私は息子と騎士と共に過去に戻り、今度こそ愛する娘を幸せにする

紫宛

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第6話

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父親目線の話のみ、タイトル表示から消しました。父目線、弟目線、騎士目線と入れていくと逆に分かりにくいかな?という判断です。
ですが、入れた方が分かりやすいという方は、感想にてお知らせ下さい(*ᴗˬᴗ)⁾

─────

あれから、ひと月近く経つが……未だ、娘ジュリアの警戒が取れない。

「どうしたら、良いんだ……」



このひと月の間……

私は、使用人一人一人の事情聴取を行った。
先ずは下っ端の使用人から行い、徐々に上の使用人の話を聞いていく。

その中で、聞くに絶えない行いを指示した使用人と実行犯は直ぐに解雇し、二度とタンザナイト公爵家の前に現れることを禁止した。

彼らが行った内容は……

1つは
の指示で、ジュリアを3日間ある一室にて幽閉し食事を抜いていたという。水は提供したらしいが、幽閉中は中に入る事は禁止の為、多めに部屋に入れておくそうだ。
そして、ジュリアの幽閉は必ず私が屋敷に日に行われたそうだ。

私は……知らなかった…気付かなかった…。

少しは何かしらのサインがあったはずなのに……私は……今までジュリアの何を見ていたのだろうか……。

今更悔やんでも、遅い……のかも知れん。


2つ目は体罰……
の指示で、使用人がジュリアに手を上げていたという(腹立たしいっ)。時間を守らなければ短鞭で手の甲を叩き、言うことを聞かなければ平手打ち。更に教師陣からも、勉強が出来ないと短鞭で叩いていたそうだ。

どれも、服で隠れる場所だった…
それを知った瞬間に、私は姉上を呼んだ。
我が家系の女性は、タンザナイトの治癒の力を使えるからだ。

……そして、私は姉上に物凄い剣幕で怒られた…

ジュリアに接してないという事は、放置していると捉えられても仕方ないんだぞと。放置してるという事は、それが虐待になる事もあると。私が愛していても、それを行動に起こせなければ意味が無いんだと。たとえ聡明で賢くてもジュリアはまだ幼いんだ、親の愛情を必要としてるんだ!と。

姉上の言葉は、全て胸に突き刺さった。


そして、3つ目は料理……
料理長は、頑固で曲がったことが嫌いな真人間だから信頼していたんだが……
そして彼は、私がジュリアの食事は作らなくてもいいと指示されたと言ってきた。当然、私はそんな指示は出していない。

誰が言ったのか問い詰めてみれば、指示をしたのはザシュトだった。料理長は不思議に思いながらも、私の指示だからと信じ従ったそうだ。

『あの時に、不審に思ったあの時に当主様に確認しておけば良かった。申し訳ない、この罰は如何様にも受けよう』

と彼は反省し、どんな罰も受けると言ってきた。彼の性格は知っている…だから暫くの間、給料は無しだと伝えた。

彼がジュリアの料理を作っていなかったなら、一体どんな料理を誰が作りジュリアに出していたのか…
それは、金に目が眩んだ彼の部下がザシュトの指示通りの料理を作り提供していたそうだ。

『わ、私は指示されただけです!脅されたんですっ!信じて下さいっ!』

そう言ってきたが、そいつの部屋から金貨が出てきた事、契約書や書きかけの報告書等も見つかったことから直ぐにクビにした。更に、他家が雇わないよう伝達もしておいた。

ジュリアが最近まで口にしていたもの……それは、家畜の餌のような味気ない穀物のスープだった……家畜の餌より酷い気がするのは私だけだろうか?

そんなものを食べ続けていれば、成長が遅いのは当たり前、青白く生気のない顔も当然だった……

本当に私は、何も見ていなかったのだな……


これらに加担した使用人は全て解雇し、新たに雇い直した。ジュリアを大切に扱ってくれ、更にに流されず忠実に仕えてくれる者だけを選別し雇用した。

全ての使用人を調べるためにひと月かかったが…みな、最終的にはある者の名を上げた。

それは……

マーシェリー・タンザナイト

私の妻で、タンザナイト公爵夫人だった。

妻が、ジュリアの……虐待に近い教育をしていること、そして使用人を買収し自らの手を汚すことなく、行為を行っている事が今回の件て判明した。

だから、ハーヴェイの能力を使ってなるだけ妻とジュリアが合わないよう、画策する事にした。

だが、それも長くは続かないだろうが……な。

コンコンと小さなノックの後、新たに執事長になったイグニスが部屋に入ってきた。
まだ若く、精悍な顔つきだが優秀な男だ……クロードの知り合いらしく、信頼性もある。

「失礼します、奥様が用事があるとかで今からお越しになるそうです」
「分かった、茶の用意を頼む」
「畏まりました」

イグニスにお茶の用意をさせ、妻であるマーシェリーを待った。

彼女の要件は分かっている。
恐らくは、使用人の件とジュリアの家庭教師の件だろう。

彼女に黙って、勝手に色々と変えたからな。
金銭を管理している彼女からしたら、怒るのは当然かもしれない。


……が、公爵夫人としての仕事を一時的に全て剥奪しようと思っている。屋敷の修繕費用等を、着服している可能性があるからだ。

でなければ、ジュリアの部屋や廊下の惨状が説明できん。どこまで放置したら、あの状態になるのだ……。

使用人の質も悪いし、家庭教師もろくな教えをしてなかった、とシュテルが言っていた。
ならば、家庭教師は何を教えていたというのだ?何の理由で雇ったのか、マーシェリーに聞く必要がある。

まぁ、正当な理由は無いだろうな。
どんな言い訳をするか、楽しみではあるな。

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