丈……夫、ですわ」
こんな所で、聖女の力を使うなんて……
何を考えているのかしら…
「あっは、あっはははは!」
「よっわ!そんな弱くて、よく聖女なんて言えたわね!!あははは」
「き……さま!」
「騎士達よ!捕らえよ!」
「きゃあ!何すんのよ!?」
「おい、止めろ!」
「もぉ!私に手を出すなら、あんた達もアイツと同じ目に遭わせてやるんだから!」
だが、何も起きない。
「な……なんでよ!?」
「どうしたんだ?早く奴らを切り刻め!」
「分かってるわよ!でも、出来ないの!!なんで?!」
「貴方の力を、私が抑えているからよ」
「この場で力を使うなんて、何を考えているの?国に反旗を翻しているものよ?」
国王は、頭を抱え唸る。王妃は、立っているのもやっとらしく、王太子に支えられている。
「氷の姫巫女は、先の戦いで力を使い切ったのだぞ。まだ、回復しきってはおらんのに」
「大丈夫ですわ、陛下。これぐらいならば、今の私の力でも可能ですから」
床に座り込み、カルディオ様に支えられながらも答える。
「宰相、2人は牢で構わんな?」
「はい、それが妥当でしょう」
「な!?、父上?!」
「連れて行け!」
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