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本編

閑話 精霊会議

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(あー、あー、聞こえる?こちら、レーヴェよ)
(聞こえてる)

レーヴェの声にノクトールが答えた。
彼らはそれぞれの主の元で、念力を送り会話をしている。

これはあの日、お披露目の後に目撃したグレイスの状況を精霊妃と共有するために設けたもの。

精霊妃は精霊王と繋がっているため、王を通じて精霊の能力を自分の力として扱うことが出来る。訓練は必要だが…

(聞こえてるわ)
(おう!)
(問題ねぇよ)

グランディネ、ルフト、カイリオも答えた。

(あれ?アピとラスティは?)
(聞こえていますよ)
(あたしも、問題ないよ)

残り2人も答えた。

(じゃ、始めるわよ?)
(あぁ、頼む)

レーヴェは、この間の状況を精霊妃達に伝えた。ノクトールもレーヴェの言葉に補足し、詳細に伝えた。

(……信じられない、だから嫌いよ人間なんて)
(この間、私も見ました。グレイス様を殴っている所を)

ラスティの言葉に、みんなが息を飲んだ。
全員が黙り、ラスティの言葉の続きを待っている。

(私が見たのは昨日です。セルジュが宰相の元に行った帰り道……セルジュは気付いてませんでしたが、人気のない遠くの方で殴っている所を…)

見ました……私、意外と目はいいんです。とラスティは言った。

アピも、別の場所で蹴っているのを見たと言った。

(にしても、アイツ馬鹿だろ?精霊に危害を加えるやつが、精霊妃になれるわけねえってのになんで分からねぇんだよ?)
(馬鹿だからです)

ノクトールが、言い切った。

(昔からです。なぜココ最近の伯爵領が潤っているのか、あの馬鹿共は分からないのです)
(……水が豊かなのは、ネージュのお陰)
(大地が実り豊かなのは、フェルゼンの力です)
(空が安定してんのは、ヴィントだな)
(温暖な気候は、シオンが気にかけてるから)
(全ては……セラフィへの恩返しだ)

最後にカイリオが言った。

それでも、伯爵家が無理な徴収を繰り返すから、彼らは実り豊かでも苦しんでいた。

(ソルレヴェンテ殿が怒れば、オプスキュリテが動く。お前達は、自分の担当を守れ)
(分かってるわ)
(うむ)
(……仕方ないわね)
(はい)

全員が頷いて、この話は終わった。

だが……

(にしても、ノクトールのセラフィ独占は頂けねぇよなっ)
(それは、同感っ!私も仲良くしたいわ)

ルフトの言葉にアピが頷く。

(なっ!)
(おや、そんなの無視して近寄ればいいのです。なにせ、彼は…うさぎですからね……)

この場の誰よりも、小さな存在だとラスティは言った。

(絶対!に、近寄らせませんからねっ)


この日の夜中、事件は起きた。
ソルレヴェンテの怒り……それは、オプスキュリテが介入した事で、一旦収まりを見せた。被害は、メルフィの失明だけだった。


────

閑話はこれで終わりになり、次話からは本編に戻ります。
あと数話で完結です。
最後まで、よろしくお願い致します(*ᴗˬᴗ)⁾
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